電力[W]・電力量[Ws, Wh]・熱量[J]とは?違いと変換のための計算式についてまとめました。
【はじめに】電力・電力量・熱量とは
【電験三種・第二種電気工事士】
電力・電力量・熱量の違いは次のとおりです。
種別 | 単位 | 概要 |
---|---|---|
電力 | w | 1秒あたりに使用する電気エネルギー量もしくは熱量(J)(1時間あたりの場合もあり) |
電力量 | Ws、Wh | 電力の総使用量。利用時間分だけ使用した電力。(Wsなら秒単位、Whなら時間単位) |
熱量 | J | 熱エネルギーの総量。(電力量と同じ)。1(W)=1(J/秒) |
【計算式】電力・電力量・熱量の相互変換
電力
電圧E[V]、電流I[A]のとき、電力W[W]の計算式は次のとおりです。
(1)
電力量
電力の利用時間がt[s]のとき、電力量Pの計算式は次のようになります。
(2)
つまり、電力量は「利用時間分だけ消費した電力」を表しています。
実際には、秒単位だと扱いにくいので、単位はWh(時間単位)が用いられています。
熱量
熱量[J]と電力量[Ws]は等しくなります。
ただし、電力量の単位がWhの場合は、1時間=3600[秒]なので3600倍になる点に注意しましょう。
(3)
【計算例】発熱量[J]と消費電力[W]の相互変換
【問題1】
消費電力が400Wの電熱器を、1時間20分使用した時の発熱量[kJ]はいくらか。
【解答1】
① 使用時間は1時間20分=4800秒
② 発熱量[kJ]=Wt=400・4800=1920000[J]=1920[KJ]
【問題2】
電熱器により、60kgの水の温度を20K上昇させるのに必要な電力量[kW・h]は。
ただし、水の比熱は4.2kJ/(kg・K)とし、熱効率は100%とする。
【解答2】
60kgの水を20K(=℃)上昇させるために必要な熱量は以下の式で求められます。
熱量=質量×上昇温度×比熱=60×20×4.2=5040 [kJ]
1[J]=1[W・s]より、5040 [kJ] = 5040[kw・s]
求められているのは電力量[kW・h]なので、1[J]=1[W・s]=1/3600[W・h]より
電力量[kW・h]=5040/3600=1.4 [kW・h]
が正解となります。
【詳細】消費電力、力率、有効・無効・皮相電力など
記事リンク | 概要 |
---|---|
消費電力 | 消費電力の意味、計算方法について解説します。 |
力率 | 力率の意味、計算方法について解説します。 |
有効・無効・皮相電力 | 「有効電力」「無効電力」「皮相電力」の意味、計算方法について解説します。 |
電力・電力量・熱量 | 電力・電力量・熱量の違いについて解説します。 |
三相負荷と電流 | 三相負荷と電流の関係について解説します。 |

【電気・電子回路入門】基礎・アルゴリズム・公式集
電気・電子回路の基礎・アルゴリズム・公式集について入門者向けにまとめています。
コメント