【電験3種】法規「電気設備に関する技術基準を定める省令」の攻略ポイント

電験3種の法規「電気設備に関する技術基準を定める省令 1章 総則」の頻出範囲とポイントについてまとめました。

【電技とは】「電気設備に関する技術基準を定める省令」の概要

他の関係法令等との違いを整理すると以下のとおり。

分類 概要
法律 電気事業法
政令 電気事業法施行令
省令 電気事業法施行規則電気関係報告規則発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(大技)、発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(風技)
解釈 電気設備の技術基準の解釈発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈
解説 電気設備の技術基準の解釈の解説発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説

法律、政令、省令に従う義務があります。つまり、電技には法的強制力があります。電技解釈等の解釈は、 電技等の省令で要求されている技術基準に適合させるための方法の1つを記載しているというものであるため、 必ず解釈に記載された要件を満足させる義務はありません。
しかし、電技解釈の要件を満たさない場合、その代わりに技術基準適合を満足させるための手段を講じ、必要に応じてそれを説明する必要があります。
ただし、電技解釈に記載されている要求事項を満足させることは、技術基準に適合するものと判断されるため、設計上の免責範囲が設定され設計者を保護する役割をもったものであり、 「電技解釈への適合は義務ではないので守らないほうが良い」 というものではありません。

電気事業法 第39条1項及び第56条1項を根拠として、電気工作物は、「電気設備に関する技術基準を定める省令(電技)」に定められた「技術基準に適合するように維持」していく必要があります。。

(事業用電気工作物の維持)
第39条 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
2 前項の主務省令は、次に掲げるところによらなければならない。
一 事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。
二 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。
三 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
四 事業用電気工作物が一般送配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。

(技術基準適合命令)
第40条 主務大臣は、事業用電気工作物が前条第一項の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。

(技術基準適合命令)
第56条 経済産業大臣は、一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、その所有者又は占有者に対し、その技術基準に適合するように一般用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。

【電験三種】「電気設備に関する技術基準を定める省令」の法的根拠
電験三種(法規)における「電気設備に関する技術基準を定める省令」の法的根拠をまとめました。

【1条】基本用語の定義

電技」と「電技解釈」の第一条で用語の定義があります。重要なものを以下に抜粋します。

【電技】

(用語の定義)
第1条 この省令において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 「電路」とは、通常の使用状態で電気が通じているところをいう。
二 「電気機械器具」とは、電路を構成する機械器具をいう。
三 「発電所」とは、発電機、原動機、燃料電池、太陽電池その他の機械器具(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十八条第一項に規定する小出力発電設備、非常用予備電源を得る目的で施設するもの及び電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号)の適用を受ける携帯用発電機を除く。)を施設して電気を発生させる所をいう。
四 「変電所」とは、構外から伝送される電気を構内に施設した変圧器、回転変流機、整流器その他の電気機械器具により変成する所であって、変成した電気をさらに構外に伝送するものをいう。
五 「開閉所」とは、構内に施設した開閉器その他の装置により電路を開閉する所であって、発電所、変電所及び需要場所以外のものをいう。
六 「電線」とは、強電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。
七 「電車線」とは、電気機関車及び電車にその動力用の電気を供給するために使用する接触電線及び鋼索鉄道の車両内の信号装置、照明装置等に電気を供給するために使用する接触電線をいう。
八 「電線路」とは、発電所、変電所、開閉所及びこれらに類する場所並びに電気使用場所相互間の電線(電車線を除く。)並びにこれを支持し、又は保蔵する工作物をいう。
九 「電車線路」とは、電車線及びこれを支持する工作物をいう。
十 「調相設備」とは、無効電力を調整する電気機械器具をいう。
十一 「弱電流電線」とは、弱電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。
十二 「弱電流電線路」とは、弱電流電線及びこれを支持し、又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は屋側に施設するものを除く。)をいう。
十三 「光ファイバケーブル」とは、光信号の伝送に使用する伝送媒体であって、保護被覆で保護したものをいう。
十四 「光ファイバケーブル線路」とは、光ファイバケーブル及びこれを支持し、又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は屋側に施設するものを除く。)をいう。
十五 「支持物」とは、木柱、鉄柱、鉄筋コンクリート柱及び鉄塔並びにこれらに類する工作物であって、電線又は弱電流電線若しくは光ファイバケーブルを支持することを主たる目的とするものをいう。
十六 「連接引込線」とは、一需要場所の引込線(架空電線路の支持物から他の支持物を経ないで需要場所の取付け点に至る架空電線(架空電線路の電線をいう。以下同じ。)及び需要場所の造営物(土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有する工作物をいう。以下同じ。)の側面等に施設する電線であって、当該需要場所の引込口に至るものをいう。)から分岐して、支持物を経ないで他の需要場所の引込口に至る部分の電線をいう。
十七 「配線」とは、電気使用場所において施設する電線(電気機械器具内の電線及び電線路の電線を除く。)をいう。
十八 「電力貯蔵装置」とは、電力を貯蔵する電気機械器具をいう。

