【電験3種】電気事業法61-63条「植物の伐採又は移植・損失補償」の攻略ポイントと例題

電験3種(法規)における電気事業法61-63条「植物の伐採又は移植・損失補償」の攻略ポイントをまとめました。

【電気事業法61-63条】 植物の伐採又は移植・損失補償

電気事業法の第61-63条において、以下のとおり「植物の伐採又は移植・損失補償」について記載されています。

(植物の伐採又は移植)
第61条 電気事業者は、植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が電気事業の用に供する電気工作物に関する測量若しくは実地調査若しくは電気事業の用に供する電線路に関する工事に支障を及ぼす場合において、やむを得ないときは、経済産業大臣の許可を受けて、その植物を伐採し、又は移植することができる。
2 電気事業者は、前項の規定により植物を伐採し、又は移植しようとするときは、あらかじめ、植物の所有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、伐採又は移植の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。
3 電気事業者は、植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼしている場合において、その障害を放置するときは、電線路を著しく損壊して電気の供給に重大な支障を生じ、又は火災その他の災害を発生して公共の安全を阻害するおそれがあると認められるときは、第一項の規定にかかわらず、経済産業大臣の許可を受けないで、その植物を伐採し、又は移植することができる。この場合においては、伐採又は移植の後、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出るとともに、植物の所有者に通知しなければならない。
4 第五十八条第三項の規定は、第一項の許可の申請があつた場合に準用する。

(損失補償)
第62条 電気事業者は、第五十八条第一項の規定により他人の土地等を一時使用し、第五十九条第一項の規定により他人の土地に立ち入り、第六十条第一項の規定により他人の土地を通行し、又は前条第一項若しくは第三項の規定により植物を伐採し、若しくは移植したことによつて損失を生じたときは、損失を受けた者に対し、通常生ずる損失を補償しなければならない。

第63条 前条の規定による損失の補償について、電気事業者と損失を受けた者との間に協議をすることができず、又は協議が調わないときは、電気事業者又は損失を受けた者は、当該土地等若しくは土地又は障害となつた植物の所在地を管轄する都道府県知事の裁定を申請することができる。
2 第二十五条第三項から第五項まで及び第三十三条の規定は、前項の裁定に準用する。この場合において、第二十五条第三項及び第四項中「経済産業大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。
3 損失の補償をすべき旨を定める裁定においては、補償金の額並びにその支払の時期及び方法を定めなければならない。

具体的な運用ついては、経済産業省が公開している「電気事業法第61条に基づく植物の伐採等に関する指針」で具体的に記載されています。

【1項伐採】第1項に基づく伐採の条件について

電気事業法第61条に基づく植物の伐採等に関する指針」で、伐採条件について以下のように記載されています。

まず、大枠として次の2つが記載されています。

1項伐採(第1項に基づく伐採)
(1)1項伐採の要件
1項伐採の要件は、ア 植物による障害・支障、かつ、イ「やむを得ない」場合であること、である。

ア 植物による障害・支障

「ア 植物による障害・支障」については、以下のとおりさらにパターンがあります。

ア 植物による障害・支障
1項伐採は、①植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼし若しくは及ぼすおそれがある場合又は②植物が電気事業の用に供する電気工作物等に関する測量、実地調査若しくは工事に支障を与える場合に該当することが必要である。

①「植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼし若しくは及ぼすおそれがある場合」
植物が電線に接触している場合は当然であるが、法定の離隔距離(電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号)第29条に基づき電気事業者が確保することとされている電線路と植物との離隔距離)が保たれていない場合にも、最悪の自然条件の下では地絡事故等の発生も想定されることから、法定の離隔距離が保たれていない場合又は現状のまま放置しておくと間もなく法定の離隔距離を保つことができなくなることが予想される場合等も含む。したがって、植物が離隔距離内に進入している場合や近く進入することが見込まれる場合には、当該要件を充足する。なお「近く」の期間は、許可等の手続及び伐採に要する期間、植物の種類や生育特性等を十分考慮する必要がある。
②「植物が電気事業の用に供する電気工作物に関する測量、実地調査若しくは工事に支障を与える場合」「測量・実地調査・工事」は、電気工作物の設置に係るもののほか、その修理・改造等に係るものも含む。

つまり、「法定の離隔距離を保っている場合」でも近い将来に植物が育成して離隔距離を保てない恐れがある場合は、伐採できることになります。ただし、どの程度近い将来(半年後?1年後?2年後?)かについては、植物の種類や生育特性などにより総合的に判断されます。

