【電験3種】太陽電池発電設備の強度計算例

電験3種における太陽電池発電設備の強度計算についてをまとめました。

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強度計算の流れ

番号 参考資料
1 地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2019年版
2 地上設置型太陽光発電システムの構造設計例(鋼製架台)
3 地上設置型太陽光発電システムの構造設計例(アルミニウム合金製架台)

強度計算の大まかな流れは以下のとおりです(一例)。

①外力の計算 JIS C 8955(最新版)に基づき、架台に加わる外力(風圧荷重W、固定荷重G、積雪荷重S、地震荷重K)を手計算
※建設する地域、傾斜、設備の寸法・重量などによって手計算できる
②許容応力度の計算 各部材の許容応力度を計算する。鋼材の場合、「幅厚比制限による許容応力度の低減」が必要。アルミ材の場合、「換算幅厚比と局部座屈、横座屈による許容応力度の低減」が必要
③応力解析シミュレーション 架台の解析モデル(2Dもしくは3Dモデル)を作成し、①で計算した外力を等分布荷重や集中荷重などでモデル上の各部材に加えて、各部材に発生する応力(圧縮、引張、曲げ、せん断)を算出する。
※各部材に発生する曲げモーメントM[kN・m]、軸力N[kN]、せん断力Q[kN]を算出し、後で応力度は手計算で行うこともある
④部材に発生する応力度の計算 外力が加わるときの各部材の「曲げ応力度(σb=M/Z)」「圧縮応力度(σc=N/A)」「引張応力度(σt=N/A)」「せん断応力度」を計算する。
※1.曲げモーメントM、軸力Nは「2のシミュレーション結果の値」を用いる。
2.断面係数Z、有効断面積Aは部材の仕様値を用いる。
⑤検定 「④の応力度」が「②の許容応力度」を下回るか確認する。
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①外力の計算

荷重条件・状態 一般の地方 多雪区域
長期(常時) G G+0.7S
短期(積雪時) G+S G+S
短期(暴風時) G+W G+0.35S+W
短期(地震時) G+K G+0.35S+K
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②許容応力度の計算

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③応力解析シミュレーション

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④部材に発生する応力度の計算

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⑤ 検定

組合せ応力

【圧縮+曲げ】

圧縮力Nと曲げモーメントMを受ける部材(柱など)は、以下の2式が満たすように検定を行います。

(1)   \begin{eqnarray*} \frac{\sigma_c}{f_c}+\frac{\sigma_{bc}}{f_b} \leq 1 \\ \frac{\sigma_{bt}}{f_t}-\frac{\sigma_c}{f_t} \leq 1 \end{eqnarray*}

上記1段目の式は「圧縮応力度の検定比」「曲げ応力度(圧縮側)の検定比」の和が1以下になるかを示している。
つまり「圧縮応力と曲げモーメントが同時に作用する部材の検定比」を求めています。

【引張+曲げ】

(2)   \begin{eqnarray*} \frac{\sigma_t}{f_t}+\frac{\sigma_{bt}}{f_t} \leq 1 \\ \frac{\sigma_{bc}}{f_t}-\frac{\sigma_t}{f_t} \leq 1 \end{eqnarray*}

上記1段目の式は「引張応力度の検定比」「曲げ応力度(引張側)の検定比」の和が1以下になるかを示している。

パラメータ 概要
fc 部材の許容圧縮応力度[N/mm2]
fb 部材の許容曲げ応力度[N/mm2]
ft 部材の許容引張応力度[N/mm2]
σc 平均圧縮応力度[N/mm2] (=N/A)
σt 平均引張応力度[N/mm2] (=T/An)
σbc 圧縮側の曲げ応力度[N/mm2] (=M/Zc)
σbt 引張側の曲げ応力度[N/mm2] (=M/Zt)
N 圧縮力[N]
T 引張力[N]
M 曲げモーメント[Nmm]
A 全断面積[mm2]
An 引張材の有効断面積mm2
Zc 圧縮側断面係数[mm3]
Zt 引張側断面係数[mm3]
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