【電気工事士】電気工事の種類・施工方法

電気工事における施工方法の種類についてまとめました。

【地中埋設工事】直接埋設式、管路式、暗渠式

地中埋設工事には大きく分けて「直接埋設式」「管路式」「暗渠式」の種類があります。

種別 概要
直接埋設式 【格納する配線】
ケーブル(VVF・VVRケーブルなど)のみ。絶縁電線は使えない。
【埋設深さ】
1.2m以上(道路の真下など、車両等の重量物の圧力を受ける可能性がある場所)
0.6m以上(上記以外の場所)
【ケーブル防護】
防護物(トラフ等)に格納する。道路の真下など、車両等の重量物の圧力を受ける可能性がない場所では、頑丈な板やといでケーブルの上部を覆う。
管路式 【ケーブル防護】
鉄管、鉄筋コンクリート管、強化プラスチック管など
暗渠式 【格納する配線】
ケーブル(VVF・VVRケーブルなど)だけでなく電線、水道管、ガス管なども格納可能
【ケーブル防護】暗渠(くうきょ)
詳細記事 【地中埋設工事とは】直接埋設式、管路式、暗渠式の違い

【金属管工事】金属管・電線の種類

金属管工事とは、電線を通して配線する際に、金属管を使うタイプの工事です。

金属管には、大別して「ねじなし電線管」「薄鋼電線管」「厚鋼電線管」の3種類があります。

種別 概要
電線 ●600Vビニル絶縁電線IV(OW線はNG)
ねじなし電線管(E管) 【管の肉厚】1.2mm以上
【ねじ】ねじを切らないで使うタイプ
薄鋼電線管(C管) 【管の肉厚】1.6mm以上
【ねじ】ねじを切って使うタイプ
厚鋼電線管(G管) 【管の肉厚】2.3mm以上
【ねじ】ねじを切って使うタイプ
詳細記事1 【金属管工事とは】金属管・電線の種類、接続・施工方法
詳細記事2 【電線】「より線」と「単線」の違い

電線はIVの「より線」または「直径3.2mm以下の単線」がよく使われます。

【金属製可とう電線管工事】ポイント

金属製可とう電線管は、曲げることができる(可とう)金属製の電線管です。

工事のポイント
施工場所 展開している場所乾燥していて点検できる隠ぺい場所
電線 絶縁電線(OW以外)
支持点間距離 1.5m以下
屈曲部 ●内側の半径が管内径の6倍以上
※露出した場所または点検できる隠ぺい場所で、管の取り外しができる場所では管内径の3倍以上でもOK
接地 D種接地工事(使用電圧が300V以下の場合)
C種接地工事(300Vを超える場合)
※300Vを超えても接触防護措置を施す場合はD種接地工事でOK
D種接地工事を省略できる条件 ●電線管の長さが4m以下の場合
接続 ●管相互、管とボックスは電気的に完全に接続
禁止事項 ●管内で電線を接続するのは禁止
詳細 【電気工事士】金属製可とう電線管工事

【合成樹脂管工事】ポイント

合成樹脂管工事は、合成樹脂でできた管内に通線(電線を通して配線)する工事です。

工事のポイント
施工場所 乾燥した点検できない隠ぺい場所
種類 ●合成樹脂管には「VE管」「PF管」「CD管」の3つがある
VE管 硬質塩化ビニル電線管トーチランプの炎の熱でVE管を熱して曲げることができる。
PF管 ●灰色の合成樹脂製可とう電線管。
自己消火性あり(火から離れると燃え続けない)
CD管 ●オレンジ色の合成樹脂製可とう電線管。
コンクリートに埋設して使用
自己消火性なし(火から離れても燃え続ける)
電線 絶縁電線(OW以外)
支持点間距離 1.5m以下
屈曲部 ●内側の半径が管内径の6倍以上
差込み深さ ●管外径の1.2倍以上(接着剤を使わない場合)
0.8倍以上(接着剤を使う場合)
接地 D種接地工事(使用電圧が300V以下の場合)
C種接地工事(300Vを超える場合)
※300Vを超えても接触防護措置を施す場合はD種接地工事でOK
接地を省略できる条件 ●「乾燥した場所」 or 「対地電圧が150V以下で簡易接触防護措置を施す場合」はD種接地工事を省略可能
禁止事項 ●合成樹脂管内で電線を接続するのは禁止
●合成樹脂管相互の直接接続は禁止VE管相互の接続を除く
爆燃性粉じん or 可燃性ガスがある場所でVE管、PF管を施設するのは禁止
詳細 【電気工事士】合成樹脂管工事

