【電験3種】法規「電気事業法」の出題範囲と攻略ポイント

電験3種の法規「電気事業法」の出題範囲とポイントについてまとめました。

【電気事業法1・2条】電気事業法の目的

電気事業法とは、「電気事業」「電気工作物」の保安の確保について定められている法律です。
他の関係法令等との違いを整理すると以下のとおり。

分類 概要
法律 電気事業法
政令 電気事業法施行令
省令 電気事業法施行規則電気関係報告規則発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(大技)、発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(風技)
解釈 電気設備の技術基準の解釈発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈
解説 電気設備の技術基準の解釈の解説発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説

法律、政令、省令に従う義務があります。電技解釈等の解釈は、 電技等の省令で要求されている技術基準に適合させるための方法の1つを記載しているというものであるため、 必ず解釈に記載された要件を満足させる義務はありません。
しかし、電技解釈の要件を満たさない場合、その代わりに技術基準適合を満足させるための手段を講じ、必要に応じてそれを説明する必要があります。
ただし、電技解釈に記載されている要求事項を満足させることは、技術基準に適合するものと判断されるため、設計上の免責範囲が設定され設計者を保護する役割をもったものであり、 「電技解釈への適合は義務ではないので守らないほうが良い」 というものではありません。

また、経済産業省から「電気事業法の解説」という各条文について解説された書籍が無料で公開されています。
電気事業法の目的は、第一条に記載されています。

第1条 この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。

(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(省略)
18 電気工作物 発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)をいう。
(省略)

この「電気工作物」とは、発電、送電、配電等で使用される電気の使用のために設置する電気設備のことです。 次の①②については電気工作物には該当しませんので電気事業法の適用外となります(①②に該当しない電気設備が電気工作物となります).

電気工作物でない物① 人が加工したものを工作物というため、天然の川などをそのまま用いて発電している場合は電気工作物とはなりません(人工のダムなどを建築して発電していれば電気工作物です)。
電気工作物でない物② ・電車、船舶、自動車、航空機・・・他の法律で規制されるため対象外
・電圧30V未満の電気的設備(※電圧30V以上の回路と接続されている場合を除く)・・・危険性が低いため
電気工作物でない物③ 工場の製造用機械(加工機など)や、一般家庭の家電(冷蔵庫など)は「電気の使用のために設置する」ではなく「電気を使用する」物ですので、電気工作物には該当しません。一般家庭だと受電設備からコンセントまでが電気工作物となります。

ただし, ①②には例外があります. 根拠法令と併せて詳細を以下ページで紹介します.

【電気工作物とは】該当するもの, しないものについて
電気事業法で定義されている電気工作物とは?該当するもの, しないものについて例外と注意事項をまとめました。

[H26:問1]
電気事業法施行規則1条で定義があります。

(定義)
第1条 この省令において使用する用語は、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号。以下「法」という。)、電気事業法施行令(昭和四十年政令第二百六号。以下「令」という。)及び電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号)において使用する用語の例による。
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 「変電所」とは、構内以外の場所から伝送される電気を変成し、これを構内以外の場所に伝送するため、又は構内以外の場所から伝送される電圧十万ボルト以上の電気を変成するために設置する変圧器その他の電気工作物の総合体をいう。
二 「送電線路」とは、発電所相互間変電所相互間又は発電所と変電所との間の電線路(専ら通信の用に供するものを除く。以下同じ。)及びこれに附属する開閉所その他の電気工作物をいう。
三 「配電線路」とは、発電所変電所若しくは送電線路需要設備との間又は需要設備相互間電線路及びこれに附属する開閉所その他の電気工作物をいう。

事業の種別(小売電気事業、一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業、発電事業)の違いは以下のとおり。

種別 概要
小売電気事業(登録制) 一般の需要に応じて電気を小売(需要家への説明義務供給力確保義務を負う)。料金プランの説明や電気代徴収を行う。
一般送配電事業(許可制) 発電事業者から受電した電気を小売電気事業者等へ供給(離島供給最終保証供給の義務を負う)※関電や東電など10者で、送配電線の整備・保守を実施
送電事業(許可制) 一般送配電事業者に電気の振替供給を行う
特定送配電事業(届出制) 特定の供給地点での需要に応じて電気を供給(鉄道会社、大規模工場の送配電部門など)
発電事業(届出制) 発電した電気を小売電気事業者に供給(発電所建設や燃料調達などを行う)

※登録、許可、届出はすべて経済産業大臣に対して行う
※一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業をまとめて送配電事業という
※各用語の意味は以下のように定義されています。

【電験3種】小売電気事業、一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業、発電事業の違い
電験3種における電気事業法で出題される小売電気事業、一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業、発電事業の違いについてまとめました。

「届出」「登録」「許可」は「役所の審査や確認の厳しさ」に違いがあります。
結論からいうと、許可、登録、届出の順に手続きの過程が厳しくなります。

種別 概要
届出 必要事項を記載した書類を提出することで手続きが完了となる。
登録 必要事項を記載した書類を提出し、その内容を役所が帳簿に記録することで、手続きが完了となります。
許可 必要事項を記載した書類を提出し、その申請内容を役所が審査して認めたとき、手続きが完了となる。
【法律用語】役所手続きにおける「届出・登録・許可」の違いについて
役所手続きにおける「届出・登録・許可」の違いについてまとめました。

【電気事業法34条の2】電気の使用制限等

[H24:問1]