イ 「やむを得ない」場合であること

「イ 「やむを得ない」場合であること」についても、以下のとおりさらにパターンがあります。

イ 「やむを得ない」場合であること
「やむを得ない」場合とは、①伐採等以外に合理的な方法がない場合において、②植物の所有者と協議が調わないとき、又は協議することができないときをいう。なお、第59条の規定による土地への立入りを行った場合、その立入りを行う前に、植物の所有者と植物の伐採等に関する協議を行っていた場合においても、その協議は「②植物の所有者と協議が調わないとき、又は協議することができないとき」の要件の充足を判断する上での一要素として考慮される。

① 伐採等以外に合理的な方法がないこと
植物が電線路に障害を及ぼし若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が電気事業の用に供する電気工作物等に関する測量等に支障を与える場合において、当該植物の伐採等を行うことなくその状況を除去するためには、送電線路の嵩上げやルート変更等の設備対応を行わなければならないが、一般的に、それらに要する期間は長期に及び費用も多額になるため、時間的及び経済的に対応が不可能か著しく困難である。したがって、通常は植物による障害・支障を除去するためには伐採等以外に方法はなく、「やむを得ない」場合に該当する。また、植物の伐採等にあたっては電気事業法第61条以外の法的措置も実施され得るが、電気事業法第61条は電気事業の高度な公益性に鑑み、電気事業者に認められた公益事業特権である。したがって、電気事業法以外の法的措置によりそれを実現する余地があるとしても、電気事業法に基づく手続を選択することは妨げられない。なお、伐採と移植の選択については、移植先の確保や枯損の問題があるため、移植が物理的に可能であり、かつ当該植物の特性(地域の信仰の対象である等)や経済性の観点から移植に合理性がある場合にのみ移植を選択する必要性が認められるが、一般的には伐採を選択して差し支えない

② 植物の所有者と協議が調わないとき、又は協議することができないとき植物の伐採等について、植物の所有者との協議の余地があるうちは「やむを得ない」場合に該当しない。しかし、植物の所有者と協議が調わない又は協議をすることができないことによって、植物が電線路等に障害・支障を及ぼしている状況を放置することは、電力の安定供給や公共の安全の確保の観点から適切ではない。上記②「植物の所有者と協議が調わないとき、又は協議することができないとき」に該当する場合としては、以下のようなものがある。
a.植物の所有者と協議が調わないとき
植物の所有者が、合理的な理由なく協議を拒否している、又は社会通念に照らして著しく過大な補償を要求している等協議の進展の余地が小さく、当事者間での合意が困難と認められる場合をいう。
b.植物の所有者と協議することができないとき
植物の所有者が不明の場合等(植物の所有者は、その植物が生育している土地の所有者である場合が多いと考えられるが、当該土地の所有者について、電気事業者が国土交通省策定の「不明裁決申請に係る権利者調査のガイドライン」に示される調査方法に準じて調査を実施し、それでもなお当該土地の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない場合をいう。以下II及びⅣにおいて同じ。)のほか、相続人が相続放棄の申述をしているときや所有権について争いがある場合等、実質的に協議を行うことできない場合をいう。ただし、電気事業者が伐採等を目的として植物の所有者を調査する場合において、上記ガイドラインの要件等から採り得ない調査方法については省略することができる。

つまり、植物の所有者(地権者)との交渉がうまくいかないときも、上記の記載内容(所有者が合理的でないなど)を満たし、経済産業省の許可を得られれば、伐採が可能になります。その手続は次にまとめています。

【1項伐採】必要な手続き

電気事業法第61条に基づく植物の伐採等に関する指針」で、伐採の手続きについて以下のように記載されています。

(2)1項伐採の手続
1項伐採の手続は、
ア 電気事業者からの伐採許可申請、
イ 経済産業局長等による通知及び意見照会、
ウ 経済産業局長等の許可、
エ 電気事業者による通知、
オ 伐採計画書・伐採報告書、
である。 (添付資料1-1「l項伐採業務フロー図」参照)

つまり、上記アーオの5つの手続きフローがあります。
それぞのフローについての説明は以下のとおり。

【1項伐採の手続き ア】電気事業者からの伐採許可申請

ア 電気事業者からの伐採許可申請
1項伐採の権利は、電気事業者からの伐採許可申請に対して経済産業局長等が許可することにより発生する。したがって、電気事業者からの伐採許可申請が必要である。なお、この申請は書面により行う。
(添付資料1-2「1項伐採許可申請書(例)」)