【金属線ぴ工事】メタルモール、レースウェイ

金属線ぴ工事は、メタルモールやレースウェイ内に電線を通す工事方法です。

工事のポイント
電線 絶縁電線(OW以外)
支持点間距離 1.5m以下
接地 ●D種接地工事
D種接地を省略できる条件 ●金属線ぴの長さが4m以下の場合
●対地電圧150V以下 & 金属線ぴの長さが8m以下 & 簡易接触防護措置を施す、もしくは乾燥した場所の場合
注意 ●金属線ぴ相互、金属線ぴとボックスは電気的に接続する
禁止事項 ●金属線ぴ内で電線を接続(電線を分岐する場合で接続点を容易に点検できる場合はOK)
●低圧の屋側配線で金属線ぴ工事
詳細 【電気工事士】金属線ぴ工事

金属線ぴは、「1種金属製線ぴ(メタルモール)」と「2種金属製線ぴ(レースウェイ)」の2種類があります。

種別 概要
1種金属製線ぴ(メタルモール) 幅が4cm未満
2種金属製線ぴ(レースウェイ) 幅が4cm以上5cm以下

※幅が5cmを超えると「金属ダクト」になる

【金属ダクト工事】

金属ダクトでは、金属製のダクト中に電線を通して配線します。
引出口などで多数の配線を収める必要のある工場やビルでよく利用されています。

工事のポイント
施工場所 乾燥した点検ができる隠ぺい場所または乾燥した展開している場所
電線 絶縁電線(OW以外)
●断面積の総和は内部断面積の20%以下
(電光サイン、出退表示灯などの配線のみを収める場合は50%以下)
支持点間距離 3m以下
ダクト終端部 閉そくする
接地 ●金属ダクトに対して、使用電圧300V以下ならD種接地工事300V超ならC種接地工事
(接触防護措置を施す場合は300V超えでもD種接地工事でOK)
注意 ●金属ダクト相互は電気的に接続する
禁止事項 ●金属ダクト内で電線を接続(電線を分岐する場合で接続点を容易に点検できる場合はOK)
詳細 【電気工事士】金属ダクト工事

【ライティングダクト工事】照明器具

ライティングダクトとは、スポットライトなどの照明器具やコンセントを接続できる溝形の配線器具です。
ライティングレールとも呼ばれ、 ダクトの自由な位置に照明器具を配置できます。
照明などを移動させる機会が多い、服装店、スーパー、デパートなどでよく利用されています。

事のポイント
施設方法 ●漏電遮断器を施設(ダクトに電気を供給する電路に対して)
支持点間距離 2m以下
ダクト終端部 閉そくする
接地 ●ライティングダクトに対してD種接地工事で接地
(合成樹脂等の絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使用する場合や、対地電圧が150V以下、ライティングダクトの長さが4m以下の場合は省略可能)
注意 ●ダクトの開口部は下向きにする
禁止事項 ●造営材の貫通
詳細 【電気工事士】ライティングダクト工事

【フロアダクト工事】

フロアダクト工事は、そのフロアダクトの中に電線を通して配線する工事です。
フロアダクトとは、床内に埋め込むタイプの配線用の樋(とい)です。
床上へ電線を引き出せるようになります。

工事のポイント
電線 絶縁電線(より線または直径3.2mm以下の単線)を使用。(屋外用ビニル絶縁電線(OW)以外)
接続方法 ジャンクションボックス内で接続(電線を分岐する場合で、接続点を容易に点検できる場合はフロアダクト内で電線を接続してもOK)
接地方法 D種接地工事(省略条件なし)ロアダクト
注意 フロアダクトの終端部は閉そくする
フロアダクト支持 ダクトサポートを使用
詳細 【電気工事士】フロアダクト工事

【がいし引き工事】

がいし引き工事とは、その名のとおり碍子(がいし)を使う工事です。
造営材に碍子を設置し、その上に電線を固定して配線します。

工事のポイント
施工場所 乾燥した点検ができる隠ぺい場所乾燥した展開している場所
防護措置 簡易接触防護措置を施す(使用電圧が300V以下の場合)
接触防護措置を使用(使用電圧が300Vを超える場合)
電線 絶縁電線を使用(屋外用ビニル絶縁電線:OW、引込用ビニル絶縁電線:DV、引込用ポリエチレン絶縁電線:DE以外)
電線の支持点間距離 2m以下(造営材の上面または側面に沿って取り付ける場合)
電線と造営材の離隔距離 2.5cm以上(使用電圧が300V以下の場合)
●4.5cm以上(使用電圧が300V超の場合)
※乾燥した場所に施設する場合は、使用電圧が300Vを超えても2.5cm以上
電線相互の離隔距離 6cm以上
詳細 【電気工事士】がいし引き工事

