演繹法と帰納法の違い・ソクラテスの例え

演繹法と帰納法の違いとソクラテスの例えについてまとめました。

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【はじめに】演繹法と帰納法の違い

演繹法と帰納法は論理的に結論を導く手法です。大まかな違いは以下のとおりです。

手法 概要
演繹法 既存の法則に対して、具体的な事象(データ)あてはめて、結論(主張)を導く手法です。
帰納法 複数の具体的な事象(データ)から、共通の法則を抽出し、そこから結論(主張)を導く手法です。
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【演繹法】組み立て方の例と注意点

演繹法とは、既存の法則に対して、具体的な事象(データ)あてはめて、結論(主張)を導く手法です。
別名、アリストテレスの三段論法ともいい、有名なのは以下の三段論法(大前提、小前提、結論の三段構えで結論を導く法則)です。

「人間はいつか死ぬ(大前提)」 → 「ソクラテスは人間である(小前提)」 → 「ソクラテスはいつか死ぬ(結論)」

上記の場合、「既存の法則=三段論法」に対して「大前提と小前提に具体的な事象をあてはめている」ことになります。
ただし、以下のように前提(具体的な事象、データ)の組み立て順を誤ったり、前提そのものが誤っていると誤った結論を導いてしまいます。

【組み立てを誤った例】
「猫はいつか死ぬ(大前提)」 → 「ソクラテスは死ぬ(小前提)」 → 「ソクラテスは猫である(結論)」
※前提はすべて正しいが組み立て方に誤りがあるので、結論がおかしくなる

【前提(事象、データ)を誤った例】
「人はいつか死ぬ(大前提)」 → 「ソクラテスは人間でない(小前提)」 → 「ソクラテスは死なない(結論)」
※小前提に誤りがあるので、結論がおかしくなる

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【帰納法】組み立て方と注意点

複数の具体的な事象(データ)から、共通の法則を抽出し、そこから結論(主張)を導く手法です。
ただし、具体的な事象(データ)と結論の親和性が良くなかったり、具体的な事象(データ)の数が少ないと誤った結論を導いてしまうので注意が必要です。

【正しい結論を導く例】
具体的な事象(データ):魚の消費量が減少している、洋食の人気が高まっている、肉食人気が高まっている、健康ブームが高まっている、糖質制限ダイエットが流行っている
結論:肉の消費量が増えている

【データ数が不十分な例】
具体的な事象(データ):健康ブームが高まっている
結論:肉の消費量が減っている
※データ数が少ないため、誤った結論を導いている

【データと結論の親和性が不十分な例】
具体的な事象(データ):ゲームの売上が伸びている、平均寿命が伸びている
結論:魚の消費量が増えている
※データと結論の関係が深くないため、誤った結論を導いている

このように、帰納法では目の前の事象に捕らわれてしまうと誤った結論を導きやすいくなります。
「問題の根本的な原因」を意識して問題を構造化し、それぞれの事象を掘り下げていくのが大事です。

(例)
問題:店の売上が減少している
→今年は売上を前年比20%まで伸ばしたい
そもそも売上が落ちている原因は何なのか

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