(第六款 電気の使用制限等)
電気事業法34条の2 経済産業大臣は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、使用電力量の限度、使用最大電力の限度、用途若しくは使用を停止すべき日時を定めて、小売電気事業者、一般送配電事業者若しくは登録特定送配電事業者(以下この条において「小売電気事業者等」という。)から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等の供給する電気の使用を制限すべきこと又は受電電力の容量の限度を定めて、小売電気事業者等から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等からの受電を制限すべきことを命じ、又は勧告することができる。
2 経済産業大臣は、前項の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、小売電気事業者等から電気の供給を受ける者に対し、小売電気事業者等が供給する電気の使用の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

【電気事業法38条】電気工作物の種別(一般用電気工作物・事業用電気工作物)

電気事業法第38条より、冒頭に登場する電気工作物は大別して「一般用電気工作物」「事業用電気工作物」があります。

種別 概要
一般用電気工作物 低圧受電設備(600V以下かつ、受電のための電線路以外の電線路によって構外の電気工作物と電気的に接続されていないもの)
※住宅、小規模店舗の受電設備など
事業用電気工作物 高圧受電設備(600V超え、もしくはある条件を満たす600V以下の受電設備)。さらに「自家用電気工作物」と「電気事業用電気工作物」にわかれる。
※工場、ビル、発電所の受電設備など

【H30:問1】

第38条 この法律において「一般用電気工作物」とは、次に掲げる電気工作物をいう。ただし、小出力発電設備(経済産業省令で定める電圧以下の電気の発電用の電気工作物であつて、経済産業省令で定めるものをいう。以下この項、第百六条第七項及び第百七条第五項において同じ。)以外の発電用の電気工作物と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。以下同じ。)に設置するもの又は爆発性若しくは引火性の物が存在するため電気工作物による事故が発生するおそれが多い場所であつて、経済産業省令で定めるものに設置するものを除く。
一 他の者から経済産業省令で定める電圧以下の電圧で受電し、その受電の場所と同一の構内においてその受電に係る電気を使用するための電気工作物(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して設置する小出力発電設備を含む。)であつて、その受電のための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
二 構内に設置する小出力発電設備(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して設置する電気を使用するための電気工作物を含む。)であつて、その発電に係る電気を前号の経済産業省令で定める電圧以下の電圧で他の者がその構内において受電するための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
三 前二号に掲げるものに準ずるものとして経済産業省令で定めるもの
2 この法律において「事業用電気工作物」とは、一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
3 この法律において「自家用電気工作物」とは、次に掲げる事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
一 一般送配電事業
二 送電事業
三 特定送配電事業
四 発電事業であつて、その事業の用に供する発電用の電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの

低圧受電でも事業用扱いとなるもの

ただし、低圧受電設備(600V以下)のうち次の条件のいずれかを満たす場合、「事業用電気工作物」扱いとなります。

「事業用電気工作物」扱いとなる条件
1 構外にある電気工作物と電気的に接続される場合(受電用は除く)
2 構内の発電設備が「小出力発電設備以外の発電設備」である場合(例えば、高出力60kWの太陽電池発電設備を同一構内に施設した場合、一般用電気工作物とならない)
3 爆発性 or 引火性のもの(火薬類など)がある場合
※工場やビルなどの大規模設備に多い

※高圧受電するものは、受電電力の容量、需要場所の業種にかかわらず、すべて事業用電気工作物となります。

小出力発電設備とは、以下のものです。

種別 出力
太陽電池発電設備 50kW未満
風力発電設備、水力発電設備 20kW未満
内燃力発電設備、燃料電池発電設備、スターリングエンジン発電設備 10kW未満

※発電電圧600V以下
設備の合計出力が50kW以上となる場合を除く(例えば太陽電池発電設備40kW、風力発電設備が10kWが2つとも同じ構内にあった場合、合計50kW以上となるため小出力発電設備扱いとならない)

事業用電気工作物の種別

事業用電気工作物はさらに「自家用電気工作物」「電気事業用電気工作物」に分けられます。

種別 概要
自家用電気工作物 需要家の高圧受電設備(600V超えの受電設備)
※工場、ビルの受電設備など
電気事業の用に供する電気工作物 電気事業用の受電設備
※発電所、変電所、送電線設備、電力用保安通信設備など電気事業者が電気の供給を行うために設置される電気工作物
【電気事業法38条】電気工作物の種類
電気事業法とは?電気工作物の種類についてまとめました。

【電気事業法39-41条】技術基準への適合

【H29:問1】
事業用電気工作物は規模が大きいため、 以下の条項により技術基準への適合が要求されます。

(事業用電気工作物の維持)
第39条 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
2 前項の主務省令は、次に掲げるところによらなければならない。
一 事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。
二 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。
三 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
四 事業用電気工作物が一般送配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。

(技術基準適合命令)
第40条 主務大臣は、事業用電気工作物が前条第一項の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。

(費用の負担等)
第41条 事業用電気工作物が他の者の電気的設備その他の物件の設置(政令で定めるものを除く。)により第39条第一項の主務省令で定める技術基準に適合しないこととなつたときは、その技術基準に適合するようにするため必要な措置又はその措置に要する費用の負担の方法は、当事者間の協議により定める。ただし、その費用の負担の方法については、政令で定める場合は、政令で定めるところによる。
2 第二十五条第二項本文及び第三項から第五項まで並びに第三十三条の規定は、前項の協議をすることができず、又は協議が調わない場合に準用する。この場合において、第二十五条第二項本文、第三項及び第四項中「経済産業大臣」とあるのは、「主務大臣」と読み替えるものとする。
3 主務大臣は、前項において準用する第二十五条第二項本文の裁定をしようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ関係大臣に協議しなければならない。

【電気事業法42-45条】自主的な保安(保安規程、主任技術者の選解任、保安管理業務外部委託承認制度、兼任制度など)

