FP3級とは?難易度・合格率・出題範囲についてまとめました。
【はじめに】FP3級とは
ファイナンシャルプランナー3級(以下、FP3級)は、その名の通りFPの入門的な資格です。
独学だと50時間〜100時間程度で取得可能な難易度といわれ、合格率も常に70%を超えているくらい優しいです。
合格率
年度 | 合格率 |
---|---|
2018年5月 | 79.11% |
2018年1月 | 79.75% |
2017年9月 | 74.35% |
(日本FP協会公式HPより抜粋)
メリット
FP3級を受験するメリットは、幅広い金融知識を学べるところです。所得税、住民税といった税金や年金、生命保険、相続など、私達の日常生活に大きく関わる内容が多いため、自分の生活をしっかり考える上で必要になる様々な知識を得ることができます。主婦の方なら、家計管理に役立てることができます。
ただし、ファイナンシャルプランナーを仕事とするには、FP2級からとなります(FP3級の知識ではFPの仕事をするには不足していおり通り道レベルです)。
そのため、履歴書に「FP3級取得」と書いても、就職・転職で有利になるケースは少ないです。
試験場所
FPの試験は、元々民間資格でしたが、2002年4月から、「FP技能士」という国家資格ができ、民間資格時代から運営していた2つの試験指定機関に運営が引き継がれることになりました。
そのため、「きんざい」と「日本FP協会」、2つの試験指定機関のどちらでもFP技能士の試験を受験できます。
まそ、れぞれで違う試験を行っています。
指定試験機関 | 試験時間 | 問題数 | 合格点/満点 |
---|---|---|---|
きんざい | 60分 | 5問程度 | 筆記(三答択一)|30/50 |
日本FP協会 | 60分 | 20問程度 | マークシート(三答択一)|60/100 |
指定試験機関 | 出題傾向 |
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きんざい | 問題数が少ないが、1問解くのに時間がかかる内容が多い |
日本FP協会 | 問題数が多いが、素早く解けるタイプの内容が多い。1問あたりの配点が少なめなので、1問ミスが致命的になりにくい。 |
学科試験はきんざいと日本FP協会で共通ですが、実技試験はきんざいと日本FP協会で別の内容となります。
学科試験の試験範囲のうちから、ピックアップされます。それぞれどのような内容となっているのでしょうか。
指定試験機関 | 出題傾向 |
---|---|
きんざい | 「個人資産相談業務」「保険顧客資産相談業務」の2つのうち、どちらか1つを選択する。金融資産、不動産、生命保険などの保険全般に重点を置いた内容が出題される。 |
日本FP協会 | 資産設計提案業務が出題される。倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニングのプロセス、顧客の状況分析と評価を問われる。 |
【ライフプランニングと資金計画】
資金計画を立てるとき、終価係数・現価係数・年金終価係数・減債基金係数・資本回収係数・年金現価係数の6つの係数や、キャッシュフロー表の読み方・計算方法が必要となります。
は「ライフプランニングの考え方・手法」、は「公的年金」が頻出傾向にあります。
小項目 | 概要 |
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FPと倫理 | FPの概要と3つの職業倫理について解説します。 |
FPと関連法規 | FPと関連法規(「税理士法」、「弁護士法」、「保険業法」、「金融商品取引法」など)の関係を解説します。 |
ライフプランニングの考え方・手法 | 実技試験(FP協会)で頻出。 |
社会保険 | – |
公的年金 | 実技試験(金財)で頻出。 |
企業年金・個人年金等 | – |
年金と税金 | – |
ライフプラン策定上の資金計画 | – |
ローンとカード | – |
ライフプランニングと資金計画の最新の動向 | – |
【リスク管理】
小項目 | 概要 |
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リスクマネジメント | – |
保険制度全般 | – |
生命保険 | 学科試験、実技試験(FP協会)で頻出。終身保険・定期保険・養老保険の特徴と違いを抑えましょう。 |
損害保険 | 学科試験、実技試験(FP協会)で頻出。火災保険・自動車保険・傷害保険の商品内容や賠償範囲を抑えましょう。 |
第三分野の保険 | – |
リスク管理と保険 | – |
リスク管理の最新の動向 | – |
【金融資産運用】
小項目 | 概要 |
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マーケット環境の理解 | 学科試験で頻出。国内総生産(GDP)などのマーケット指標の特徴と違いを抑えましょう。 |
預貯金・金融類似商品等 | – |
投資信託 | 学科試験で頻出。それぞれの投資信託の運用スタイルの違いを抑えましょう。 |
債券投資 | 学科試験、実技試験で頻出。債券の利回りの計算を抑えましょう。 |
株式投資 | 学科試験、実技試験で頻出。TOPIXなどの株式市場の指標や、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)の計算を抑えましょう。また近年は、トレンドであるNISA(投資の非課税制度)・ジュニアNISA・つみたてNISAに関する問題も出てきているので、共通点や相違点なども抑えましょう。 |
