【電線ケーブル】銅線の温度上昇を計算する方法

電線ケーブル(銅線)の温度上昇を計算する方法についてまとめました。

【はじめに】銅線の温度上昇を計算する式

基本情報 概要
比熱C(比熱容量)[J/(kg・K)] 単位質量(1[kg])の物質の温度を1℃上げるのに必要なエネルギー([J])。
銅の比熱(20℃) 387
銅の密度α[kg・m3] 8900
質量[kg] 密度(kg/m3)×体積(m3)=密度(kg/m3)×銅線の長さl[m]×断面積A[m2]
銅線の体積(m3) 銅線の長さl[m]×断面積[m2]
銅の導電率ρ[Ωm] 20℃のとき、1.688 \times 10^{-8}、40℃のとき

抵抗の発熱量[J]は

(1)   \begin{eqnarray*} R I^2 t = ρ\frac{L}{A}I^2 t \end{eqnarray*}

となります。
最終的に温度上昇を求めるために、銅の1Jあたりの温度上昇β[℃/J]を求めます。
銅の比熱をC[kg・℃/J]とすると

β[℃/J] = 1/(C×銅の質量)

となります。
基本情報より「質量[kg]=密度(kg/m3)×銅線の長さL[m]×断面積A[m2]」で銅の密度は8900なので

(2)   \begin{eqnarray*} \beta =\frac{1}{387\times 8900\times A \times L} \end{eqnarray*}

となります。銅の温度上昇θ[℃]を計算するには、ここに発熱量[J]を掛けてやります(Jを消します)。

(3)   \begin{eqnarray*} \theta =\frac{1}{C\times \alpha \times A \times L}\rho \frac{L}{A}I^2 t \\ =\frac{\rho}{C\times \alpha}(\frac{I}{A})^2 t \end{eqnarray*}

となります。ここで断面積Aは[m2]でなく実用的な[mm^2]で計算したいので、A=A×10^(-6)[mm^2]より

(4)   \begin{eqnarray*} \theta =\frac{\rho}{C\times \alpha}(\frac{I}{A \times 10^{-6}})^2 t \\  =\frac{\rho \times 10^{12}}{C \times \alpha}(\frac{I}{A})^2 t \end{eqnarray*}

となります。
よって、20℃環境下では
銅の比熱C:387(20℃)
銅の密度α:8900
なので、

(5)   \begin{eqnarray*} \theta =0.00523(\frac{I}{A})^2 t \end{eqnarray*}

となります。
ただし、次節で紹介する「内線規程」JEAC 8001-2016 資料 1-3-6では、「0.00523」の部分が「0.008」となっていました。
これは、銅線のケーブルの被覆や安全率を考慮して大きめの値になっているのでしょうか?(調べている途中)

【内線規程】接地線に短時間電流が流れた場合の温度上昇

「内線規程」JEAC 8001-2016 資料 1-3-6では、接地線に短時間電流が流れた場合の温度上昇を求める式が以下のとおりが示されています。

(6)   \begin{eqnarray*} \theta =0.008\frac{I}{A}^{2}t \end{eqnarray*}

θ:銅線の温度上昇[℃]
I:電流[A]
A:銅線の断面積[mm2]
t:通電時間[秒]

【計算例】

2.0mmの銅線ケーブルに10Aの電流を5秒間流した場合、

(7)   \begin{eqnarray*} \theta =0.008\frac{10}{2}^{2}5=0.2 \end{eqnarray*}

となり、理論上は0.2℃上昇することになります。

【導体の抵抗】温度に比例して上昇する?銅線の抵抗温度係数
導体の抵抗は温度に比例して上昇する?銅線の抵抗温度係数についてまとめました。

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