保安規程

(保安規程)
第42条 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、主務省令で定めるところにより、保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに保安規程を定め、当該組織における事業用電気工作物の使用(第五十一条第一項の自主検査又は第五十二条第一項の事業者検査を伴うものにあつては、その工事)の開始前に、主務大臣に届け出なければならない。
2 事業用電気工作物を設置する者は、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を主務大臣に届け出なければならない。
3 主務大臣は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため必要があると認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、保安規程を変更すべきことを命ずることができる。
4 事業用電気工作物を設置する者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない

事業用電気工作物の設置者は保安規程(安全ルール)を定め、使用開始前に主務大臣に届け出る必要があります。保安規程を変更したときは、遅滞なく主務大臣に届け出る必要があります(規程に問題があれば変更を命じられることもあります)。
当然、事業用電気工作物の設置者と従業員は保安規程を守って業務を行う必要があります。

(主務大臣等)
第113条の2 この法律(第六十五条第三項及び第五項を除く。)における主務大臣は、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める大臣又は委員会とする。
一 原子力発電工作物に関する事項 原子力規制委員会及び経済産業大臣
二 前号に掲げる事項以外の事項 経済産業大臣

※主務大臣とは、経済産業大臣を指します。

[H28:問10]
電気事業法施行規則50条3項で、保安規程に定めるべきことが記載されています。

【電気事業法施行規則】

(保安規程)
第50条 法第四十二条第一項の保安規程は、次の各号に掲げる事業用電気工作物の種類ごとに定めるものとする。
(略)
3 第一項第二号に掲げる事業用電気工作物を設置する者は、法第四十二条第一項の保安規程において、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。ただし、鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)、鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)、軌道法(大正十年法律第七十六号)又は鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)が適用され又は準用される自家用電気工作物については発電所、変電所及び送電線路に係る次の事項について定めることをもって足りる。
一 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。
二 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者に対する保安教育に関すること。
三 事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための巡視、点検及び検査に関すること。
四 事業用電気工作物の運転又は操作に関すること。
五 発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。
六 災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること。
七 事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安についての記録に関すること。
八 事業用電気工作物(使用前自主検査、溶接事業者検査若しくは定期事業者検査(以下「法定事業者検査」と総称する。)又は法第五十一条の二第一項若しくは第二項の確認(以下「使用前自己確認」という。)を実施するものに限る。)の法定事業者検査又は使用前自己確認に係る実施体制及び記録の保存に関すること。
九 その他事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安に関し必要な事項

電気事業法43条と、電気事業法施行規則第56条で第三種電気主任技術者の免状をもつ者について記載されています。

主任技術者の選解任

(主任技術者)
第43条 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。
2 自家用電気工作物を設置する者は、前項の規定にかかわらず、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者として選任することができる。
3 事業用電気工作物を設置する者は、主任技術者を選任したとき(前項の許可を受けて選任した場合を除く。)は、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
4 主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。
5 事業用電気工作物の工事、維持
又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。

【電気事業法施行規則】

(免状の種類による監督の範囲)
第56条
法第44条第5項の経済産業省令で定める事業用電気工作物の工事、維持及び運用の範囲は、次の表の上欄に掲げる主任技術者免状の種類に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。

主任技術者免状の種類 保安の監督をすることができる範囲
(省略) (省略)
三 第三種電気主任技術者免状 電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5000kW以上の発電所を除く。)の工事、維持及び運用(四又は六に掲げるものを除く。)
(省略) (省略)

【基本】
①原則として、事業用電気工作物を設置する者は、主任技術者の免状をもつ者の中から、主任技術者を選任し、遅滞なく届け出する
②2つ以上の設備や事業場を兼任させるのは駄目(例外あり)

【一定条件の自家用発電工作物を設置する場合の例外】
主務大臣の許可を得ることができれば、主任技術者の免状をもたない者を選任できる
(資格の条件例)第一種電気工事士
(対象の条件例)最大電力500kW未満の需要設備
②「保安管理業務外部委託承認制度」を利用すれば、電気保安協会などに主任技術者の業務を委託できる(選任せずに済む)

工事・維持及び運用保安上支障がないと認められる場合の例外】
経済産業大臣(または産業保安監督部長)の承認を受ければ、兼任できる

保安管理業務外部委託承認制度

[H28:問1]
保安管理業務外部委託承認制度により、一定の要件を満たし、所轄産業保安監督部長の承認を受けた場合は主任技術者の選任をしないことができます。
その要件は以下のとおりです。

<電気事業法施行規則>
電気事業法施行規則第52条
2 次の各号のいずれかに掲げる自家用電気工作物に係る当該各号に定める事業場のうち、当該自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務(以下「保安管理業務」という。)を委託する契約(以下「委託契約」という。)が次条に規定する要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障がないものとして経済産業大臣(事業場が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する産業保安監督部長。次項並びに第53条第一項、第2項及び第五項において同じ。)の承認を受けたもの並びに発電所、変電所及び送電線路以外の自家用電気工作物であって鉱山保安法が適用されるもののみに係る前項の表第三号又は第六号の事業場については、同項の規定にかかわらず、電気主任技術者を選任しないことができる。

一 出力5000kW未満の太陽電池発電所であって電圧7000V以下で連系等をするもの 前項の表第六号の事業場 ★2021年度から変わったので要注意
二 出力2000kW未満の発電所水力発電所、火力発電所、及び風力発電所に限る。)であって電圧7000V以下で連系等をするもの
三 出力1000kW未満の発電所前号に掲げるものを除く。)であって電圧7000V以下で連系等をするもの
四 電圧7000V以下で受電する需要設備
五 電圧600V以下の配電線路 当該配電線路を管理する事業場 ★配電線路だけは低圧帯(600V以下)なので要注意

