【電験3種】「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」の攻略ポイント

電験3種における「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」の攻略ポイントをまとめました。

【はじめに】発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令とは

発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(太技)」とは、発電用太陽電池設備の技術基準について定めたものです。
関連法令や解釈・解説と並べると以下のとおりになります。

分類 概要
法律 電気事業法
政令 電気事業法施行令
省令 電気事業法施行規則、電気関係報告規則、発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(大技)、発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(風技)
解釈 電気設備の技術基準の解釈発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈
解説 電気設備の技術基準の解釈の解説発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説
関連文書 地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン 2019 年版

太技は以前は電技解釈の中にありましたが、格上げのような形で太技になりました。また、電技と同じように「発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈(以下、「太技解釈」)」、「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説(以下、「太技逐次解説」)」といった解釈や解説もあります。また、太陽光発電協会(JPEA)より「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン」が公開されており、「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説」の中でも引用されています。「同設計ガイドライン 2019 年版 技術資料」「同設計ガイドライン 構造設計例 -鋼製架台-」「地上設置型太陽光発電システムの構造設計例 -アルミニウム合金製架台-」なども付属しています。

【1条】適用範囲

(適用範囲)
第一条 この省令は、太陽光を電気に変換するために施設する電気工作物について適用する。
2 前項の電気工作物とは、一般用電気工作物及び事業用電気工作物をいう。

【逐次解説】

太陽電池発電所は、太陽電池モジュールとそれを支持する工作物、昇圧変圧器、遮断器、電路等から構成されるが、本省令については、太陽電池モジュールを支持する工作物(以下、「支持物」という。)および地盤に関する技術基準を定めたものであり、ここでの支持物とは、架台及び基礎の部分を示す。なお、電気設備に関しては「電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第 52 号)」に規定されている。

【2条】定義

(定義)
第2条 この省令において使用する用語は、電気事業法施行規則(平成7年通商産業省令第 77 号)において使用する用語の例による。

【逐次解説】

規制の明確化の観点から、電気事業法施行規則(平成7年通商産業省令第 77 号)で使用する用語と発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈で使用する用語の統一を図っている。また、太陽光発電に関する用語については、日本産業規格 JIS C 8960(2012)「太陽光発電用語」による。

【3条】人体に危害を及ぼし、物件に損傷を与えるおそれのある施設等の防止

(人体に危害を及ぼし、物件に損傷を与えるおそれのある施設等の防止)
第3条 太陽電池発電所を設置するに当たっては、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれが
ないように施設しなければならない。
2 発電用太陽電池設備が一般用電気工作物である場合には、前項の規定は、同項中「太陽電池発電所」とあ
るのは「発電用太陽電池設備」と読み替えて適用するものとする。

【逐次解説】

取扱者以外の者又は物件に対して危害や損害を与えるおそれがないように適切な措置を講ずることを規定している。なお、電気設備からの感電、火災等の防止に関しては、電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第 52 号)第4条に規定されている。

【4条】支持物の構造等

第4条では, 太陽光パネルを支える支持物の構造等について以下のように記述されています。

(支持物の構造等)
第4条 太陽電池モジュールを支持する工作物(以下「支持物」という。)は、次の各号により施設しなければならない。
一 自重、地震荷重、風圧荷重、積雪荷重その他の当該支持物の設置環境下において想定される各種荷重に対し安定であること。
二 前号に規定する荷重を受けた際に生じる各部材の応力度が、その部材の許容応力度以下になること。
三 支持物を構成する各部材は、前号に規定する許容応力度を満たす設計に必要な安定した品質を持つ材料であるとともに、腐食、腐朽その他の劣化を生じにくい材料又は防食等の劣化防止のための措置を講じた材料であること。
四 太陽電池モジュールと支持物の接合部、支持物の部材間及び支持物の架構部分と基礎又はアンカー部分の接合部における存在応力を確実に伝える構造とすること。
五 支持物の基礎部分は、次に掲げる要件に適合するものであること。
イ 土地又は水面に施設される支持物の基礎部分は、上部構造から伝わる荷重に対して、上部構造に支障をきたす沈下浮上がり及び水平方向への移動を生じないものであること。
ロ 土地に自立して施設される支持物の基礎部分は、杭基礎若しくは鉄筋コンクリート造の直接基礎又はこれらと同等以上の支持力を有するものであること。
六 土地に自立して施設されるもののうち設置面からの太陽電池アレイ(太陽電池モジュール及び支持物の総体をいう。)の最高の高さが九メートルを超える場合には、構造強度等に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。

