【電験3種】法規分野の頻出項目、攻略法、例題

電験3種(法規)の試験対策・頻出ポイントについてをまとめました。

電験3種 法規の対策・頻出ポイント

電験3種の「法規」分野では、電気保安4法である「電気事業法」「電気工事士法」「電気工事業法」「電気用品安全法」と、「電気設備に関する技術基準を定める省令(電技)」「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(風技)」「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(太技)」が出題されます。
電気保安4法より電技は条数がダントツで多く、出題傾向もバラツキが大きいため、まずは電気保安4法を優先して抑えるのがおすすめです。

電気事業法

電気事業法とは、「電気事業」「電気工作物」の保安の確保について定められている法律です。
また、この法律に基づき制定されている政令、省令に従う義務があります(技術基準適合)。

電技等の省令で要求されている技術基準に適合させるための具体的な方法の例として、電技解釈等の解釈があります。解釈は義務ではないため、会社に記載された要件を満足させる義務はありません。
しかし、電技解釈の要件を満たさない場合、その代わりに技術基準適合を満足させるための手段を講じ、必要に応じてそれを説明する必要があります。
つまり、電技解釈に記載されている要求事項を満足させることは、技術基準に適合するものと判断されるため、設計上の免責範囲が設定され設計者を保護する役割をもつため、 「電技解釈への適合は義務ではないので守らないほうが良い」 というものではありません。

電気事業法の法体系を整理すると以下のとおりです(上にあるほど上位)。

分類 関係法令等
法律 国会の議決で制定。
電気事業法
政令(施行令) 法律を実施するために内閣が制定するもの(憲法73条6号)。法律から委任された事項について定められ、国民の権利の制限、義務、処罰を与えることが可能となる(同号、内閣法11条)。
電気事業法施行令
省令(施行規則) 各省の大臣が担当する行政事務について、法律・命令を施行するため、又は法律・政令の委任に基づいて定めるルール(国家行政組織法12条)。政令と同じく、国民の権利の制限、義務、処罰を与えることが可能となる(同号、内閣法11条)。
電気事業法施行規則電気関係報告規則発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(大技)、発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(風技)、発電用水力設備に関する技術基準を定める省令(水技) など
告示・訓令・通達 告示とは、「各省大臣や委員会と庁の長官が、指定・決定などの処分などの事項について、一般に公に知らせること」です。訓令・通達とは、「上級官庁が下級官庁や職員に対して命じ、又は示すこと」です。いずれも国民に対して効力はもたず、国民の権利の制限、義務、処罰を与えることはできません。ただし、法令を解釈(具体的にどのようにすれば、法律違反とならないのか)するための参考になります。(国家行政組織法14条)。
電気事業法の解説、電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)、発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈(大技解釈)、発電用水力設備の技術基準の解釈について(水技解釈)、電気設備の技術基準の解釈の解説、発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説、小型告示、主要電気工作物を構成する設備を定める告示 など

上記のうち、法律・政令・省令については電気事業法等(経済産業省HP)、告示・訓令・通達については電気事業法 告示・内規等(経済産業省HP)で条文が公開されています。
電気事業法の攻略ポイントは以下に掲載しています。