外貨建商品 | – |
保険商品 | – |
金融派生商品 | – |
ポートフォリオ運用 | – |
金融商品と税金 | – |
セーフティネット | – |
関連法規 | – |
金融資産運用の最新の動向 | – |
【タックスプランニング】
小項目 | 概要 |
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わが国の税制 | – |
所得税の仕組み | – |
各種所得の内容 | 学科試験で頻出。「10種類の所得」「青色申告ができる所得」を語呂で暗記しましょう。 |
損益通算 | 「損益通算できる損失」を語呂で暗記しましょう。 |
所得控除 | 学科試験で頻出。医療費控除・配偶者控除・扶養控除と所得税の申告と納付は確定申告の必要があるかどうかを抑えましょう。実技試験では、源泉徴収票の読み取り問題、給与所得の計算手順や税額控除の仕組みなどを抑えましょう。 |
税額控除 | – |
所得税の申告と納付 | 学科試験で頻出。 |
個人住民税 | – |
個人事業税 | – |
タックスプランニングの最新の動向 | – |
【不動産】
小項目 | 概要 |
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不動産の見方 | – |
不動産の取引 | 学科試験で頻出。。建築基準法(建ぺい率や容積率の計算方法)、都市計画法(区域別の制限やルール)を抑えましょう。 |
不動産に関する法令上の規制 | 学科試験で頻出。 |
不動産の取得・保有にかかる税金 | 学科試験で頻出。 |
不動産の譲渡にかかる税金 | – |
不動産の賃貸 | – |
不動産の有効活用 | – |
不動産の証券化 | – |
不動産の最新の動向 | – |
【相続・事業承継】
小項目 | 概要 |
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贈与と法律 | – |
贈与と税金 | 学科試験で頻出。配偶者控除、相続時精算課税制度、祖父母から住宅購入資金・教育資金の贈与を受けた場合の非課税措置などの特例を抑えましょう。 |
相続と法律 | 学科試験で頻出。法定相続や遺言、遺留分などの取扱い、相続配分のルールを抑えましょう。 |
相続と税金 | 学科試験で頻出。実技試験(FP協会)は「誰が法定相続人になるか」「法定相続分はいくらか」「遺言があった場合の遺留分はいくらか」などの問題が代襲相続や相続放棄のケースも含めてよく出題されるので抑えましょう。 |
相続財産の評価(不動産以外) | – |
相続財産の評価(不動産) | – |
不動産の相続対策 | – |
相続と保険の活用 | – |
相続・事業承継の最新の動向 | – |
【おすすめ学習サイト】教科書、過去問
小項目 | 概要 |
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過去問道場ドットコム | 過去問がすべて無料で解くことができ、無料会員登録すれば学習履歴やよく間違える分野だけを出題させることもできる。解説も充実している。過去問解くならここだけで十分。 |
とりめざFP合格ネット | – |
お金の寺子屋 | 無料講座は、動画講義です。練習問題、過去問とも解答には簡単な解説がついています。 |
【その他】事務職おすすめ資格
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ビジネス会計検定 | 企業の財務諸表の構成や作り方などの知識が問われる検定試験で、1級~3級までがあります。会計を知りたい方は、まず3級の合格を目指すのが良いです。 |
電子会計実務検定 | 会計ソフトや計算システムの会計実務の知識が問われる検定試験で、1級~3級までがあり、いずれも簿記の理論と知識が問われます。 |
給与計算実務能力検定 | 給与計算業務における、知識や実務遂行力を測る検定試験です。所得税や住民税といった税金や、社会保険など給与に関係する知識を学ぶことが可能で、2年毎に更新制度のあるため、継続した学習が必要となります。 |
MOS資格 | Microsoft Officeの、Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlookのスキルを証明してくれる資格です。資格は、ソフトウェアごと、バージョンごとにわかれていて、WordとExcelはさらにスペシャリスト(一般)とエキスパート(上級)の2段階あります。特に業務での使用頻度が高いWord・Excel・PowerPointの資格をセットで取得すると大きな強みになります。 |
日商PC検定 | 日本商工会議所および各地の商工会議所が実施する検定で、以下の3分野にわかれています。 ・文書作成:Wordを活用した文書の作成や取扱い ・データ活用:Excelを活用したグラフの作成やデータ分析 ・プレゼン資料作成・・・PowerPointを活用したプレゼン資料の作成能力 それぞれ1級〜3級があり、文書作成・データ活用は、3級の下にBasicという級が設定されています。どの分野でも、実務に役立てるなら2級以上が望ましいです。 |
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