○生育特性を考慮すべき植物の伐採等の許可申請について
短期間で急速に成長する性質を有する植物や、株立ちする性質を有する植物は、伐採許可申請において、数量で特定することが困難であることから、伐採対象の特定に代えて伐採等の予定範囲を明示することにより申請することができる。この場合においても、伐採等が許可され得る植物は、伐採予定範囲に存する植物のうち、植物と電線との法定の離隔距離が保たれていないもの又は現状のまま放置しておくと間もなく法定の離隔距離を保つことができなくなることが予想されるもの等に限定される。

また、電気事業法施行規則の第104条の4では、「許可申請書」に加えて必要な書類について以下のとおり記載されています。

(植物の伐採又は移植)
第104条の4 法第61条第一項の許可を受けようとする者は、様式第六十七の四の植物の伐採又は移植許可申請書に次の書類を添えて伐採又は移植を行う植物の所在地を管轄する経済産業局長(当該植物の所在地が二以上の経済産業局の管轄区域にわたるときは、経済産業大臣)に提出しなければならない。
一 当該植物の所有者と交渉した経過を記載した書面(交渉することができなかったときは、その理由書
二 立木の登記事項証明書その他の植物に関する権利関係を示す書類
三 土地の登記事項証明書その他の土地に関する権利関係を示す書類
四 伐採又は移植しようとする植物の所在地を記載した図面
イ 縮尺二万五千分の一以上の地形図
ロ 縮尺二千分の一以上の実測平面図
五 伐採又は移植しようとする植物の状態を示す書類

様式第 67 の5(第 104 条の4関係)・・・植物の伐採又は移植許可申請書

【1項伐採の手続き イ】経済産業局長等による通知及び意見照会

イ 経済産業局長等による通知及び意見照会
経済産業局長等は、電気事業者からl項伐採の申請があった場合、その旨を植物の所有者に通知し、意見書提出の機会を与えなければならない(第4項において準用する第58条第3項)。 (添付資料1-4「経済産業局長等による通知書(例)」)
○通知の対象者
通知は植物の所有者に対して行う。植物の所有者が土地の所有者と同一の場合において、ここでいう所有者とは「真実の所有者」であり(最判昭和28年2月18日、土地収用法に関する昭和35年4月20日建設事務次官回答参照)、登記簿の記載のみに依拠できないので注意を要する。また、当該土地の所有権について争いがある場合は、その係争者全員に対して通知を行う。なお、第58条第3項は占有者に対しても通知する旨を定めているが、1項伐採では所有者のみに通知すれば足りる(第61条第2項、第3項の通知先は植物の所有者に限定)。
○通知の方法
通知は、個別的な伝達を意味する。その方法は、必ずしも書面による必要はなく、口頭でもよいが(土地収用法施行令第6条参照)、後日の紛糾を避けるためには書面によるべきであり、配達証明付き内容証明郵便と併せて特定記録を活用する等の措置を講じることが望ましい。意思表示の「到達」は、相手方が実際に意思表示を了知することまでは要求されず、相手方がその意思表示を了知できるような状態(相手の支配圏内)に置かれることで足りるとされており(最判昭和36年4月20日)、相手方の郵便受けに通知が入っている場合には、当該通知は相手方に到達したものと考えられる。また、書状等が相手方本人に手交される必要はなく、同居の親族に手交されれば足りるとされている(大判明治45年3月13日)。
また、内容証明郵便が不在返戻された事例において、不在配達通知書の記載により相手方が郵便物の内容を十分に推知することができ、かつ、郵便物が容易に受領可能な場合には、遅くとも留置期間の満了時に「到達」したものとされた例がある(最判平成10年6月11日参照)。
○植物の所有者が不明の場合等
植物の所有者が不明の場合等には、公示による意思表示(民法(明治29年法律第89号)第98条第2項)の手段により行うことが考えられる。
(添付資料1-5「公示送達(例)」)
○通知の内容
①電気事業法第61条第1項に基づく伐採等の申請があった旨、②申請した電気事業者名、③植物の所在する地点の表示及び伐採等の対象植物の種類・本数(Ⅱ1(2)アにおける生育特性を考慮すべき植物の伐採等において、申請時点で伐採対象を数量で特定することができない場合は、伐採予定範囲)、④意見書が提出できる旨、⑤意見書提出期間、を通知する。なお、意見書提出期間は、通知の到達予想日又は公告日から15日程度が妥当である。
(昭和41年4月18日兵庫県知事宛公益事業局長回答)。
○意見書の取扱い
意見書が提出された場合にはその内容を検討し、必要があれば許可の際の条件等に反映させる。意見書が提出されその内容を正当と認めた場合であっても、客観的に1項伐採の要件を具備していると判断されたときは、許可しなければならない。なお、期間内に意見書が提出されなかった場合には、そのまま手続を進めて差し支えない。

