【構造力学】断面二次半径、細長比と座屈長さとは?計算式と例題

構造力学における断面二次半径とは?計算式と例題について紹介します。

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【断面二次半径とは】座屈に対する強さ

断面二次半径i[mm]は、座屈の計算をするときに用いられる定数です。
全断面の二次モーメントi_z^2Aが断面二次モーメントIzと等しくなるとき、この中立軸z(図心を通る軸)からの距離izを断面二次半径といいます。

(1)   \begin{eqnarray*} I_z=i_z^2A \\ i_z=\sqrt{\frac{I_z}{A}} \end{eqnarray*}

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【座屈長さ】支持条件に対する座屈部分の長さ

座屈長さLbとは、支持条件に対する座屈部分の長さのことです。
座屈長さ係数A(支持条件(境界条件)により決まる)のとき以下の式で計算できます。

(2)   \begin{eqnarray*} Lb=L×A \end{eqnarray*}

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【細長比とは】限界細長比

細長比λは、座屈長さLb、断面二次半径izのとき以下の式で計算できます。

(3)   \begin{eqnarray*} \lamda = \frac{L_b}{i_z} \end{eqnarray*}

細長比が小さければ小さいほど座屈耐力は大きくなり、逆の場合は座屈耐力が小さくなります。
例えば、ある柱に小さい圧縮応力が作用しているとき、柱はできるだけ細くしたいとします。このとき、建築基準法で細長比に制限があるため、細くするには限界があります。

柱の細長比 λ=200以下
梁の細長比 λ=250以下

柱のほうが細長比がより厳しい制限なのは、梁と違って、柱は常に圧縮力を負担しているためです。

細長比を用いて座屈耐力を計算すると、細長比が小さいほど座屈耐力は大きくなり、降伏強度を越えてしまう矛盾が発生するため、弾性領域までしか検討できません。(本来、座屈耐力が降伏強度に達すると、部材は降伏するため座屈耐力は減少する)。

そのため、非弾性領域の座屈耐力を計算する場合は、「限界細長比」を用います。

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