【電験3種】主任技術者の選任・不選任(保安管理業務外部委託承認制度、兼任電気主任技術者など制度)
電験3種における電気事業法で出題される主任技術者の選任・保安管理業務外部委託承認制度についてまとめました。

【電気事業法46条】環境影響評価に関する特例

【H29:問10】

(事業用電気工作物に係る環境影響評価)
第46条の2 事業用電気工作物の設置又は変更の工事であつて環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)第二条第二項に規定する第一種事業又は同条第三項に規定する第二種事業に該当するものに係る同条第一項に規定する環境影響評価(以下「環境影響評価」という。)その他の手続については、同法及びこの款の定めるところによる。

環境影響評価法施行令(別表第1の5)で、対象事業(第1種事業、第2種事業)の範囲は以下のように定められています。

事業の種類 第1種事業 第2種事業
水力発電所 3万kW以上
2.25 万 kW 以上3万 kW 未満(大規模ダムの新築、大規模堰の新築、大規模堰の改築のいずれかが伴う場合)
2.25万kW以上3万kW未満(左記以外)
火力発電所 15万kW以上 11.25万kW以上15万kW未満
地熱発電所 1万kW以上 0.75万kW以上1万kW未満
原子力発電所 すべて
風力発電所 1万kW以上 0.75万kW以上1万kW未満
太陽電池発電所 4万kW以上 3万kW以上4kW未満

【電気事業法47-54条】工事計画及び検査

(工事計画)
第47条 事業用電気工作物の設置又は変更の工事であつて、公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものをしようとする者は、その工事の計画について主務大臣の認可を受けなければならない。ただし、事業用電気工作物が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。
2 前項の認可を受けた者は、その認可を受けた工事の計画を変更しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。ただし、その変更が主務省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
3 主務大臣は、前二項の認可の申請に係る工事の計画が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、前二項の認可をしなければならない。
一 その事業用電気工作物が第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合しないものでないこと。
二 事業用電気工作物が一般送配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物が電気の円滑な供給を確保するため技術上適切なものであること。
三 特定対象事業に係るものにあつては、その特定対象事業に係る第四十六条の十七第二項の規定による通知に係る評価書に従つているものであること。
四 環境影響評価法第二条第三項に規定する第二種事業(特定対象事業を除く。)に係るものにあつては、同法第四条第三項第二号(同条第四項及び同法第二十九条第二項において準用する場合を含む。)の措置がとられたものであること。
4 事業用電気工作物を設置する者は、第一項ただし書の場合は、工事の開始の後、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
5 第一項の認可を受けた者は、第二項ただし書の場合は、その工事の計画を変更した後、遅滞なく、その変更した工事の計画を主務大臣に届け出なければならない。ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。

第48条 事業用電気工作物の設置又は変更の工事(前条第一項の主務省令で定めるものを除く。)であつて、主務省令で定めるものをしようとする者は、その工事の計画を主務大臣に届け出なければならない。その工事の計画の変更(主務省令で定める軽微なものを除く。)をしようとするときも、同様とする。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、その届出に係る工事を開始してはならない。
3 主務大臣は、第一項の規定による届出のあつた工事の計画が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
一 前条第三項各号に掲げる要件
二 水力を原動力とする発電用の事業用電気工作物に係るものにあつては、その事業用電気工作物が発電水力の有効な利用を確保するため技術上適切なものであること。
4 主務大臣は、第一項の規定による届出のあつた工事の計画が前項各号のいずれかに適合していないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出を受理した日から三十日(次項の規定により第二項に規定する期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)以内に限り、その工事の計画を変更し、又は廃止すべきことを命ずることができる。
5 主務大臣は、第一項の規定による届出のあつた工事の計画が第三項各号に適合するかどうかについて審査するため相当の期間を要し、当該審査が第二項に規定する期間内に終了しないと認める相当の理由があるときは、当該期間を相当と認める期間に延長することができる。この場合において、主務大臣は、当該届出をした者に対し、遅滞なく、当該延長後の期間及び当該延長の理由を通知しなければならない。

(使用前検査)
第49条 第四十七条第一項若しくは第二項の認可を受けて設置若しくは変更の工事をする事業用電気工作物又は前条第一項の規定による届出をして設置若しくは変更の工事をする事業用電気工作物(その工事の計画について、同条第四項の規定による命令があつた場合において同条第一項の規定による届出をしていないものを除く。)であつて、公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるもの(第百十二条の三第三項において「特定事業用電気工作物」という。)は、その工事について主務省令で定めるところにより主務大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の検査においては、その事業用電気工作物が次の各号のいずれにも適合しているときは、合格とする。
一 その工事が第四十七条第一項若しくは第二項の認可を受けた工事の計画(同項ただし書の主務省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)又は前条第一項の規定による届出をした工事の計画(同項後段の主務省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
二 第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合しないものでないこと。

第50条 主務大臣は、前条第一項に規定する事業用電気工作物について同項の検査を行つた場合においてやむを得ない必要があると認めるときは、期間及び使用の方法を定めて、その事業用電気工作物を仮合格とすることができる。
2 前項の規定により仮合格とされた事業用電気工作物は、前条第一項の規定にかかわらず、前項の規定により定められた期間内は、同項の規定により定められた方法により使用することを妨げない。