【1項伐採の手続き ウ】経済産業局長等の許可

ウ 経済産業局長等の許可
1項伐採の権利は、経済産業局長等の許可により発生する公法上の権利である。
(添付資料1-6「経済産業局長等の許可証(例)」)
○許可の基準
経済産業局長等は、l項伐採の要件(①植物による障害・支障、かつ②「やむを得ない」場合であること)を具備していると判断した場合は、許可するものとする。この許可(処分)は、許可されなかった場合の危険性等を考えると、経済産業局長等の自由裁量ではなく、いわゆる覇束裁量(法規裁量)と解される(土地収用法第14条に関する昭和29年7月21日建設省計画局長回答及び昭和32年10月29日建設省計画局総務課長回答参照)。
ただし、その範囲等は必要最小限とすべきであるので、要件を具備していると判断される場合も、その範囲等については充分に審査する必要がある。また、審査にあたって現地調査は義務付けられていないが、必要であると判断した場合は、現地調査を行うこともできる。ただし、現地調査に日数を要し、伐採等の時宜を失することのないよう充分に留意しなければならない。
○生育特性を考慮すべき植物の伐採許可
植物の生育特性を考慮し、伐採対象の特定に代えて伐採予定範囲を明示のうえ申請している場合の伐採許可については、「伐採予定範囲に存する植物のうち、植物と電線との法定の離隔距離が保たれていないもの又は現状のまま放置しておくと間もなく法定の離隔距離を保つことができなくなることが予想されるもの等に限定される」等の条件を許可証に明記することが望ましい。

【1項伐採の手続き エ】電気事業者による通知(第2項)

エ 電気事業者による通知(第2項)
電気事業者は、経済産業局長等の許可後、伐採等の前に、植物の所有者に通知しなければならない。
なお、この通知は権利行使の要件であるから、通知せずに伐採等を行った場合は、その伐採等には何ら法的根拠がなく、不法行為(民法第709条)となる。ただし、この通知は効力発生要件ではないので、これを欠いても経済産業局長等の許可には影響を与えない。
○通知の対象者
通知は植物の所有者(真実の所有者)に対して行えば足り、占有者に対して行う必要はない。また、所有権について争いがある場合は、係争者全員に対して通知を行う。
○通知の方法
通知は、個別的な伝達を意味する。その方法は、必ずしも書面による必要はなく、口頭でもよいが(土地収用法施行令第6条参照)、後日の紛糾を避けるためには書面によるべきであり、配達証明付き内容証明郵便と併せて特定記録を活用する等の措置を講じることが望ましい。
意思表示の「到達」は、相手方が実際に意思表示を了知することまでは要求されず、相手方がその意思表示を了知できるような状態(相手の支配圏内)に置かれることで足りるとされており(最判昭和36年4月20日)、相手方の郵便受けに通知が入っている場合には、当該通知は相手方に到達したものと考えられる。また、書状等が相手方本人に手交される必要はなく、同居の親族に手交されれば足りるとされている(大判明治45年3月13日)。
また、内容証明郵便が不在返戻された事例において、不在配達通知書の記載により相手方が郵便物の内容を十分に推知することができ、かつ、郵便物が容易に受領可能な場合には、遅くとも留置期間の満了時に「到達」したものとされた例がある(最判平成10年6月11日参照)。
○通知の内容
①電気事業法第61条第l項による伐採等の許可があった旨、②植物の所在する地点の
表示及び伐採等の対象植物の種類・本数(Ⅱ1(2)アにおける生育特性を考慮すべき植物の伐採等において、申請時点で伐採対象を数量で特定することができない場合は、伐採予定範囲)、③伐採等の日時、④伐採等の方法・程度、⑤伐採等を行った後の措置(伐採等が行われた後の植物の取扱い、補償関係)を通知する。
(添付資料1-7「電気事業者による通知書(例)」)
○通知先の植物の所有者が不在・植物の所有者が不明の場合等
植物の所有者が旅行中等の事情により、相手方が不在の場合には、伐採等が行われた
後、遅滞なく通知する(第2項ただし書)。また、植物の所有者が所在不明の場合等には、伐採等が行われた後ではなく、確知後遅滞なく通知すれば足りる。

