Waveletフィルタの原理・特徴・計算式

画像処理におけるWaveletフィルタの原理や計算式についてまとめました。

Waveletフィルタとは

Waveletフィルタは、ウェーブレット変換を用いたフィルタの1つです。信号データを時間と周波数の両方の情報を保持したまま分解するのに使用されます。ウェーブレット(波小片)と呼ばれる基底関数を用いて信号を変換することから、Waveletという名前がついています。

離散ウェーブレット変換(DWT)と連続ウェーブレット変換(CWT)の二つがあります。

  • 離散ウェーブレット変換(DWT)
    • DWTは、信号を異なるスケールと位置に分解するために、スケーリング関数とウェーブレット関数を用います。
    • 信号の階層的な分解が可能で、異なる解像度で信号を分析できます。
  • 連続ウェーブレット変換(CWT)
    • CWTは、連続的なスケールと位置に渡って信号を分析します。
    • 非常に詳細な時間-周波数情報が得られますが、計算量が多くなります。

Waveletフィルタの計算方法

Waveletフィルタの基本的な数式は、信号 $ f(t) $ をウェーブレット基底関数 $ \psi(t) $ とそのスケーリング関数 $ \phi(t) $ を用いて分解します。

$$ f(t) = \sum_{j,k} c_{j,k} \psi_{j,k}(t) + \sum_{j,k} d_{j,k} \phi_{j,k}(t) $$

ここで、 $$ c_{j,k} $$ はスケーリング係数、$$ d_{j,k} $$ はウェーブレット係数です。

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この記事を書いた人
西住技研

在学中はシステム制御理論や画像処理、機械学習を専攻分野として研究していました。就職後は、プログラミング(Python)を活用したデータ分析や作業自動化に取り組み、現在に至ります。そこで得たノウハウをブログで発信しています。
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