(使用前安全管理検査)
第51条 第48条第一項の規定による届出をして設置又は変更の工事をする事業用電気工作物(その工事の計画について同条第四項の規定による命令があつた場合において同条第一項の規定による届出をしていないもの及び第四十九条第一項の主務省令で定めるものを除く。)であつて、主務省令で定めるものを設置する者は、主務省令で定めるところにより、その使用の開始前に、当該事業用電気工作物について自主検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。
2 前項の検査(以下「使用前自主検査」という。)においては、その事業用電気工作物が次の各号のいずれにも適合していることを確認しなければならない。
一 その工事が第四十八条第一項の規定による届出をした工事の計画(同項後段の主務省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
二 第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合するものであること。
3 使用前自主検査を行う事業用電気工作物を設置する者は、使用前自主検査の実施に係る体制について、主務省令で定める時期(第七項の通知を受けている場合にあつては、当該通知に係る使用前自主検査の過去の評定の結果に応じ、主務省令で定める時期)に、原子力を原動力とする発電用の事業用電気工作物以外の事業用電気工作物であつて経済産業省令で定めるものを設置する者にあつては経済産業大臣の登録を受けた者が、その他の者にあつては主務大臣が行う審査を受けなければならない。
4 前項の審査は、事業用電気工作物の安全管理を旨として、使用前自主検査の実施に係る組織、検査の方法、工程管理その他主務省令で定める事項について行う。
5 第三項の経済産業大臣の登録を受けた者は、同項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を経済産業省令で定めるところにより経済産業大臣に通知しなければならない。
6 主務大臣は、第三項の審査の結果(前項の規定により通知を受けた審査の結果を含む。)に基づき、当該事業用電気工作物を設置する者の使用前自主検査の実施に係る体制について、総合的な評定をするものとする。
7 主務大臣は、第三項の審査及び前項の評定の結果を、当該審査を受けた者に通知しなければならない。

(設置者による事業用電気工作物の自己確認)
第51条の2 事業用電気工作物であつて公共の安全の確保上重要なものとして主務省令で定めるものを設置する者は、その使用を開始しようとするときは、当該事業用電気工作物が、第39条第1項の主務省令で定める技術基準に適合することについて、主務省令で定めるところにより、自ら確認しなければならない。ただし、第47条第1項の認可(設置の工事に係るものに限る。)又は同条第四項若しくは第48条第1項の規定による届出(設置の工事に係るものに限る。)に係る事業用電気工作物を使用するとき、及び主務省令で定めるときは、この限りでない。
2 前項の規定は、同項に規定する事業用電気工作物を設置する者が当該事業用電気工作物について主務省令で定める変更をした場合であつて、当該変更をした事業用電気工作物の使用を開始しようとするときに準用する。この場合において、同項中「事業用電気工作物が」とあるのは「変更をした事業用電気工作物が」と、「設置の工事」とあるのは「変更の工事」と読み替えるものとする。
3 第一項に規定する事業用電気工作物を設置する者は、同項(前項において準用する場合を含む。)の規定による確認をした場合には、当該事業用電気工作物の使用の開始前に、主務省令で定めるところにより、その結果を主務大臣に届け出なければならない。

(溶接事業者検査)
第52条 発電用のボイラー、タービンその他の主務省令で定める機械若しくは器具である電気工作物(以下「ボイラー等」という。)であつて、主務省令で定める圧力以上の圧力を加えられる部分(以下「耐圧部分」という。)について溶接をするもの又は耐圧部分について溶接をしたボイラー等であつて輸入したものを設置する者は、その溶接について主務省令で定めるところにより、その使用の開始前に、当該電気工作物について事業者検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の検査においては、その溶接が第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合していることを確認しなければならない。

【H30:問1】
(自家用電気工作物の使用の開始)
第53条 自家用電気工作物を設置する者は、その自家用電気工作物の使用の開始の後、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。ただし、第四十七条第一項の認可又は同条第四項、第四十八条第一項若しくは第五十一条の二第三項の規定による届出に係る自家用電気工作物を使用する場合及び主務省令で定める場合は、この限りでない。

(定期検査)
第54条 特定重要電気工作物(発電用のボイラー、タービンその他の電気工作物のうち、公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものであつて、主務省令で定める圧力以上の圧力を加えられる部分があるもの並びに発電用原子炉及びその附属設備であつて主務省令で定めるものをいう。)については、これらを設置する者は、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める時期ごとに、主務大臣が行う検査を受けなければならない。ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。

(定期安全管理検査)
第55条 次の各号に掲げる電気工作物(以下この条において「特定電気工作物」という。)を設置する者は、主務省令で定めるところにより、定期に、当該特定電気工作物について事業者検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。
一 発電用のボイラー、タービンその他の主務省令で定める電気工作物であつて前条で定める圧力以上の圧力を加えられる部分があるもの
二 電気工作物のうち、屋外に設置される機械、器具その他の設備であつて主務省令で定めるもの(前号に掲げるものを除く。)
三 発電用原子炉及びその附属設備であつて主務省令で定めるもの(前二号に掲げるものを除く。)
2 前項の検査(以下「定期事業者検査」という。)においては、その特定電気工作物が第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合していることを確認しなければならない。
3 定期事業者検査を行う特定電気工作物を設置する者は、当該定期事業者検査の際、原子力を原動力とする発電用の特定電気工作物であつて主務省令で定めるものに関し、一定の期間が経過した後に第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合しなくなるおそれがある部分があると認めるときは、当該部分が同項の主務省令で定める技術基準に適合しなくなると見込まれる時期その他の主務省令で定める事項について、主務省令で定めるところにより、評価を行い、その結果を記録し、これを保存するとともに、主務省令で定める事項については、これを主務大臣に報告しなければならない。
4 定期事業者検査を行う特定電気工作物を設置する者は、定期事業者検査の実施に係る体制について、主務省令で定める時期(第六項において準用する第五十一条第七項の通知を受けている場合にあつては、当該通知に係る定期事業者検査の過去の評定の結果に応じ、主務省令で定める時期)に、原子力を原動力とする発電用の特定電気工作物以外の特定電気工作物であつて経済産業省令で定めるものを設置する者にあつては経済産業大臣の登録を受けた者が、その他の者にあつては経済産業大臣が行う審査を受けなければならない。
5 前項の審査は、特定電気工作物の安全管理を旨として、定期事業者検査の実施に係る組織、検査の方法、工程管理その他主務省令で定める事項について行う。
6 第51条第5項から第7項までの規定は、第四項の審査に準用する。この場合において、同条第五項中「第三項」とあるのは「第四項」と、同条第六項中「当該事業用電気工作物」とあるのは「当該特定電気工作物」と読み替えるものとする。

【R01:問2】
出力20kW以上の発電所の設置工事で、水力発電所、火力発電所、燃料電池発電所、太陽電池発電所、風力発電所以外のもの(公共の安全の確保上、特に重要なものとして主務省令で定めるもの)は、主務大臣の許可を受ける必要があります。

事前届出

以下の需要設備に関する設置又は変更工事は、工事の計画を主務大臣に届け出る必要があります。その届出が受理された日から30日を経過しなければ工事を開始できません。

事前届出が必要な規模 工事内容
受電電圧1万V以上の需要設備 設置
遮断器(受電電圧1万V以上の需要設備に使用) 設置、取替え、20%以上の遮断電流の変更
電力貯蓄装置(容量80000kWh以上で受電電圧1万V以上の需要設備に使用) 設置、20%以上の容量変更
遮断器・電力貯蔵装置・計器用変成器以外の機器(電圧1万V以上かつ、容量1万kVA以上または出力1万kW以上) 設置、取替え、20%以上の電圧又は容量もしくは出力の変更
【電験3種】法規・電気事業法「第48-53条の工事計画、使用前自主検査、使用前安全管理審査、使用開始後の届け出」について
電験3種における法規・電気事業法「第48-51条の工事計画、使用前自主検査、使用前安全管理審査」についてまとめました。

太陽光発電所

【H30:問2】
だだし、太陽光発電所を設置する場合は、電圧ではなく出力によって以下のように許可や届け出の有無が変わります。

出力 50kW以上500kW未満 500kW以上2000kW未満 2000kW以上、5000kW未満 5000kW以上
工事計画の届出 不要 不要 必要 必要
使用前安全管理検査 不要 不要 必要 必要
使用前自己確認結果の届出 不要 必要 不要 不要
保安規程の届出 必要 必要 必要 必要
主任技術者の選任
主任技術者の選任許可
主任技術者の兼任 ○※
主任技術者の外部委託 ○※

○:可能、☓:不可能

※2021年4月1日に「電気事業法施行令」及び「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」が改正され、出力2,000kW以上5,000kW未満で連系電圧7,000V以下の太陽電池発電所についても主任技術者の兼任及び外部委託ができるようになりました。

【電験3種】電気事業法での太陽光発電所の設置工事に関するルール
電験3種における電気事業法で出題される太陽光発電所の設置工事に関するルールについてまとめました。

【電気事業法第57条】調査の義務

電気事業法第57条の第一項及び電気事業法施行規則第96条の第一項では、「一般用電気工作物」の設置や工事が完成し場合、「電線路維持運用者」には一般用電気工作物が省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査する義務が発生することが定められています。

(調査の義務)
(調査の義務)
第57条 一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者(以下この条、次条及び第八十九条において「電線路維持運用者」という。)は、経済産業省令で定める場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、その一般用電気工作物が前条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし、その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき、その所有者又は占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでない。
2 電線路維持運用者は、前項の規定による調査の結果、一般用電気工作物が前条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、遅滞なく、その技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかつた場合に生ずべき結果をその所有者又は占有者に通知しなければならない。
3 経済産業大臣は、電線路維持運用者が第一項の規定による調査若しくは前項の規定による通知をせず、又はその調査若しくは通知の方法が適当でないときは、その電線路維持運用者に対し、その調査若しくは通知を行い、又はその調査若しくは通知の方法を改善すべきことを命ずることができる。
4 電線路維持運用者は、帳簿を備え、第一項の規定による調査及び第二項の規定による通知に関する業務に関し経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。
5 前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。

(調査業務の委託)【2021年度 法規問1出題】
第57条の2 電線路維持運用者は、経済産業大臣の登録を受けた者(以下「登録調査機関」という。)に、その電線路維持運用者が維持し、及び運用する電線路と直接に電気的に接続する一般用電気工作物について、その一般用電気工作物が第五十六条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査すること並びにその調査の結果その一般用電気工作物がその技術基準に適合していないときは、その技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかつた場合に生ずべき結果をその所有者又は占有者に通知すること(以下「調査業務」という。)を委託することができる。
2 電線路維持運用者は、前項の規定により登録調査機関に調査業務を委託したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。委託に係る契約が効力を失つたときも、同様とする。
3 前条第一項の規定は、電線路維持運用者が第一項の規定により登録調査機関に調査業務を委託しているときは、その委託に係る一般用電気工作物については、適用しない。

【電気事業法 第57条】一般用電気工作物の調査義務
「電気事業法 第57条」「電気事業法施行規則第96条」の一般用電気工作物の調査義務(電線路維持運用者に発生)についてまとめました。

