【フーリエ変換】計算式の原理・意味

フーリエ変換の原理について入門者向けに紹介します。

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フーリエ変換とは

フーリエ変換(Fourier Transform)とは、信号を時間領域から周波数領域に変換する処理です。
フーリエ変換では「一定の周期をもつ信号は複数の正弦波の和で表現できる」というフーリエ級数の性質を使って、周波数領域に変換します。
これにより、信号に「どのような周波数成分がどれだけ含まれているのか」を解析することができます。
変換後の信号、正弦波の和はsin(wt)でなく、複素正弦波e^{jwt}を使うため、複素数で表現されます。

逆に、周波数領域に一度変換された信号を時間領域に戻すこともできます。
これを逆フーリエ変換(Inverse Fourier Transform)といいます。

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フーリエ変換で周波数成分を解析する例

次のような周期的な入力信号f(n)を用意します。

(1)   \begin{eqnarray*} f(n)=sin(2\pi f_1t)+sin(2\pi f_2t)+Noise \end{eqnarray*}

ここで周波数f_1=10, f_2=20[Hz], Noiseは雑音とします。
f(n)をフーリエ変換で周波数領域に変換するとF(k)になります。
F(k)から振幅スペクトル|F(k)|を計算し、グラフ化すると以下のようになります。

■右が入力信号f(n)、左が振幅スペクトル|F(k)|

振幅スペクトル|F(w)|を見ると、周波数f=10, 20のピークが大きいことがわかります。
これは、入力信号f(t)に周波数f=10, 20の周波数成分が多く含まれていることを表しています。
このように、フーリエ変換で周波数領域に変換すると、入力信号の周波数成分を解析することができます。

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フーリエ変換の計算式

任意の周期信号の時間領域をf(t)、(角)周波数領域をF(w)とします。
このとき、フーリエ変換の式は次のようになります。

(2)   \begin{eqnarray*} F(w)=\int^{\infty }_{-\infty } f(t)e^{-jwt}dt \end{eqnarray*}

wは各周波数、tは時間、eはネイピア数です。
F(w)は複素正弦波e^{-jwt}の和となります。
ここで\vert F(w)\vert\angle F(w)\vert F(w)\vert^2 をそれぞれ,f(t) の振幅スペクトル,位相スペクトル,パワースペクトルといいます。

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