【電験3種】法規・計算問題「B種・D種接地工事」「1線地絡電流」の計算例

電験三種(法規)における計算問題「B種・D種接地工事」「1線地絡電流」の計算例をまとめました。

【電技解釈17・24条】B種接地工事の接地抵抗値とその根拠

B種接地で混触事故が起きると、電位上昇(1線地絡電流Ig×接地抵抗)が起きますが、安全のために低圧電路の対地電圧に上限が定めらています。
この上限値を1線地絡電流で割ったものが、B種接地工事の接地抵抗値の上限となっています。
B種接地とD種接地の内容は以下のとおりです。

種別 接地抵抗値 特徴 接地線
B種接地 150/Ig[Ω]以下(漏電遮断器の動作時間が1秒以内なら600/Ig[Ω]、1秒超2秒以内なら300/Ig[Ω]) 高圧又は特別高圧電路と低圧電路の間にある変圧器の低圧側の中性点の1線に施す接地。変圧器の混触(高圧側と低圧側が接触し、高圧が低圧側に流れ込んむこと)時に電圧上昇を抑えるのが目的。 変圧器一次側電圧が15000V以下なら直径2.6mm以上の軟銅線15000V超えなら直径4mm以上の軟銅線(その他、詳細は電技解釈第17条2項を参照)
D種接地 100[Ω]以下(漏電遮断器の動作時間が0.5秒以内なら500Ω以下) 300V以下の低圧の電気機器外箱等、高圧計器用変成器の2次側電路の接地。感電等の災害防止用。 直径1.6mm以上の軟銅線(※詳細は電技解釈第17条4項を参照)

【B種接地抵抗の注意点】
「特別高圧と特別高圧の間の変圧器」「特別高圧と高圧の間の変圧器」「高圧と高圧の間の変圧器」にはB種接地抵抗は施さない。例えば、「22kVと10kVの間にある変圧器」や「6.6kVと3.3kVの間にある変圧器」にはB種接地抵抗は施さない。

【電験三種】「A種、B種、C種、D種接地の違い」「変圧器の混触防止用の接地」と例題
電験三種(法規)における「電気設備の接地」と「A種、B種、C種、D種接地の違い」と例題をまとめました。

【1線地絡電流】計算方法

1線地絡電流Igは、実測値か以下の式で計算したい値を用います(電験3種試験では問題で与えられるので暗記不要)。

(1)   \begin{eqnarray*} Ig=1+\frac{\frac{V'}{3}L-100}{150}+\frac{\frac{V'}{3}L'-1}{2} \end{eqnarray*}

Ig:1線地絡電流[A]・・・小数点以下切り上げ。2未満の場合は2になる。
V”:公称電圧÷1.1[kV]
L:同一母線に接続される高圧電路の電線延長(ケーブルを除く)[m]
L’:同一母線に接続される高圧電路の線路延長(ケーブルに限る)[m]

【例題】6.6〔kV〕配電線路に接続される柱上変圧器のB種接地抵抗値

公称電圧6.6〔kV〕の変電所母線に接続された中性点非接地式架空配電線路(三相3線式のこう長は100〔km〕、単相2線式のこう長は20〔km〕)がある。この配電線路に接続される柱上変圧器の低圧側に施設されるB種接地工事の抵抗値は何〔Ω〕以下とする必要があるか。ここで、変電所引出口の遮断装置は、高低圧電路の混触時に1秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を有している。

題意に与えられた式から,( 題意ではケーブルは使用されていない)

V=6.6/1.1=6〔kV〕
L=(100×3)+(20×2)=340〔km〕
L’=0

よって、一線地絡電流は以下のとおり、切り上げて5〔A〕となる。

(2)   \begin{eqnarray*} I=1+\frac{\frac{6}{3}\times 340-100}{150}=4.87 \end{eqnarray*}

ここで、「変電所引出口の遮断装置は、高低圧電路の混触時に1秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を有している。」という条件より、B種接地工事に必要な接地抵抗値は以下の計算により、120〔Ω〕以下と求まる。

(3)   \begin{eqnarray*} R_{B}=\frac{600}{I}=\frac{600}{5}=120〔Ω〕 \end{eqnarray*}

【D種接地工事】対地電圧、D種接地抵抗値

D種接地工事は、感電等の危険防止のために300V以下の低圧用機器の金属製外箱や鉄台に施す接地工事です。
B種接地抵抗値とセットで、対地電圧やD種接地抵抗値を求める問題がよく出ます。

E_0:使用電圧
V:対地電圧
R_B:B種接地抵抗値
R_D:D種接地抵抗値
R_H:人体の抵抗値
I_H:人体に流れる電流値

D種接地の接地抵抗値や対地電圧を求める問題が出ます。

【例題】一線地絡電流とB種接地抵抗値の計算

公称電圧6.6kVの三相3線式中性点非接地方式高圧電線路がある。
同一母線に接続される高圧配電線路の内訳が以下のとき、各問に答えよ。

・架空配電線路(絶縁電線)が3回線(こう長15km)
・地中配電線路(ケーブル)が2回線(こう長3km)

(1)電線延長Lはいくらか。
L=こう長×電線の本数×回線数=15×3×3=135km

(2)線路延長L’はいくらか。
L’=こう長×回線数=3×2=6km

(3)高圧配電線路の1線地絡電流はいくらか。

一線地絡電流は以下のとおり、切り上げて8〔A〕となる。

(4)   \begin{eqnarray*} I=1+\frac{\frac{6}{3}\times 135-100}{150}+\frac{\frac{6}{3}\times 6-1}{2}=7.6 \end{eqnarray*}

(4)変圧器に施すB種接地工事の接地抵抗値はいくらか。
※高低圧電路の混触時に1秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を有している。

※条件より、B種接地工事に必要な接地抵抗値は以下の計算により、75〔Ω〕以下と求まる。

(5)   \begin{eqnarray*} R_{B}=\frac{600}{I}=\frac{600}{8}=75〔Ω〕 \end{eqnarray*}

【例題】D種接地抵抗値の計算(B種接地抵抗値が既知で対地電圧を〇〇以下にしたいとき)

変圧器(B種接地抵抗値:75Ω)によって、高圧電路と接続されている使用電圧100Vの低圧電路がある。
低圧電路に施設された電動機に完全地絡事故が発生した場合の金属製外箱の対地電圧を25V以下にしたいときの、金属製外箱のD種接地抵抗値の上限値を求めよ。

金属製外箱の対地電圧を25V以下とするには、D種接地抵抗にかかる電圧を25Vにすることになる。
つまり、B種接地抵抗にかかる電圧EBは100-25=75Vとなる。
電圧と抵抗値は比例するため、B種接地抵抗値が75Ωなら、D種接地抵抗値は25Ω以下にすれば、対地電圧は25V以下となる。

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