Shi-Tomasi法で特徴点を検出する原理・計算式

Shi-Tomasi法で特徴点を検出する原理や計算式についてまとめました。

Shi-Tomasi法とは

Shi-Tomasi法は、画像処理において特徴点(コーナー)を検出するためのアルゴリズムです。
Harris法の改良版であり、より安定して特徴点を検出できます。Shi-Tomasi法は、画像中の特徴点を検出するために、各ピクセルの周辺領域の自己相関行列を計算します。この行列の最小固有値を用いて、特徴点の強度を評価します。

特徴点の検出手順

具体的には、以下のように特徴点を検出します。

① カラー画像をグレースケールに変換します。

② 各ピクセルの周辺領域の自己相関行列$M$を計算します。

$$ M = \begin{pmatrix} \sum I_{x}^2 & \sum I_{x}I_{y} \\ \sum I_{x}I_{y} & \sum I_{y}^2 \end{pmatrix} $$

ここで、 $I_{x}$ と $I_{y}$ はそれぞれ画像の x 軸と y 軸方向の微分を表します。微分は、Sobelフィルタなどの微分フィルタを用いて計算されます。

③ 自己相関行列$M$の最小固有値$R$を計算します。
まず、以下の計算式で$\lambda_{1}$ と $\lambda_{2}$を計算します。

$$ \lambda_{1}, \lambda_{2} = \frac{(M_{11} + M_{22}) \pm \sqrt{(M_{11} + M_{22})^2 – 4(M_{11}M_{22} – M_{12}^2)}}{2} $$

ここで、$M_{ij}$ は行列$M$の要素です。2つの固有値のうち小さい方を選びます。

$$ R = \min(\lambda_{1}, \lambda_{2}) $$

④ 最小固有値$R$がしきい値$T$を超えるピクセルを特徴点として選択します。しきい値 $T$ は通常、アプリケーションに応じて調整されます。

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この記事を書いた人
西住技研

在学中はシステム制御理論や画像処理、機械学習を専攻分野として研究していました。就職後は、プログラミング(Python)を活用したデータ分析や作業自動化に取り組み、現在に至ります。そこで得たノウハウをブログで発信しています。
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