【逐次解説】

① 解釈第2条の解説(設計荷重)
日本産業規格 JIS C 8955(2017)に規定された風圧荷重、積雪荷重及び地震荷重はそれぞれ、建築基準法施行令第 87 条、第 86 条、第 88 条を参考に設定されている。これらの荷重の再現期間は 50 年を想定しており、「当該支持物の設置環境下において想定される各種荷重」についてもこれと同等の荷重を設定することが望ましい。なお、地上に施設される発電用太陽電池設備において、傾斜地に施設される場合の風圧荷重及びアレイ面の下端部に作用する積雪による沈降荷重等については、「地上設置型発電システムの設計ガイドライン 2019 年版」(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構:2019)の技術資料が参考となる。また、水面等に施設される発電用太陽電池設備の支持物(フロート、架台、係留索、アンカー:解説 1 図参照)については、地上や建築物上に施設される発電用太陽電池設備とは異なる荷重を想定する必要があることから、解説 1 表を参考として考慮すべき荷重を検討する

③ 解釈第4条の解説(部材の強度)
支持物に使用される部材は、解釈第 2 条の設計荷重に対する許容応力度設計を要求されているため、再現期間 50 年に相当する荷重に対して各部材は損傷および塑性変形しない強度を確保する必要がある。細長い部材や材厚が小さい部材に圧縮力や曲げモーメントが作用する場合には、曲げ座屈、横座屈、局部座屈等が発生するおそれがあるため、座屈を考慮した許容応力度の設定が求められる。また、部材の曲がりやねじれ等の変形が大きい場合には、支持物の構造安全性を損なうことがあるため、それらを考慮して設計することが必要である。許容応力度の設定については、以下に示す基規準・指針等が参考になる。
・「鋼構造許容応力度設計規準」(日本建築学会)
・「軽鋼構造設計施工指針・同解説」(日本建築学会)
・「アルミニウム建築構造設計規準・同解説」(アルミニウム建築構造協議会)
鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説(日本建築学会)
また、太陽電池モジュールの構成部材のうち荷重を負担する部材(ガラス面、フレーム)についてもこれに準じた強度を確保する必要がある。

ここで、JIS C 8955(2017)は旧版であるJIS C 8955(2004)から、荷重の算出方法が変わっているため注意が必要です。例えば、設計荷重の計算に用いる風力係数や速度圧が約1.5倍になっており、約2.3倍の耐風圧性能が要求されます。そのため、技術基準に適合するためにはJIS C 8955(2017)を元に設計するのが確実です。

【電験】太技省令4条「支持物の構造等」のポイント
電験における「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」の4条「支持物の構造等」のポイントをまとめました。

【5条】土砂の流出及び崩壊の防止

省令5条では、土砂の流出と崩壊の防止措置が要求されています。つまり、傾斜地のある発電所での地盤の安定性についても考慮して設計・管理する必要があります。

【省令】

(土砂の流出及び崩壊の防止)
第5条 支持物を土地に自立して施設する場合には、施設による土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じなければならない。

電技解釈第46条第4項でも、同じ内容が記載されています。

【電技解釈第46条】

4 太陽電池モジュールの支持物を土地に自立して施設する場合には、施設による土砂の流出又は崩壊を防止する措置を講ずること。

例えば斜面に設置する場合、事前調査(土砂災害警戒区域等の情報や現地確認など)を行って土砂の流出又は崩壊の危険性を評価し、その結果に応じて排水設備や斜面保護を行います。

地域森林計画の対象森林において、1ヘクタールを超える規模で太陽光発電設備を設置しようとする場合、「建築物その他の工作物」に該当するため森林の区域を管轄する県の機関から事前に森林法第10条の2に基づく許可(林地開発許可:通称りんぱつ許可)を受ける必要があります。立木の伐採のみで土地の改変を伴わない場合であっても、当該設備の設置によって土地の形状又は性質を復元できない状態にするおそれがあることから、許可が必要です。
ただし、許可を受けていれば「土砂の流出又は崩壊の危険性はない」というわけではありません。

【6条】公害等の防止

(公害等の防止)
第6条 電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号)第十九条第十三項の規定は、太陽電池発電所に設置する発電用太陽電池設備について準用する。
2 発電用太陽電池設備が一般用電気工作物である場合には、前項の規定は、同項中「太陽電池発電所に設置する発電用太陽電池設備」とあるのは「発電用太陽電池設備」と読み替えて適用するものとする。

【関連法令】森林法、建築基準法

関連法令 概要
森林法 地域森林計画の対象森林において、1ヘクタールを超える規模で太陽光発電設備を設置しようとする場合、「建築物その他の工作物」に該当するため森林の区域を管轄する県の機関から事前に森林法第10条の2に基づく許可(林地開発許可:通称りんぱつ許可)を受ける必要があります。立木の伐採のみで土地の改変を伴わない場合であっても、当該設備の設置によって土地の形状又は性質を復元できない状態にするおそれがあることから、許可が必要です。
建築基準法 「平成23 (2011) 年国土交通省告示第 1002号」により、一般的な地上設置型太陽電池発電設備は建築基準 法の適用外となった。しかし、 ①架台下の空間を屋内的用途に使用していないこと(居住、職場、駐車場としての利用など)②電気事業法に適合した設備であること次の条件のうちいずれか満たさない場合、建築基準法の適用範囲となる。
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