【配線用遮断器とは】原理、記号、使い方、規格

配線用遮断器(ブレーカー)の原理、記号、使い方、規格などについてまとめました。

【はじめに】配線用遮断器とは

配線用遮断器(Molded Case Circuit Breaker:MCCB)とは、定格容量を超える電流が流れたり、短絡などで二次側の回路に異常な過電流が流れたときに電気を止める装置です。
例えば、冷蔵庫と一緒にホットプレートを使用するとブレーカーが落ちたりしますが、これは定格容量を超える電流が流れて配線用遮断器が作動するためです。
過電流を検知したら電路を開放し、一次側からの電源供給を遮断することで負荷回路や電線を損傷から保護します。

■テンパール工業 配線用遮断器 B-53EC 50A

【記号】配電用遮断器は「B」

配線用遮断器の図記号 は、四角の中に「B」と書かれたものです。「B」はBreaker(=ブレーカ)のBです。

【種類】配電用遮断器

配線用遮断器には、主に以下の種類があります。

種別 概要
安全ブレーカー 分電盤の分岐ブレーカー等に用いられる小型のブレーカー。
単3中性線欠相保護付ブレーカー 単相3線式における中性線欠相を検出し遮断します。それにより、異常電圧による機器の焼損を防止します。。
モーターブレーカー 電動機の焼損保護機能を持つ遮断器です。モーターブレーカーは保護機能を持つため定格出力に適合したものを使用することができます(通常の遮断器を使う場合、モーター起動時に流れる大きな突入電流に対して、モーター全負荷電流の2.5~3倍の定格電流を有するブレーカーが必要)。定格電流はモーターの全負荷電流に合わせられています。
協約形ブレーカー JIS C 8201-2-1:2011」による協約寸法を持つ遮断器です。通常の遮断器はメーカーによって外径寸法が異なりますが、協約形ブレーカーは同一寸法となっています。
漏電遮断器 漏電による漏れ電流を検出し回路を自動的に遮断する機能を持つ遮断器。

【配線用遮断器】基本構造・操作

概要
基本構造 遮断回路の周りを合成樹脂の箱で覆っている。前面に手動で電源を入り切りするハンドルがついている。過電流等で遮断動作(トリップ)した場合、ハンドルがONとOFFの中間の位置で止まる。(OFFの位置で止まるものもある)また、遮断に要する時間は、過電流等の大きさで変化。
基本操作 ハンドルを上にあげるとON、下にさげるとOFF。

また、遮断方式には主に「熱動式」「電磁式」の2種類あります。

種別 概要
熱動式 引き外し機構にバイメタルを用いたもので過電流が流れるとバイメタルが加熱により湾曲、トリップして回路が遮断される。バイメタルの加熱湾曲自体が時延特性を持っている。
電磁式 内部にパイプがあり、そのまわりにコイルが巻かれている。パイプ内には可動鉄芯、ばね、固定鉄芯、シリコンオイルが入っている。過電流が流れると可動鉄芯が固定鉄芯に引き寄せられ磁気抵抗が減少し作動鉄片をひきよせる。これによりトリップ機構が動作し回路が遮断される。シリコンオイルの粘性により可動鉄芯の動きに時延特性が与えられる。短絡のような電流が流れた場合は作動鉄片が即座に引き寄せられてトリップする。

時延特性・・・電流が小さいほど長い時間、大きいほど短い時間で動作する特性

【法令】電気設備の技術基準の解釈

配線用遮断器のJIS規格は、「JIS C8211:2004 住宅及び類似設備用配線用遮断器」で定められています。

【規格】JIS C8211:2004

法令は「電気設備の技術基準の解釈」で呼び込まれています。

【AF・AT】アンペアフレーム・アンペアトリップ

AFとATの意味・違いは次の通りです。

種別 概要
アンペアフレーム (AF) ブレーカー容器の「大きさ」「最大定格電流」。30AFなら最大定格電流は30A。
アンペアトリップ (AT) ブレーカーの「定格電流」。20ATなら定格電流20A。

【ポイント】端子接続

配線用遮断器の端子接続のポイントは以下の通り。

種別 概要
圧着端子 ①遮断器側の端子ねじに適合した圧着端子を必ず使用
②2本の配線を同じ端子に挟み込む場合、必ず大きな電流が流れる方を下側へ入れる
3本接続の禁止 3本以上を1つの端子に接続しない
相間ガード フレームサイズが大きい場合、相間ガードを使用
参考文献・関連ページ
1 【第二種電気工事士】例題・試験対策まとめ
2 【電験三種】例題・試験対策まとめ
3 電気・電子回路入門
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