【1項伐採の手続き オ】伐採計画書・伐採報告書

オ 伐採計画書・伐採報告書
電気事業者は、伐採工事の内容等について、伐採計画書及び伐採報告書を経済産業局長等ヘ提出することが望ましい。
(ア) 伐採計画書を提出する場合
伐採の前に、①伐採の日時、②工事内容、③伐採の方法・範囲、④事故防止対策、⑤伐採従事者等の計画を経済産業局長等に提出する。
(添付資料1-8「伐採計画書(例)」)
(イ) 伐採報告書を提出する場合
伐採後伐採工事の結果概要を経済産業局長等に提出する。
(添付資料1-10「伐採報告書(例)」)

【3項伐採】第3項に基づく伐採の条件について

(1)3項伐採の要件
3項伐採の要件は、ア 植物による電線路への障害があって、イ 障害の放置による電気供給への重大な支障又は公共の安全阻害のおそれ、である。
ア 植物による電線路ヘの障害
植物が電線路に障害を及ぼしている場合としては、植物が電線に接触している場合のほか、最小絶縁間隔を保つことができない場合も含まれる。最小絶縁間隔とは、遮断器の開閉操作時の過電圧によっても閃絡が発生しない間隔のことをいう。遮断機の開閉操作時に過電圧による閃絡が生じた場合には保護装置が働き送電停止の事態が予想されることから、最小絶縁間隔以下の離隔では電線路に障害があるものと考えられる。最小絶縁間隔を保つことができない場合とは、植物と電線路の間隔が最小絶縁間隔より小さくなっている場合だけでなく、それ以上植物の成長が進めば、最小絶縁間隔を確保するための伐採作業を安全に行ううえで必要な間隔が確保できなくなる場合も該当するものと考えられる。
イ 障害の放置による電気供給への重大な支障又は公共の安全阻害のおそれ
「電気供給への重大な支障を生じるおそれのある場合」とは、広範囲の停電、著しい周波数変動・電圧変動を生じるおそれのある場合等電気の正常な供給義務が著しく妨げ
られるおそれのある場合をいう。植物が物理的に電線路を損壊していることにより、既に電気の供給に重大な支障を生じており、この植物を伐採等しなければ、電気の正常な供給義務の履行が不可能となるような場合も含まれる。また、「重大」の判断にあたっては、精密な電子機器の普及等、現代社会における電気利用の重要性に鑑み、瞬間の停電によっても社会的経済的に大きな影響があることに留意する。なお、「電線路を著しく損壊して」という要件について、必ずしも物理的な損壊が必要となる訳ではなく、実際には電線路の保護機能により自動的に送電が停止し、電線路の損壊は未然に防止されるとしても、「電気供給ヘの重大な支障のおそれ」があるものと判断して差し支えない。また「公共の安全阻害のおそれ」とは、火災発生のおそれ等をいう。

【3項伐採】必要な手続

(2)3項伐採の手続
3項伐採の手続は、伐採等を行った後の
ア 電気事業者による経済産業局長等ヘの届出、
イ 植物の所有者ヘの通知、
である。
(添付資料2-1「3項伐採業務フロー図」参照)
ア 電気事業者による経済産業局長等への届出
電気事業者は、植物の伐採等を行った後、遅滞なく、第3項に基づき伐採した旨を経済産業局長等へ届け出る。届出の内容は、l項伐採の申請書に準じたものとする。
(添付資料2-2「伐採届出書(例)」)
イ 植物の所有者への通知
植物の所有者が不明等の場合については、「Ⅱ1(2)エ 電気事業者による通知」に凖ずる。
なお、通知の内容については、「伐採届出書」に準じたものとする。
(添付資料2-3「伐採通知書(例)」)

また、電気事業法施行規則の第104条の5では、「許可申請書」に加えて必要な書類について以下のとおり記載されています。

(植物の伐採又は移植)
第104条の5 法第61条第三項の届出をしようとする者は、様式第六十七の五の植物の伐採又は移植届出書に次の書類を添えて伐採又は移植した植物の所在地を管轄する経済産業局長(当該植物の所在地が二以上の経済産業局の管轄区域にわたるときは、経済産業大臣)に提出しなければならない。
一 立木の登記事項証明書その他の植物に関する権利関係を示す書類
二 土地の登記事項証明書その他の土地に関する権利関係を示す書類
三 伐採又は移植した植物の所在地を記載した図面
イ 縮尺二万五千分の一以上の地形図
ロ 縮尺二千分の一以上の実測平面図
四 伐採又は移植した植物の現状を示す書類及びその明瞭な写真

様式第 67 の5(第 104 条の5関係)・・・植物の伐採又は移植許可申請書

【電験3種とは】出題範囲と対策まとめ
電験三種とは?出題範囲と対策まとめについてまとめました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました