Ciscoルータにおいて、OSPFを設定する方法についてまとめました。
## 【ルータ】OSPFの設定例
OSPFとは、リンクステート型ルーティングプロトコルです。
ネットワークの帯域幅からコストを計算し経路選択(ルーティング)を行います。
(つまり最も高速な回線を選択します)
中~大規模なネットワークの構築に用いられています。
構成図
今回は下記のような単純なネットワークを例に設定します。
PC1, PC2の設定
PC1とPC2のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイを以下のように設定します。
■PC1
パラメータ | 設定 |
---|---|
IP | 192.168.1.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.1.1 |
■PC2
パラメータ | 設定 |
---|---|
IP | 192.168.3.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.3.1 |
## ルータAの設定
保守コンソールA(ConsoleA)でRouterAにアクセスし、以下の設定を行います。
Router_A(config)#int Fa0/0 Router_A(config)#ip address 192.168.1.1 255.255.255.0 Router_A(config)#no shutdown
ルータAのSerial0/0/0にIPアドレス, 帯域幅を設定します。
Router_A(config)#int S0/0/0 Router_A(config-if)#ip address 172.16.0.1 255.255.255.252 Router_A(config-if)#bandwidth 64 Router_A(config-if)#clock rate 64000 Router_A(config-if)#no shutdown
OSPFを起動し、ネットワーク・エリアを設定します。
Router_A(config)#router ospf 1 Router_A(config-router)#network 192.168.1.0 0.0.0.255 area 0 Router_A(config-router)#network 172.16.0.0 0.0.0.3 area 0
## ルータBの設定
保守コンソールBでルータBにアクセスし、以下の設定を行います。
ルータBのfastEthernet0/1にIPアドレスを設定します。
Router_B(config)#int Fa0/1 Router_B(config)#ip address 192.168.3.1 255.255.255.0 Router_B(config)#no shutdown
ルータBのSerial0/0/0にIPアドレス, 帯域幅を設定します。
Router_B(config)#int S0/0/0 Router_B(config-if)#ip address 172.16.0.2 255.255.255.252 Router_B(config-if)#bandwidth 64 Router_B(config-if)#clock rate 64000 Router_B(config-if)#no shutdown
OSPFを起動し、ネットワーク・エリアを設定します。
Router_B(config)#router ospf 1 Router_B(config-router)#network 192.168.3.0 0.0.0.255 area 0 Router_B(config-router)#network 172.16.0.0 0.0.0.3 area 0
– | 補足 |
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clock rete | 設定したインターフェースの帯域[bps]を決定(実際の帯域に影響する) |
bandwith | インターフェースの帯域幅[Kbps]でOSPF、IGRP、EIGRPなどで経路選択する際のコスト計算に使用(コスト計算に用いるだけなので実際の帯域には影響しない) |
※1 | 「clock rete」と「bandwith」は2台のルータをシリアルケーブルで直接つなげる場合に必要 |
※2 | bandwidthは、OSPF、IGRP、EIGRP等のルーティングプロトコルのコスト計算に利用するだけなので、されまスタティックルーティングやRIPでネットワーク構成する場合は必要ありません。 |
## Ping試験
PC1からPC2へPINGを飛ばすと無事に通信が出来ます。(逆も同様)
(PING試験はPCのコマンドプロンプトで行います)
ping 192.168.3.100
## ルーティングテーブルの確認
「show ip route」コマンドでルーティングテーブルを確認すると、OSPFによって学習された経路情報を閲覧できます。
Router_A#show ip route
「O 192.168.3.0/24 [110/1563] via 172.16.0.2, 00:49:19, Serial0/0/0」がOSPFで学習した経路情報です。
数値 | 意味 |
---|---|
O | OSPFによって学習したという意味 |
110 | アドミニストレイティブディスタンス |
1563 | メトリックの数値 |
– | 補足 |
---|---|
1 | メトリック=10^8/帯域幅=(10^8/6410^3)+(10^8/10010^6)=1562.5+1=1563.5←小数点以下切り捨て |
2 | PC-ルータ間はLANケーブルなのでの帯域幅は100[Mbps]=100*10^6[bps] |
3 | ルータ-ルータ間はシリアルケーブルなのでの帯域幅は64[Kbps]=64*10^3[bps] |
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