条項 概要
1〜2条(法の目的・定義) 電気事業法の目的、事業種別(小売電気事業、一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業、発電事業)について
26条(電圧及び周波数) 一般送配電事業者は、法26条及び施行規則38条で、需要家の低圧100Vは「101Vの上下6Vを超えない値」、低圧200Vは202Vの上下20Vを超えない値に電圧を維持するよう務める必要があるとされています。
34条の2(電気の使用制限等) 電気の使用制限等
38条(電気工作物の定義) 一般用電気工作物・自家用電気工作物・電気事業の要に供する電気工作物の違い
39-41条(技術基準への適合) 法39条では、事業用電気工作物(自家用電気工作物、電気事業用工作物)は規模が大きいため、 以下の条項により主任技術者の保安監督のもと、技術基準へ適合するように「維持すること」が求められます。規模が小さい一般用電気工作物も技術基準への適合が必要ですが、それを「維持すること」までは規程されていません。
42条(保安規程) 事業用電気工作物(自家用と電気事業用)は、保安規程を定めて届出する必要があります。変更時も届出が必要です。
43条(主任技術者) 主任技術者の自社選任、外部選任、許可選任、兼任、統括、外部委託(保安法人、管理技術者)の違いについて理解が必要です。
46条(環境影響評価に関する特例) 環境影響評価に関する特例。規制を受ける風力発電所は1万kW以上(第一種事業)0.75万kW以上1万kW未満(第二種事業)。太陽電池発電所は4万kW以上(第一種事業)3万kW以上4kW未満(第二種事業)
47-48条(工事計画許可申請、工事計画届出) 工事計画許可申請、工事計画届出
50条(使用前自主検査) 工事計画届出の対象となる工事は、工事完了後に使用前自主検査(工事計画どおりに施工されたかの設置者が自主的に行う検査)を実施します。
51条(使用前安全管理審査) 工事計画届出の対象となる工事は、工事完了後に使用前自主検査を実施したあと、使用前安全管理審査(設置者が実施た使用前自主検査の体制を産業保安監督部が審査)を受審します。
51条の2(使用前自己確認) 使用前自己確認
53条(使用開始届出) 工事計画許可申請・届出の対象となる自家用電気工作物(特高設備など)を他から譲り受けたり、借り受けて使用した後に届出が必要となります。
55条(定期安全管理検査) 定期安全管理検査
57条(調査の義務) 調査
61-63条(植物の伐採又は移植・損失補償) 植物の伐採又は移植・損失補償
106条(報告の徴収) 事故報告、出力変更、廃止報告、電気関係報告規則
107-108条(立入検査、機構に対する命令) 立入検査、機構に対する命令
注目のトピック PPA

電電気設備に関する技術基準を定める省令

条項 概要
1条(用語の定義) 用語(開閉所、変電所など)の定義、法令の位置づけ
2条(電圧の種別等) 特別高圧、高圧、低圧の区分
5条(電路の絶縁) 電路や電気機械器具を大地から絶縁する必要について記載されています(解釈13、15、16条)。
電技6~8条(電線等の断線の防止、電線の接続、電気機械器具の熱的強度) 電線等の断線の防止、電線の接続、電気機械器具の熱的強度(解釈12条)
9条(高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止) 高圧又は特別高圧の電気機械器具について、「接触による感電防止」や「アークによる火災防止」のための工事方法(離隔距離、柵、接地など)について記載(解釈21、38条)
10~13条(電気設備の接地、電気設備の接地の方法、特別高圧電路等と結合する変圧器等の火災等の防止、特別高圧を直接低圧に変成する変圧器の施設制限) A~D種接地の種類と使い方、B種接地による混触防止対策などが記載されている。
14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策) 過電流遮断器(配線用遮断器・ヒューズ)の設置について記載されている。
15条(地絡に対する保護対策) 地絡事故防止のための地絡遮断器の敷設が規定されています。
15条の2(サイバーセキュリティの確保) 電気事業用の電気設備の運転に使用する電子計算機(コンピュータ)が対象
16~17条(電気設備の電気的、磁気的障害の防止) 電気設備の電気的・磁気的障害の防止、高周波利用設備への障害の防止
18条(電気設備による供給支障の防止) 電気設備による供給支障の防止
19条(公害等の防止) 「10項の変圧器の絶縁油(冷却用のもので、地絡電流などによるアーク放電で変圧器の容器が破損すると漏洩して環境汚損につながる恐れがある)の漏洩防止」「14項のPCB(ポリ塩化ビフェニル)の使用禁止」については特に重要。
20~27条(感電、火災等の防止) 電線路等の感電又は火災の防止、架空電線及び地中電線の感電の防止、低圧電線路の絶縁性能、発電所等への取扱者以外の者の立入の防止、架空電線路の支持物の昇塔防止、架空電線等の高さ、架空電線による他人の電線等の作業者への感電の防止、架空電線路からの静電誘導作用又は電磁誘導作用による感電の防止、電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止
28-32条(電線の混触の防止、他の工作物等への危険の防止、異常電圧による架空電線等への障害の防止、支持物の倒壊の防止) 他の電線、他の工作物等への危険の防止」「支持物の倒壊による危険の防止」について記載されている。
33~35条(高圧ガス等による危険の防止) ガス絶縁機器等の危険の防止、加圧装置の施設、水素冷却式発電機等の施設について記載されています。
36-41条(危険な施設の禁止) 油入開閉器等の施設制限、屋内電線路等の施設の禁止、連接引込線の禁止、電線路のがけへの施設の禁止、特別高圧架空電線路の市街地等における施設の禁止、市街地に施設する電力保安通信線の特別高圧電線に添架する電力保安通信線との接続の禁止について記載されています。
42-43条(通信障害の防止、地球磁気観測所等に対する障害の防止) 通信障害の防止、地球磁気観測所等に対する障害の防止
44-51条(供給支障の防止) 発変電設備等の損傷による供給支障の防止、発電機等の機械的強度、常時監視をしない発電所等の施設、地中電線路の保護、特別高圧架空電線路の供給支障の防止、高圧及び特別高圧の電路の避雷器等の施設、電力保安通信設備の施設、災害時における通信の確保
52-55条(電気鉄道に電気を供給するための電気設備の施設) 電車線路の施設制限、架空絶縁帰線等の施設、電食作用による障害の防止、電圧不平衡による障害の防止
56-61条(感電、火災等の防止) 配線の感電又は火災の防止、配線の使用電線、低圧の電路の絶縁性能、電気使用場所に施設する電気機械器具の感電、火災等の防止、特別高圧の電気集じん応用装置等の施設の禁止、非常用予備電源の施設
62条(他の配線、他の工作物等への危険の防止) 低圧配線と弱電流電線等又は管との接近又は交差(解釈167条)
63-66条(異常時の保護対策) 過電流からの低圧幹線等の保護措置、地絡に対する保護措置、電動機の過負荷保護、異常時における高圧の移動電線及び接触電線における電路の遮断
68-73条(特殊場所における施設制限) 粉じんにより絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設、可燃性のガス等により爆発する危険のある場所における施設の禁止、腐食性のガス等により絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設、火薬庫内における電気設備の施設の禁止、特別高圧の電気設備の施設の禁止、接触電線の危険場所への施設の禁止
74-78条(特殊機器の施設) 電気さくの施設の禁止、電撃殺虫器・エックス線発生装置の施設場所の禁止、パイプライン等の電熱装置の施設の禁止、電気浴器・銀イオン殺菌装置の施設、電気防食施設の施設
風圧荷重 電柱の「電線の張力」「支線の張力」「風圧荷重」の計算問題が出題されます
絶縁耐力試験 高圧機器に対して絶縁耐力試験を行う際の「最大使用電圧」や「試験電圧」の計算問題
絶縁電線の許容電流 絶縁電線の種類、敷設方法、周囲温度によって定まる許容電流の計算問題
送電線の電圧降下 送電線の抵抗により生じる電圧降下の計算問題
三相短絡電流 %Zと三相短絡電流の計算問題
B種接地抵抗値、1線地絡電流 1線地絡電流とB種接地抵抗値の計算問題
漏洩電流の許容最大値 漏洩電流の許容最大値の計算問題
高圧ケーブルのA種接地 高圧ケーブルの金属遮蔽層(遮蔽銅テープ)をA種接地し、ZCTにA種接地線を通す理由など
PASと方向性SOG制御装置 PASと方向性SOG制御装置
負荷曲線、変圧器の損失、水力発電所
高圧受電設備

【その他】太技省令、風技省令、水技省令、電気工事士法、電気用品安全法

項目 概要
発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(風技) 風力発電設備の技術基準を定めた省令。
発電用水力設備に関する技術基準を定める省令(水技) 水力発電設備の技術基準を定めた省令(電験3種の出題範囲外だが、参考として紹介)。
発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(太技) 太陽電池発電設備の技術基準を定めた省令。良くも悪くも、最近話題になっているので今後出題が増えそう。
電気工事士法 電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め、もつて電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とした法令。
電気用品安全法 電気用品による危険及び障害の発生の防止を目的とする法律です。約450品目の電気用品を対象として、製造、販売等を規制し、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進する枠組みとなっています。
電気工事業法 電気工事業を営む者の登録、規制を行い電気保安を確保することを目的とした法令。
【電験3種とは】出題範囲と対策まとめ
電験三種とは?出題範囲と対策まとめについてまとめました。

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