【電気事業法61-63条】 植物の伐採又は移植・損失補償

(植物の伐採又は移植)
第61条 電気事業者は、植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が電気事業の用に供する電気工作物に関する測量若しくは実地調査若しくは電気事業の用に供する電線路に関する工事に支障を及ぼす場合において、やむを得ないときは、経済産業大臣の許可を受けて、その植物を伐採し、又は移植することができる。
2 電気事業者は、前項の規定により植物を伐採し、又は移植しようとするときは、あらかじめ、植物の所有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、伐採又は移植の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。
3 電気事業者は、植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼしている場合において、その障害を放置するときは、電線路を著しく損壊して電気の供給に重大な支障を生じ、又は火災その他の災害を発生して公共の安全を阻害するおそれがあると認められるときは、第一項の規定にかかわらず、経済産業大臣の許可を受けないで、その植物を伐採し、又は移植することができる。この場合においては、伐採又は移植の後、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出るとともに、植物の所有者に通知しなければならない。
4 第五十八条第三項の規定は、第一項の許可の申請があつた場合に準用する。

(損失補償)
第62条 電気事業者は、第五十八条第一項の規定により他人の土地等を一時使用し、第五十九条第一項の規定により他人の土地に立ち入り、第六十条第一項の規定により他人の土地を通行し、又は前条第一項若しくは第三項の規定により植物を伐採し、若しくは移植したことによつて損失を生じたときは、損失を受けた者に対し、通常生ずる損失を補償しなければならない。

第63条 前条の規定による損失の補償について、電気事業者と損失を受けた者との間に協議をすることができず、又は協議が調わないときは、電気事業者又は損失を受けた者は、当該土地等若しくは土地又は障害となつた植物の所在地を管轄する都道府県知事の裁定を申請することができる。
2 第二十五条第三項から第五項まで及び第三十三条の規定は、前項の裁定に準用する。この場合において、第二十五条第三項及び第四項中「経済産業大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。
3 損失の補償をすべき旨を定める裁定においては、補償金の額並びにその支払の時期及び方法を定めなければならない。

これらについては、経済産業省が公開している「電気事業法第61条に基づく植物の伐採等に関する指針」で具体的に記載されています。

【電験3種】電気事業法61-63条「植物の伐採又は移植・損失補償」の攻略ポイントと例題
電験3種(法規)における電気事業法61-63条「植物の伐採又は移植・損失補償」の攻略ポイントをまとめました。

【電気事業法106条】報告の徴収(電気関係報告規則など)

電気事業法 第106条では、以下のとおり「報告の徴収」について記載されています。

(報告の徴収)
第106条 主務大臣は、第三十九条、第四十条、第四十七条、第四十九条及び第五十条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、原子力を原動力とする発電用の電気工作物(以下「原子力発電工作物」という。)を設置する者に対し、その原子力発電工作物の保安に係る業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。
2 主務大臣は、前項の規定によるもののほか、同項の規定により原子力発電工作物を設置する者に対し報告又は資料の提出をさせた場合において、原子力発電工作物の保安を確保するため特に必要があると認めるときは、第三十九条、第四十条、第四十七条、第四十九条及び第五十条の規定の施行に必要な限度において、当該原子力発電工作物の保守点検を行つた事業者に対し、必要な事項の報告又は資料の提出をさせることができる。
3 経済産業大臣は、第一項の規定によるもののほか、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、小売電気事業者等、一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者又は発電事業者に対し、その業務又は経理の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。
4 経済産業大臣は、第二十二条の三から第二十三条の三まで又は第二十七条の十一の三から第二十七条の十一の六までの規定の施行に必要な限度において、第二十二条の三第一項に規定する特定関係事業者(小売電気事業者等、一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者及び発電事業者を除く。次項及び次条第三項において「一般送配電事業者の特定関係事業者」という。)又は第二十七条の十一の三第一項に規定する特定関係事業者(小売電気事業者等、一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者及び発電事業者を除く。次項及び次条第三項において「送電事業者の特定関係事業者」という。)に対し、必要な事項の報告又は資料の提出をさせることができる。
5 経済産業大臣は、第三項の規定により一般送配電事業者又は送電事業者に対し報告又は資料の提出をさせた場合において、電気供給事業者間の適正な競争関係を確保するため特に必要があると認めるときは、第二十三条第二項又は第二十七条の十一の四第二項の規定の施行に必要な限度において、当該一般送配電事業者の特定関係事業者等(一般送配電事業者の特定関係事業者を除く。)又は送電事業者の特定関係事業者等(送電事業者の特定関係事業者を除く。)に対し、必要な事項の報告又は資料の提出をさせることができる。
6 経済産業大臣は、第一項の規定によるもののほか、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、自家用電気工作物を設置する者、自家用電気工作物の保守点検を行つた事業者又は登録調査機関に対し、その業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。
7 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、一般用電気工作物(小出力発電設備に限る。)の所有者又は占有者に対し、必要な事項の報告又は資料の提出をさせることができる。
8 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、推進機関に対し、その業務又は経理の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。
9 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、登録安全管理審査機関に対し、その業務又は経理の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。
10 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定試験機関又は卸電力取引所に対し、その業務又は経理の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。

電気関係報告規則の3条で, 電気工作物で事故が発生したときは, 「電気事業者」or「自家用電気工作物の設置者」は管轄エリアの産業保安監督部長に報告を行う必要があると記載されています。

種別 概要
電話等での報告(24時間以内) 事故発生(感電死傷、電気火災など)を知った時から「24時間以内」可能な限り速やかに、事故の「発生日時」「場所」「事故が発生した電気工作物」「事故の概要」について、「電話」などで「産業保安監督部長」に報告する必要があります。
報告書の提出(30日以内) 事故の発生を知った日から起算して30日以内に報告書を提出する必要があります。

