【電験3種・法規】「小規模事業用電気工作物」の太陽光・風力発電設備とは?使用前自己確認結果届出、基礎情報届出、保安規程、主任技術者の選任について

電験3種・法規分野における「小規模事業用電気工作物」とは?使用前自己確認結果届出、基礎情報届出、保安規程、主任技術者の選任との関係についてまとめました。

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「小規模事業用電気工作物」とは?

これまでの電気事業法では「一般用電気工作物」「事業用電気工作物(自家用電気工作物、電気事業用電気工作物)」というカテゴリが定められていました。
そして、2023年度から電気事業法が改正され、新たに「小規模事業用電気工作物」というカテゴリが新設されます。

結論からいうと、これまで一般用電気工作物(事業用電気工作物と比べて、規制がかなり緩い)として扱われていた「出力10kW以上〜50kW未満の太陽電池発電設備、出力20kW未満の風力発電設備※」が「一般用電気工作物(小出力発電設備)」から「小規模事業用電気工作物」という扱いに変わり、規制が強化されます。

※どうやら「一般用電気工作物」「事業用電気工作物(自家用電気工作物、電気事業用電気工作物、小規模事業用電気工作物)」というように、事業用電気工作物の1つに含まれるようです。
※これまでも出力10kW以上〜50kW未満の太陽電池発電設備、出力20kW未満の風力発電設備でも、高圧設備と電気的に接続されている場合など、規制の厳しい事業用電気工作物として扱われる例外はありましたが、話がややこしくなるので以後の話では省略します

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「小規模事業用電気工作物」に課せられる規制

現時点で判明している、新たに課せられる規制は以下のとおりです。

①基礎情報届出が必要
②使用前自己確認結果届出が必要
③技術基準適合維持義務が課せられる

特に②③が発電設備の所有者にとって大きな負担になると思われます。

なお、「電気主任技術者の選任」と「保安規程の提出」は免除されるようです(自家用電気工作物に該当する出力50kWの太陽電池発電設備は必要)。
(電気主任技術者は、基本的に「電験1〜3種の国家資格を持つ者」でないとなれず、選任するには有資格者を雇用するか、外部委託する必要がありコストがかかります)

②使用前自己確認結果届出

使用前自己確認結果届出」とは経済産業省が公開している「使用前自主検査及び使用前自己確認の方法の解釈」に従って、発電設備を使用する前に安全性を確認するための試験です。2022年度までは出力500kW以上の太陽電池発電所に課せられていたもので、電気主任技術者と電気工事業者が実施していました。出力50kW未満とはいえ、実施する試験項目が変わるわけではないので、専門的な知識・技能・試験装置等が必要で、専門外の個人がDIY感覚で出来るような内容ではないと思われます。
つまり、専門の業者に「使用前自己確認」を実施してもらう必要があり、その分のコストが発生するでしょう。

③技術基準適合維持義務

技術基準適合維持義務とは、その名のとおり、発電設備や電気設備が「技術基準に適合するよう維持する義務」のことです。
事業用電気工作物(自家用電気工作物、電気事業用電気工作物)では、技術基準適合維持義務が課せられ、電気主任技術者自身、もしくは電気主任技術者の管理下で専門業者が定期的に設備を点検し、技術基準に適合しているかどうかを確認します(例えば、発電設備が破損して停止たり、人が感電したりする危険がないかなど)。
もし適合していないとわかれば、技術基準に適合するよう早急に補修等を行います。また、定期点検も経済産業省が定めるルール(内規等)等に基づき、適切な頻度と点検項目を保安規程に定め、実施する必要があります。

なお、一般用電気工作物(小出力発電設備)には「技術基準適合維持義務」が課せられていませんでした。

令和4年6月29日に経済産業省より公開された資料「小規模事業用電気工作物に係る保安規律の適正化」の想定スケジュール表によれば、「小規模事業用電気工作物」の具体的な運用については令和4年10月頃から周知活動を実施するとのことでした。

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【引用元】経済産業省資料、閣議決定資料、参議院で可決

① 2022年10月29日に、経済産業省の資料「電気保安規制に係る見直しの方向性~保安力・小出力発電設備に係る規制の適正化~(令和3年10月29日)」が公開され、p22に小規模事業用電気工作物の新設や、使用前自己確認の範囲拡大について図で説明されています。

② 2022年2022年3月4日に「高圧ガス保安法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。
「高圧ガス保安法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました

③ 2022年6月15日の参議院本会議で「高圧ガス保安法等の一部を改正する法律案」が可決されました。
第二〇八回 閣第五〇号 高圧ガス保安法等の一部を改正する法律案

④ 2022年6月29日に「小規模事業用電気工作物に係る保安規律の適正化」という資料が、「第11回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会 電気保安制度ワーキンググループ」で公開されました。
資料:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/hoan_seido/pdf/011_02_00.pdf
※上記に「小規模事業用電気工作物」についての内容や今後のスケジュールが記載されています。

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【補足】50kW以上〜500kW未満の太陽電池発電設備も使用前自己確認結果届出が必要になります

ちなみに、50kW以上〜500kW未満の太陽電池発電設備も2022年度までは使用前自己確認結果届出が不要でしたが、2023年度から必要になります。

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