【電技】

(用語の定義)[H29:問6出題]
技術員 設備の運転又は管理に必要な知識及び技能を有する者
電気使用場所 電気を使用するための電気設備を施設した、1の建物又は1の単位をなす場所
需要場所 電気使用場所を含む1の構内又はこれに準ずる区域であって、発電所、変電所及び開閉所以外のもの
(略)
二十二 工作物 人により加工された全ての物体
二十三 造営物 工作物のうち、土地に定着するものであって、屋根及び柱又は壁を有するもの
(略)
二十六 水気のある場所 水を扱う場所若しくは雨露にさらされる場所その他水滴が飛散する場所、又は常時水が漏出し若しくは結露する場所
二十七 湿気の多い場所 水蒸気が充満する場所又は湿度が著しく高い場所
二十八 乾燥した場所 湿気の多い場所及び水気のある場所以外の場所
二十九 点検できない隠ぺい場所 天井ふところ、壁内又はコンクリート床内等、工作物を破壊しなければ電気設備に接近し、又は電気設備を点検できない場所
三十 点検できる隠ぺい場所 点検口がある天井裏、戸棚又は押入れ等、容易に電気設備に接近し、又は電気設備を点検できる隠ぺい場所
三十一 展開した場所 点検できない隠ぺい場所及び点検できる隠ぺい場所以外の場所
三十二 難燃性 炎を当てても燃え広がらない性質
三十三 自消性のある難燃性 難燃性であって、炎を除くと自然に消える性質
三十四 不燃性 難燃性のうち、炎を当てても燃えない性質
三十五 耐火性 不燃性のうち、炎により加熱された状態においても著しく変形又は破壊しない性質
三十六 接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。
イ 設備を、屋内にあっては床上2.3m以上、屋外にあっては地表上2.5m以上の高さに、かつ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設すること。
ロ 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。
三十七 簡易接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。
イ 設備を、屋内にあっては床上1.8m以上、屋外にあっては地表上2m以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること。
ロ 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。

【補足】
弱電流電線・・・電話線、通信線など
連接引込線・・・以下のとおり。

[R2:問7]

【電験三種】「高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止」の概要と例題
電験三種(法規)における「高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止」の法的根拠をまとめました。