電気関係報告規則の5条では、発電所の出力の変更等の報告について記載されています。

[H26:問2]

(自家用電気工作物を設置する者の発電所の出力の変更等の報告)
第5条 自家用電気工作物(原子力発電工作物を除く。)を設置する者は、次の場合は、遅滞なく、その旨を当該自家用電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に報告しなければならない。
一 発電所若しくは変電所の出力又は送電線路若しくは配電線路の電圧を変更した場合(法第四十七条第一項若しくは第二項の認可を受け、又は法第四十八条第一項の規定による届出をした工事に伴い変更した場合を除く。)
二 発電所、変電所その他の自家用電気工作物を設置する事業場又は送電線路若しくは配電線路を廃止した場合

【電験3種】法規・「電気関係報告規則」での「事故報告」の攻略ポイント
電験3種試験における法規・「電気関係報告規則」での「事故報告」の攻略ポイントについてまとめました。

【電気事業法施行規則3条】密接な関係(特例需要場所)

電気事業法施行規則の一部改正(2021年4月)で、1の需要場所において、特例需要場所を1つの需要場所とみなすことになりました。
これにより、災害による被害の防止、温室効果ガス排出抑制等の環境対策、合理化のための措置、その他の電気の使用者の利益に資する措置に伴う設備は、規則第3条第3項第2号の「保安上の支障がないことが確保されていること」の要件を満たすことで、これまでは認められなかった「1需要場所・複数引込み」が可能となっています。
また、災害による被害の防止、温室効果ガス排出抑制等の環境対策のための設備は、「複数需要場所・1引込み」も一般送配電事業者との調整に応じて可能となっています。

第3条 法第二条第一項第五号ロの経済産業省令で定める密接な関係を有する者の需要は、一の需要場所ごとに次の各号のいずれかに該当するものとする。
一 生産工程における関係、資本関係、人的関係等を有する者の需要
二 取引等(前号の生産工程における関係を除く。)により一の企業に準ずる関係を有し、かつ、その関係が長期にわたり継続することが見込まれる者の需要
2 前項の「一の需要場所」とは、次の各号のいずれかに該当するものとする。
一 一の建物内(集合住宅その他の複数の者が所有し、又は占有している一の建物内であって、一般送配電事業者以外の者が維持し、及び運用する受電設備を介して電気の供給を受ける当該一の建物内の全部又は一部が存在する場合には、当該全部又は一部)
二 柵、塀その他の客観的な遮断物によって明確に区画された一の構内
三 隣接する複数の前号に掲げる構内であって、それぞれの構内において営む事業の相互の関連性が高いもの
四 道路その他の公共の用に供せられる土地(前二号に掲げるものを除く。)において、一般送配電事業者以外の者が維持し、及び運用する受電設備を介して電気の供給を受ける街路灯その他の施設が設置されている部分
3 前項第一号から第三号までに掲げる一の需要場所(以下この条において「原需要場所」という。)において、災害による被害を防ぐための措置、温室効果ガス等の排出の抑制等のための措置、電気工作物の設置及び運用の合理化のための措置その他の電気の使用者の利益に資する措置に伴い必要な設備であって、次の各号に掲げる要件を満たす設備(当該設備を使用するために必要な電灯その他の付随設備を含む。)が設置されている場所を含む必要最小限の場所(以下この項において「特例需要場所」という。)については、当該設備の設置に際し、当該設備に係る電気の使用者又は小売電気事業者から一般送配電事業者に対して申出があったときは、前項の規定にかかわらず、一の需要場所とみなす。
一 公道に面している等、特例需要場所への一般送配電事業者の検針並びに保守及び保安等の業務のための立入り(当該設備の全部又は一部が壁面等に設置されている場合にあっては当該設備付近への一般送配電事業者の立入り)が容易に可能であり、かつ、特例需要場所以外の原需要場所への一般送配電事業者の立入りに支障が生じないこと。
二 原需要場所における他の電気工作物と電気的接続を分離すること等により保安上の支障がないことが確保されていること。
三 特例需要場所における配線工事その他の工事に関する費用は、当該特例需要場所の電気の使用者又は小売電気事業者が負担するものであること。
四 特例需要場所を一の需要場所とみなすことが社会的経済的事情に照らして著しく不適切であり、当該特例需要場所を供給区域に含む一般送配電事業者の供給区域内の電気の使用者の利益を著しく阻害するおそれがあるものでないこと。

電気保安上の具体的な説明については経済産業省産業保安グループの資料「「一需要場所・複数引込」及び「複数需要場所・一引込」の電気事業法上の取扱い(電気保安)について」に記載されています。

対象となる設備等、その他の要件の詳細については、資源エネルギー庁のHP「特例需要場所及び複数需要場所を1需要場所とみなすことに関するQ&A」に記載されています。

【電気事業法施行規則38条】電圧及び周波数の値

[H25:問1]

電気事業法施行規則

(電圧及び周波数の値)
第38条 法第二十六条第一項(法第二十七条の二十六第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の経済産業省令で定める電圧の値は、その電気を供給する場所において次の表の上欄に掲げる標準電圧に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。

標準電圧 維持すべき値
100V 101Vの上下6Vを超えない値
200V 200Vの上下20Vを超えない値
【電験3種】法規・「電気関係報告規則」での「事故報告」の攻略ポイント
電験3種試験における法規・「電気関係報告規則」での「事故報告」の攻略ポイントについてまとめました。
【電験3種とは】出題範囲と対策まとめ
電験三種とは?出題範囲と対策まとめについてまとめました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました