応力とは?引張応力、圧縮応力、せん断応力の違いと計算式について紹介します。
【応力とは】物体内部に生じる断面の単位面積あたりの抵抗力
応力とは、物体(固体)に外力が加えたときに「物体内部に生じる断面の単位面積あたりの抵抗力」のことです。
この抵抗力は、作用反作用の法則により外力を与えられたことで生じます。断面の全面積に加わる抵抗力のことを「内力」といいます。
応力が大きくなるほど、物体内部に大きな負荷がかかるため物体は破損しやすくなります。
ちなみに、物体が液体もしくは気体の場合は「圧力」となります。
応力には、外力の違いによって引張応力、圧縮応力、せん断応力の種類があります。
また、引張応力と圧縮応力は部材の軸方向(部材の長さ方向=断面に垂直な方向)に働くことから「軸方向応力(軸力)」や「垂直応力(垂直力)」ともいいます。
【引張応力とは】外力が引張力の場合に発生する応力
引張応力とは、外力が引張力の場合に発生する応力です。
物体の断面積を、外力をとするとき応力は次式で計算できます。
(1)
【圧縮応力とは】外力が物体を圧縮する方向に加わったときに発生する応力
圧縮応力とは、「外力が物体を圧縮する方向」(引張と反対方向)に加わったときに発生する応力です。
物体の断面積を、外力をとするとき圧縮応力は次式で計算できます。
(2)
【せん断応力とは】外力が物体をずらすような方向に加わったときに発生する応力
せん断応力とは、「外力が物体をずらすような方向」に加わったときに発生する応力です。
せん断応力は、物体を反時計方向に回転させる方向を正とします。
物体の断面積を、外力をとするときせん断応力は次式で計算できます。
(3)
【曲げ応力】
部材が図のように曲げ作用を受けると、断面には外側に引張応力、内側に圧縮応力が生じます。
これが部材中のあるところから次第に増加します。このような応力を「曲げ応力」といい、単位面積あたりの曲げ応力を曲げ応力度σといいます。
【補足】部材は軸方向力に強い
部材は、曲げモーメントやせん断力に比べて、軸方向力に強い性質があります。
例えば厚さ10mm程度の鋼材でも、数tの重りが軸方向力として働くようにすれば吊ることが可能です。
逆に、曲げ方向の場合、厚さ10mm程度の鋼材であれば、工具と人力で簡単に曲げられます。
よって、「軸方向力のみ作用する部材」を組み合わせることで強固な構造物となります。
軸方向力のみ作用する構造を、トラス構造といいます。
トラス構造物では、各結合点で軸方向力(引張力、圧縮力)が釣り合っています。
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