その他の条項

条項 概要
1条(用語の定義) 用語(開閉所、変電所など)の定義、法令の位置づけ
2条(電圧の種別等) 特別高圧、高圧、低圧の区分
5条(電路の絶縁) 電路や電気機械器具を大地から絶縁する必要について記載されています(解釈13、15、16条)。
電技6~8条(電線等の断線の防止、電線の接続、電気機械器具の熱的強度) 電線等の断線の防止、電線の接続、電気機械器具の熱的強度(解釈12条)
9条(高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止) 高圧又は特別高圧の電気機械器具について、「接触による感電防止」や「アークによる火災防止」のための工事方法(離隔距離、柵、接地など)について記載(解釈21、38条)
10~13条(電気設備の接地、電気設備の接地の方法、特別高圧電路等と結合する変圧器等の火災等の防止、特別高圧を直接低圧に変成する変圧器の施設制限) A~D種接地の種類と使い方、B種接地による混触防止対策などが記載されている。
14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策) 過電流遮断器(配線用遮断器・ヒューズ)の設置について記載されている。
15条(地絡に対する保護対策) 地絡事故防止のための地絡遮断器の敷設が規定されています。
15条の2(サイバーセキュリティの確保) 電気事業用の電気設備の運転に使用する電子計算機(コンピュータ)が対象
16~17条(電気設備の電気的、磁気的障害の防止) 電気設備の電気的・磁気的障害の防止、高周波利用設備への障害の防止
18条(電気設備による供給支障の防止) 電気設備による供給支障の防止
19条(公害等の防止) 「10項の変圧器の絶縁油(冷却用のもので、地絡電流などによるアーク放電で変圧器の容器が破損すると漏洩して環境汚損につながる恐れがある)の漏洩防止」「14項のPCB(ポリ塩化ビフェニル)の使用禁止」については特に重要。
20~27条(感電、火災等の防止) 電線路等の感電又は火災の防止、架空電線及び地中電線の感電の防止、低圧電線路の絶縁性能、発電所等への取扱者以外の者の立入の防止、架空電線路の支持物の昇塔防止、架空電線等の高さ、架空電線による他人の電線等の作業者への感電の防止、架空電線路からの静電誘導作用又は電磁誘導作用による感電の防止、電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止
28-32条(電線の混触の防止、他の工作物等への危険の防止、異常電圧による架空電線等への障害の防止、支持物の倒壊の防止) 他の電線、他の工作物等への危険の防止」「支持物の倒壊による危険の防止」について記載されている。
33~35条(高圧ガス等による危険の防止) ガス絶縁機器等の危険の防止、加圧装置の施設、水素冷却式発電機等の施設について記載されています。
36-41条(危険な施設の禁止) 油入開閉器等の施設制限、屋内電線路等の施設の禁止、連接引込線の禁止、電線路のがけへの施設の禁止、特別高圧架空電線路の市街地等における施設の禁止、市街地に施設する電力保安通信線の特別高圧電線に添架する電力保安通信線との接続の禁止について記載されています。
42-43条(通信障害の防止、地球磁気観測所等に対する障害の防止) 通信障害の防止、地球磁気観測所等に対する障害の防止
44-51条(供給支障の防止) 発変電設備等の損傷による供給支障の防止、発電機等の機械的強度、常時監視をしない発電所等の施設、地中電線路の保護、特別高圧架空電線路の供給支障の防止、高圧及び特別高圧の電路の避雷器等の施設、電力保安通信設備の施設、災害時における通信の確保
52-55条(電気鉄道に電気を供給するための電気設備の施設) 電車線路の施設制限、架空絶縁帰線等の施設、電食作用による障害の防止、電圧不平衡による障害の防止
56-61条(感電、火災等の防止) 配線の感電又は火災の防止、配線の使用電線、低圧の電路の絶縁性能、電気使用場所に施設する電気機械器具の感電、火災等の防止、特別高圧の電気集じん応用装置等の施設の禁止、非常用予備電源の施設
62条(他の配線、他の工作物等への危険の防止) 低圧配線と弱電流電線等又は管との接近又は交差(解釈167条)
63-66条(異常時の保護対策) 過電流からの低圧幹線等の保護措置、地絡に対する保護措置、電動機の過負荷保護、異常時における高圧の移動電線及び接触電線における電路の遮断
68-73条(特殊場所における施設制限) 粉じんにより絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設、可燃性のガス等により爆発する危険のある場所における施設の禁止、腐食性のガス等により絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設、火薬庫内における電気設備の施設の禁止、特別高圧の電気設備の施設の禁止、接触電線の危険場所への施設の禁止
74-78条(特殊機器の施設) 電気さくの施設の禁止、電撃殺虫器・エックス線発生装置の施設場所の禁止、パイプライン等の電熱装置の施設の禁止、電気浴器・銀イオン殺菌装置の施設、電気防食施設の施設
風圧荷重 電柱の「電線の張力」「支線の張力」「風圧荷重」の計算問題が出題されます
絶縁耐力試験 高圧機器に対して絶縁耐力試験を行う際の「最大使用電圧」や「試験電圧」の計算問題
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