BH曲線(磁化曲線)の見方・ヒステリシス曲線

BH曲線(磁化曲線)の見方についてまとめました。

【BH曲線】磁性体の磁束密度Bと磁界の強さHの関係を示した曲線

磁性体の磁束密度Bと磁界の強さHの関係を示した曲線をBH曲線(磁化曲線)といいます。
ある鉄心にコイルを巻いてリアクトルを製作し、電源電圧を印加すると上図ような軌跡が確認されます。
コイル電流が最大のときの点はループ右上(B及びHが最大)です。
電源電圧の実効値が一定に保たれたまま周波数がやや低下したとき、ヒステリシスループの面積は大きくなります
周波数が一定で、電源電圧実効値が低下したとき、ヒステリシスループの面積は小さくなります
コイル電流実効値が一定で、周波数がやや低下したとき、ヒステリシスループの面積はほとんど変わりません

パラメータ 説明
H 磁界の強さ[A/m]
B 磁束密度[T]
H_c 保磁力[A/m]
B_r 残留磁気[T]
用語 概要
ヒステリシス損 鉄心入りコイルやトランスに交流電流を流したときに、ヒステリシス曲線で囲まれた面積に比例して発生するエネルギーの損失。これをヒステリシス損といいます。
コイル、トランス ヒステリシス曲線の面積が小さい磁性体の方が向いています。これは、磁界が0(コイルに流れる電流の瞬時値が0)になっても磁力が残る鉄心(磁性体)は、逆向きの電流が相当流れないとインダクタンスを持たないため効率が悪いからです。
永久磁石 ヒステリシス曲線の面積が大きい磁性体の方が向いています。これは、外部の磁界が0になっても磁力が強く残っていて欲しいためです。
※ヒステリシス曲線で囲まれた面積が大きい→B_rH_cが大きい
磁気遮蔽 磁界中に強磁性体を置くと、周囲の磁束は、磁束が通りやすい強磁性体の内部を通る。このとき、強磁性体を中空にしておくと、中空の部分には外部の磁界の影響がほとんど及ばない。このように、強磁性体でまわりを囲んで磁界の影響が及ばないようにすることを磁気遮蔽という。
【電験3種】電磁気学の攻略ポイントと例題
電験3種(理論)における電磁気学の攻略ポイントと例題をまとめました。
【電気・電子回路入門】基礎・アルゴリズム・公式集
電気・電子回路の基礎・アルゴリズム・公式集について入門者向けにまとめています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました