【高校数学】三角関数の公式一覧と解説

高校数学で学ぶ「三角関数」の公式一覧と原理を解説します。

単位円による定義と相互関係

三角関数の全ての公式の基礎は、半径 1 の円である単位円上の点の座標にあります。角 $\theta$ に対して、単位円上の点の $x$ 座標を $\cos \theta$、$y$ 座標を $\sin \theta$ と定義します。この定義から、三平方の定理により以下の最も重要な相互関係式が導かれます。

$$\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1$$

また、原点と点を通る直線の傾きが正接(タンジェント)となり、以下の関係が成り立ちます。

$$\tan \theta = \frac{\sin \theta}{\cos \theta}$$

加法定理

加法定理は、多くの発展的な公式を導き出すための母体となる公式です。二つの異なる角 $\alpha$ と $\beta$ の和や差に対する三角関数の値は、それぞれの関数の組み合わせで表現できます。

$$\sin(\alpha \pm \beta) = \sin \alpha \cos \beta \pm \cos \alpha \sin \beta$$
$$\cos(\alpha \pm \beta) = \cos \alpha \cos \beta \mp \sin \alpha \sin \beta$$
$$\tan(\alpha \pm \beta) = \frac{\tan \alpha \pm \tan \beta}{1 \mp \tan \alpha \tan \beta}$$

符号の扱いに注意が必要ですが、コサインの場合は和のときにマイナス、差のときにプラスとなる逆転現象が起こります。

2倍角と半角の公式

加法定理において、二つの角を同じもの($\alpha = \beta = \theta$)と置くことで、2倍の角に関する公式が得られます。特にコサインの2倍角は、相互関係式を用いることで三つの形態に変形できるため、状況に応じた使い分けが求められます。

$$\sin 2\theta = 2 \sin \theta \cos \theta$$
$$\cos 2\theta = \cos^2 \theta – \sin^2 \theta = 2 \cos^2 \theta – 1 = 1 – 2 \sin^2 \theta$$

これらの式を $\sin^2 \theta$ や $\cos^2 \theta$ について整理し直すと、半角の公式が得られます。これは、二乗の項を一次の項に次数下げしたい場合や、積分計算において非常に強力な道具となります。

$$\sin^2 \frac{\theta}{2} = \frac{1 – \cos \theta}{2}$$
$$\cos^2 \frac{\theta}{2} = \frac{1 + \cos \theta}{2}$$

三角関数の合成

交流回路の計算や波の重ね合わせで多用されるのが、サインとコサインの和を一種類のサインにまとめる合成公式です。これは、座標 $(a, b)$ を指定してベクトルの長さと角度を求める操作と同じです。

$$a \sin \theta + b \cos \theta = \sqrt{a^2 + b^2} \sin(\theta + \alpha)$$

ここで、$\alpha$ は $\cos \alpha = \frac{a}{\sqrt{a^2 + b^2}}$ かつ $\sin \alpha = \frac{b}{\sqrt{a^2 + b^2}}$ を満たす角です。これにより、複数の波が合わさったときの振幅や位相差をひと目で把握できるようになります。

【練習問題】加法定理の展開

加法定理を用いて $-\cos \theta = \sin (\theta – 90^\circ)$ という式を導いてください。

解説

サインの加法定理

$$\sin(\alpha – \beta) = \sin \alpha \cos \beta – \cos \alpha \sin \beta$$

において、$\alpha = \theta$、$\beta = 90^\circ$ を代入すると以下のようになります。

$\sin(\theta – 90^\circ) = \sin \theta \cos 90^\circ – \cos \theta \sin 90^\circ$

ここで、$\cos 90^\circ = 0$ であり、$\sin 90^\circ = 1$ です。これらを代入すると、

$\sin(\theta – 90^\circ) = (\sin \theta \cdot 0) – (\cos \theta \cdot 1) = -\cos \theta$

となり、式が証明されます。

$\sin \theta$ の波形を右方向に $90^\circ$ ずらしたものが $\sin(\theta – 90^\circ)$ です。一方で、$\cos \theta$ の波形を $x$ 軸を中心に上下反転させたものが $-\cos \theta$ です。これら二つの操作の結果得られる波形は、完全に一致します。

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記事の監修者
西住技研

在学中はシステム制御理論や画像処理、機械学習を専攻分野として研究していました。就職後は、プログラミング(Python)を活用したデータ分析や作業自動化に取り組み、現在に至ります。そこで得たノウハウをブログで発信しています。
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