【乙四】基礎物理の内容、例題

乙四で出題される基礎物理の内容、例題についてまとめました。

【はじめに】物質の三態と状態変化

物質は、温度により「固体」「液体」「気体」に状態が変化します。これを「物質の三態」といいます。
例えば、水の三態は「氷=固体」「水=液体」「水蒸気=気体」となります。
物質は分子からできており、分子と分子の間には分子間力という力が働いています。

状態 概要
固体 分子間力が強く、分子が動けない状態。
液体 固体の状態から熱エネルギーを与えて分子が流動でき、ゆるやかに動ける状態。
気体 液体の状態の分子にさらに熱エネルギーを与えるとさらに運動が激しくなり、分子が自由に動ける状態。

状態変化には吸熱変化(熱を吸収する変化)と放熱変化(熱を放出する変化)があります。
それぞれの変化について名称がありますので覚えておきましょう。

名称 変化 備考
融解 固体 → 液体 吸熱変化 固体(1g)が融解するのに必要な熱を融解熱、融解が起こる温度を融点(融解点)といいます。
気化 液体 → 気体 吸熱変化 液体(1g)が気化するのに必要な熱を「気化熱」といいます。
昇華 固体 → 気体 吸熱変化
凝固 液体 → 固体 放熱変化 液体(1g)が凝固するのに必要な熱を凝固熱、融解が起こる温度を凝固点といいます。
凝縮 気体 → 液体 放熱変化
昇華 気体 → 固体 放熱変化

融解点、凝固点、融解熱、凝固熱は物質ごとに一定となります。
また、固体が融解している間は、吸熱変化で熱は融解に使われているため物質の温度は上昇しません。
温度の上昇に関係のない熱は潜熱(せんねつ)といいます。

さらに、気化は蒸発と沸騰に分けられます。

種別 概要
蒸発 液体の表面から気化する現象。
沸騰 液体の表面・内部から気化する現象。沸騰する温度を沸点(沸騰点)という。

【熱伝導率】主な物質の伝導率

一般的に非金属のほうが伝導率が低く、燃えやすいです。
主な物質の熱伝導率は以下のとおりです。

物質 温度 熱伝導率
20 0.998
20 0.923
20 0.708
アルミニウム 20 0.487
20 0.116
コンクリート 0 0.002
20 0.00140
硫黄 0 0.00065
木材 5 0.0005
エチルアルコール 0 0.000435
エーテル 0 0.00033
20 0.00033
灯油 0 0.000361
空気 20 0.0000563
水蒸気 0 0.0000404
酸素 0 0.0000480
二酸化炭素 0 0.0000284

【体膨張率】

物質に熱を与えたときに、体積が増えます。
どれだけ体積が増えるかを示すのが「体膨張率」です。
熱により増加した分の体積は、「元の体積×温度差×体膨張率」で計算できます。

物質 温度 体膨張率
0〜100 0.0000567
0〜100 0.0000498
20〜40 0.000302
60〜80 0.000578
ガソリン 20 0.00135

【例題】10℃で1,000Lのガソリンの温度が20℃になると、体積は約何Lだけ増加するか。
(ガソリンの体膨張率は0.00135とする)
【解答】
元の体積(1000L)×温度差(20℃-10℃)×体膨張率(0.00135)=1000×10×0.00135=13.5(L)

https://algorithm.joho.info/denki-denshi/lithium-ion-battery/

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