【ネオン放電灯工事】

ネオン放電灯工事とは、その名の通りネオン放電灯を使用するときの工事です。

工事のポイント(使用電圧が1000V超)
ネオン放電灯 ●簡易接触防護措置を施す
15A分岐回路 or 20A配線用遮断器分岐回路を使用
電線 ネオン電線を使用
施設場所 がいし引き工事により展開した場所 or 点検できる隠ぺい場所に施設する
電線の支持点間距離 1m以下
電線相互の離隔距離 6cm以上
接地 ネオン変圧器の外箱をD種接地
ネオン放電灯の支持 チューブサポート(碍子の一種)を使用。
電線の支持 コードサポート(碍子の一種)を使用。
詳細 【電気工事士】ネオン放電灯工事

【ショウウィンドー・ショウケース内工事】

ショウウィンドー・ショウケース内工事は、その名の通りデパートの衣服売り場などで見かけるショウウィンドーやショウケース内の工事です。
ショウウィンドー・ショウケース内工事で電装周りの工事を行う場合、ポイントは次のようになります。

項目 内容
電線 断面積0.75mm^2以上のコード、もしくはキャブタイヤケーブル(配線の使用電圧300V以下で、乾燥した外部から見えやすい場所に限り、コードを造営材に接触して取り付けてもOK)
低圧屋内配線との接続 差込接続器(コンセント、差込プラグなど)を使用。
電線の取り付け点間距離 1m以下
禁止事項 電線に照明器具などを支持させる行為。(電線に照明器具などの重量物を吊り下げてはダメ!絶対!)
詳細 【電気工事士】ショウウィンドー・ショウケース内工事

【小勢力回路工事】

小勢力回路とは、絶縁変圧器で最大使用電圧が60V以下に下げられた回路のことです。
チャイム用変圧器、リモコン変圧器などの絶縁変圧器の二次側が小勢力回路です。
(絶縁変圧器・・・変圧器の一次側と二次側の電線(巻線)がつながっていない変圧器)

ケース 概要
造営材に取り付けて施設する場合 直径0.8mm以上の軟銅線を電線に使用
架空施設する場合 直径1.2mmの硬銅線を電線に使用
詳細 【小勢力回路】絶縁変圧器(チャイム用変圧器、リモコン変圧器など)

【接地工事】種類、接地抵抗値、接地線

種類 摘要 接地抵抗値 接地線
A種接地工事 高圧・特別高圧などの機器の鉄台、金属製外箱などの接地 ●10Ω以下 引張強さ1.04kN以上の金属線 or 直径2.6mm以上の軟銅線
B種接地工事 高圧・特別高圧と低圧を結合する変圧器の中性点(中性点がない場合は低圧側の一端子)の接地 変圧器の高圧側 or 特別高圧側の電路の1線地絡電流のアンペア数で150を除した値以下 引張強さ2.46kN以上の金属線 or 直径4mm以上の軟銅線
C種接地工事 300Vを超える低圧の機器の鉄台、金属製外箱などの接地 10Ω以下
500Ω以下(※低圧電路で当該電路に地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設する場合)
引張強さ0.39kN以上の金属線 or 直径1.6mm以上の軟銅線
D種接地工事 300V以下の機器の鉄台、金属製外箱などの接地 100Ω以下
500Ω以下(※低圧電路で当該電路に地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設する場合)
引張り強さ0.39kN以上の金属線 or 直径1.6mm以上の軟

【補足】D種接地工事を省略できる条件

条件
1 乾燥した場所 かつ 対地電圧150V以下
2 乾燥した場所に敷設された金属管の長さが
4m以下(対地電圧200V)
8m以下(対地電圧100V)
3 絶縁性のある場所(乾燥した木製の床など)に機器を設置した場合
4 定格感度電流15mA以下動作時間が0.1秒以下の漏電遮断器を用いる場合(コンクリート製の床など水気のある場所は除く)
参考文献・関連ページ
1 【第二種電気工事士】例題・試験対策まとめ
2 【電験三種】例題・試験対策まとめ
3 電気・電子回路入門
4 複線図のデータ
電気・電子工学
技術雑記

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