【電験3種】電力分野・水力学の対策・計算問題

電験3種の電力分野における「水力発電所の種類、仕組み、計算問題」についてまとめました。

電験3種(電力分野)の問題を解くのに必要な水力学の公式

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電験3種(電力分野)の問題を解くのに必要な水力学の公式を以下にまとめました。
意味と公式を覚えましょう。

項目 概要
流量 単位時間に任意の断面を追加する水量。流量Q=A(断面積) × v(水の速度)。例えば水路の流量を測定するとき、水路の断面積は決まっているので、水路を流れる水の速度を測定すれば、流量も計算できます。
連続の定理 水管を流れる水の「流量」はどの場所でも等しくなる。(A1×v1=A2×v2)
水頭 流体のもつエネルギーを水の高さの単位(m)で表したものです。つまり、流体の位置エネルギー、圧力エネルギー、運動エネルギーそれぞれをmgで割って水柱の高さに変換したものになります。それぞれ位置水頭、圧力水頭、速度水頭といいます。
位置水頭[m] h
※位置エネルギーはmghなので、mgで割るとhになる。
※水の質量m[kg]、高さh[m]、重量加速度g[m/s^2]
圧力水頭[m] \frac{p}{\rho g}
※圧力エネルギーはm(p/ρ)なので、mgで割ると、p/ρgになる。
水圧p[Pa]、体積V[m3]、質量m[kg]、密度ρ[kg/m^3]
速度水頭[m] \frac{v^2}{2g}
※運動エネルギーは(1/2)mv^2なので、これをmgで割ると、v^2/2gになる。
質量m[kg]、流速v[m/s]
ベルヌーイの定理 水管を流れる水は、①位置エネルギー②圧力エネルギー③運動エネルギーを持っており、それらの合計は水管のどの位置でも等しい(厳密には、エネルギー損失があるため等しくはないが、電験3種の試験では無視されることが多い)。また、①位置水頭②圧力水頭③速度水頭の合計も水管のどの位置でも等しい
h_1 + \frac{p_1}{\rho g}+\frac{v_1^2}{2g} = h_2 + \frac{p_2}{\rho g}+\frac{v_2^2}{2g}

例題

水圧管内を水が充満して流れている。断面Aの内径2.2m,流速3m/s,圧力24kPaである。
このとき,断面Aとの落差が30m,内径2mの断面Bにおける流速[m/s]と水圧[kPa]を求めよ。
重力加速度は9.8m/s2、水の密度は1000kg/m3,円周率は3.14とする。

流量(Q=Av)は一定なので、

(1)   \begin{eqnarray*} A_Av_A=A_Bv_B \\ (\pi r_A^2)v_A=(\pi r_B^2)v_B \\ v_B=\frac{(\pi r_A^2)}{(\pi r_B^2)}v_A=3.629 \end{eqnarray*}

ベルヌーイの定理より

(2)   \begin{eqnarray*} h_A+\frac{p_A}{\rho g}+\frac{v_A^2}{2g}=h_B+\frac{p_B}{\rho g}+\frac{v_B^2}{2g} \\ 30+\frac{24\times10^3}{1000\times 9.8}+\frac{3^2}{2\times 9.8} = 0 + \frac{p_B}{1000 \times 9.8} + \frac{3.629^2}{2\times 9.8} \\ p_B = 316000[Pa] = 316[kPa] \end{eqnarray*}

【電験3種とは】出題範囲と対策まとめ
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