【電験3種】電力分野・水力発電所の発電出力の対策・計算問題

電験3種の電力分野における電力分野・水力発電所の発電出力の対策・計算問題についてまとめました。

水力発電所の発電出力

項目 概要
理論水力 P_0=9.8QH [kW]
水車出力 P_w=9.8QH\eta_w [kW]
発電機出力 P_g=9.8QH\eta_w\eta_g [kW]
年間発電電力量 Wy=P_b\alpha8760 [kW]

※α:利用率
※1年=24時間=365日=8760時間

パラメータ 概要
総落差Ha[m] 理論的な位置エネルギーを保有している高さ
損失落差hg[m] 摩擦などによる位置エネルギー損失分の高さ
有効落差H[m] 損失分を差し引いた位置エネルギーの高さ
流量Q[m3/s]
水車効率ηw 位置エネルギーを機械エネルギー(回転エネルギー)に変換する効率
発電機効率ηg 機械エネルギー(回転エネルギー)を電力に変換する効率

【例題】 水力発電所(貯水池あり)の発電計画

【問題】
貯水池を有する水力発電所がある。流域面積Aが15 000[km2] 、年間降水量Wが750[mm]、流出係数Kが0.7のとき、年間の平均流量Q[m3/s] を求めよ。
また、求めた平均流量Qを水力発電所の最大使用水量とし、有効落差Hが100mm水車と発電機の総合効率ηが80%、発電所の年間の設備利用率αが60%のとき、年間発電電力量の値 [kW⋅h] を求めよ。

【回答】
● 貯水池の流域面積A、年間降雨量W、流出係数Kのとき、1年間で水力発電所で利用される水量V[m3]は以下のとおり。

(1)   \begin{eqnarray*} V&=&A \times W \times K \\ &=& (15000 \times 10^6) (750 \times 10^{-3})0.7 \\ &=& 7.875\times 10^9 [m^3] \end{eqnarray*}

● 年間の平均流量Q[m3/s]は、年間水量V[m3]を1年間の秒数(365日×24時間×60分×60秒)で割れば求まる。

(2)   \begin{eqnarray*} Q=\frac{Q}{365 \times 24 \times 60 \times 60} = 250[m^3/s] \end{eqnarray*}

● 最大使用水量Q=250[m3/s]、有効落差H=100[m]、総合効率η=0.8なので、水力発電所の定格出力P[kW]は以下のとおり。

(3)   \begin{eqnarray*} P = 9.8QH\eta = 196000[kW] \end{eqnarray*}

● 発電所の年間発電電力量の値W[kW⋅h]は1年間の時間(365日×24時間)と年間の設備利用率 α=0.6 で掛けて求まる。

(4)   \begin{eqnarray*} W=P\times 24 \times 365 \times \alpha = 1030000000[kWh] \end{eqnarray*}

【例題】調整池式発電所の出力

以下の仕様の調整池をもつ水力発電設備がある。

仕様 概要
最大使用流量 Qp=10[m3/s]で12-18時の6時間運用(一日のピーク継続時間t=6[h])
自然流量 QN=6[m3/s]
オフピーク運用中の使用流量 Q0=3[m3/s]で12-18時以外の18時間運用
水車の有効落差 H=100m
水車効率 90 %
発電機効率 96 %

①運用に最低限必要な有効貯水量V[m3]はいくらか。
②オフピーク運用中の発電機出力[kW]はいくらか。

●12時〜18時の6時間がピーク運用なので、18時の時点で貯水量が0になっても良い。
よって、ピーク運用時の最大使用水量QP=10[m3/s] と取水する自然流量QN=6[m3/s]の差である4[m3/s]を6時間(3600×6秒)だけ流せる水を調整池の水(有効貯水量V)で補う。

(5)   \begin{eqnarray*} V=4\times 3600\times 6=86400[m^3] \end{eqnarray*}

● 1日の「調整池に取水する量」 = 「発電所での使用水量」は等しくなるので、

(6)   \begin{eqnarray*} Q_N\times 3600 times 24 = Q_p = \times 3600 \times 6 + Q_0 \times 3600 \times 18 \end{eqnarray*}

上式にQ_N = 6, Q_p=10を代入すると、Q_0=4.66となる。よって

(7)   \begin{eqnarray*} P_0=9.8Q_0H\eta_w\eta_g=9.8\timesv4,66\times 100 \times 0.09\times 0.96 = 4000[kW]  \end{eqnarray*}

【例題】揚水発電所の入出力、効率

以下の仕様をもつ揚水発電所をがある。この揚水発電所における発電出力の値 [kW] ,揚水入力の値 [kW] ,揚水所要時間の値 [h] 及び揚水総合効率の値 [%] を求めよ。ただし運転中の総落差が変わらず,発電出力,揚水入力ともに一定で運転するものと仮定する。

項目 概要
総落差 H0=400m
発電損失水頭 hG=H0の3%(12m)
揚水損失水頭 hP=H0の3% (12m)
発電使用水量 QG=60m3/s
揚水量 QP=50m3/s
発電運転時の効率 発電機効率ηG×水車効率ηT=87%
ポンプ運転時の効率 電動機効率ηM×ポンプ効率ηP=85%
発電運転時間 TG=8h

●有効落差H=H0-hg=388[m]より、発電出力PGは

(8)   \begin{eqnarray*} P_G=9.8Q_GH\eta_G\etaT=9.8\times 60\times 388 \times 0.87 = 198500[kW] \end{eqnarray*}

●必要揚程HP=H0+hp=412mより、揚水入力PMは

(9)   \begin{eqnarray*} P_M=\frac{9.8Q_pH_p}{\eta_M\eta_p}=237500[kW] \end{eqnarray*}

●「発電に利用した水量」=「揚水に使用した水量」は等しいため、揚水所要時間TMは、

(10)   \begin{eqnarray*} Q_G \times T_G=Q_p\times 3600 \times T_M\\ T_M=9.6 [h] \end{eqnarray*}

●揚水総合効率\etaは、

(11)   \begin{eqnarray*} \eta=\frac{W_G}{W_M}\times 100 =\frac{P_GT_G}{P_MT_M}\times 100=69.6 [%] \end{eqnarray*}

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