構造力学における断面係数Zとは?計算式と例題について紹介します。
【断面係数Z】断面形状の曲げモーメントに対する強さ(許容曲げ応力度)
断面係数Zとは、梁部材の断面形状による曲げモーメントに対する強さ(どの程度の応力が加わっても永久変形しないか)を表します。
断面係数Zが大きくなるほど、曲げモーメントに対して強くなります。
断面二次モーメントと意味合いが似通っていますが、これは断面係数Zは以下のように断面二次モーメントIzから求めるためです。
中立軸z(断面の図心を通る軸)に対する断面二次モーメントがIz、中立軸zから外周までの距離がyのとき、断面係数Zは以下の式で計算できます。
(1)
断面係数Zは、梁の曲げ応力度σを計算する際に使用します。
梁に加わる曲げモーメントがMのとき、曲げ応力度σは以下のようになります。
(2)
部材の種類によって、許容(曲げ)応力度は決まるため、「曲げ応力度σ < 許容(曲げ)応力度」となるように設計を行います(許容応力度設計)。
曲げモーメントMと曲げ応力度σは比例関係にあります。
一方、断面係数Zと曲げ応力度σは反比例関係にあるます。
よって一般的に
・曲げモーメントMは小さい方が良い
・断面係数Zは大きい方が良い
といえます。
【補足】断面係数と断面二次モーメントとの違い
断面係数Zは部材の断面形状が曲げに対する強さ(どの程度の応力が加わっても永久変形しないか)を表します。
一方、断面二次モーメントは部材の断面形状が曲げに対する硬さ(変形が小さい=たわみが小さい)かを表します。
そのため、断面係数Zは「許容応力度」の計算、断面二次モーメントは「たわみの計算」に用いられます。
【部材断面】断面一次モーメント、断面二次モーメント、断面係数、断面二次半径の違いと計算式
構造力学における断面積、断面一次モーメント、図心、断面二次モーメント、断面係数、断面二次半径の違いと計算式と例題について紹介します。
構造力学・構造計算入門
構造力学の基礎、計算式、例題集について入門者向けにまとめました。
コメント