【電験3種】単線結線図の記号、制御器具番号、補助番号の意味とは?52F1って何?

電験3種における単線結線図の記号、制御器具番号、補助番号の意味とは?52F1って何?についてまとめました。

高圧受電設備の単線結線図の記号、役割一覧

受変電設備の単線結線図では、以下の記号(アルファベット)を用いた略称で、各種機器を示します。
その代表例を以下に示す。

記号 機器名 役割
V 電圧計(Voltmeters)) 電圧を測定。変圧器VTを経由して測定する。
A 電流計(Ammeters)) 電流を測定。変流器CTを経由して測定する。
W 電力計(Watt Meters)) 電力を測定。VCT(電力需給用計器用変成器)を経由して測定する。
WH 電力量計(Watt-hour Meters)) 電力量を測定。電力会社が電気代を計算するための電力メータとして使われる。VCT(電力需給用計器用変成器)を経由して測定する。
PF(cosφ) 力率計(Power-Factor Meters)) 力率を測定。
F 周波数計(Frequency Meters)) 周波数を測定。
AS 電流計切替スイッチ(Ammeter Change-over Switches)) 三相の場合、このスイッチを使って表示される電圧の相をR相、S相、T相から選択するのに使う。
AS 気中開閉器(Air Switches) 電路遮断を気中で行う遮断器。 電力会社から電力を引き込む責任分界点において、その区分となる開閉器の他、バスダクトなど大電流を遮断するための開閉器や、配電盤に設けられる遮断器としても使用される。
LBS 負荷開閉器(Load Break Switches) に300kVA以下の設備の主遮断装置として用いられる高圧機器を回路から切り離すスイッチの1つ。事業場の配線電路や設備機器の故障などによる電気事故が発生した際に、電気の供給を遮断。主パワーヒューズ(PF)を組み込んで使用される物が多い。漏電(地絡)が起きた場合は、地絡継電器(GR)で電気の供給を遮断し、短絡(ショート)や過負荷(定格以上に使用)時に大電流が流れた場合、ヒューズが切れることで機器類を保護する。LBSを主遮断装置として使用する受電方式をPF/S型と呼び、他の用途では、高圧進相コンデンサや変圧器の保護用として使用される。
PAS 高圧交流負荷開閉器(Pole Air Switches) 構内に電柱を設置し高圧受電引き込みを行う地域で、電柱上部に設置する開閉器の一種。内部に零相変流器(ZCT)を組み込み、地絡継電器(GR)と組み合わせたものが主流。地絡電流を検知し、接続回路を開放することで、近隣への波及事故を防ぐ。
VCB 真空遮断器(Vacuum Circuit Breakers) 遮断装置の1つ。事業場の配線電路や設備機器の故障などによる電気事故が発生した際に、電気回路を閉じて電気の供給を遮断する。設備容量が300KVA以上の主遮断装置として設置されることが多い。LBSより大電流を遮断できる。昔は絶縁油を用いた油入遮断器(OCB:Oil Circuit Breaker)が多かったが、現在は高真空容器に電極を収め絶縁性を高めた真空遮断器(VCB:Vacuum Circuit Breaker)が主流。CBを主遮断装置として使用する受電方式をCB型という。
PCS 高圧カットアウト(Primary Cutout Switches) 高圧機器を回路から切り離すスイッチ。変圧器保護用(300kVAまで)や高圧進相コンデンサ(50kvarまで)保護用として利用する場合、内部にヒューズを入れ、ヒューズの定格電流に達することでヒューズが切れ、過負荷、短絡事故を防ぐ。開閉機能のみを使用する場合には、素通し線を入れる(素通し線は電流によって切れない)。開閉性能が低く、開閉する頻度の高い箇所には設置されない。
PF 電力ヒューズ(Power Fuses) ヒューズリンクにある一定以上の電流が所定の時間以上流れると、ヒューズエレメントがジュール熱で溶断し、電気回路を開放させる保護措置。
DS 断路器(Disconnecting Switches) 電源を回路から切り離すスイッチの一種。保守点検や修理を行う際、確実に無電圧状態にすることで、感電などの事故を防ぐ。ディスコン棒というフックの付いた棒で開閉する。高圧気中開閉器(PAS)や遮断器(CB)と異なり、電流が流れている状態で強制的に回路を切り離すとアーク(火花)が発生し、短絡事故を招く恐れがある。
ELCB 漏電遮断器(Earth Leakage Circuit Breakers) 漏電を検知した際に回路を遮断し、電気事故を防ぐための保護装置。漏電ブレーカーともいう。
MCCB 配線用遮断器(Molded-Case Circuit Breakers) 二次側(負荷側)で過負荷電流や短絡電流などの異常電流が流れたときに電路を開放し、一次側(電源側)からの電源供給を遮断する保護装置。
T 変圧器(Transformars) 電圧を変換する装置。例えば、6600V以上の高圧を、変圧器で200Vや100Vの低圧に変換し、一般家庭に供給したりするのに使われます。
VT 計器用変成器(Voltage Transformars) 測定器用に電圧を小さくするる機器。高電圧回路の電圧を計器や継電器に必要な電圧(通常は110V)に変換する。
CT 変流器(Current Transformars) 大電流回路の電流を電流計や継電器に直接つなげられるよう、小電流(通常5A)に変換する機器。
【特徴】
・一次電流によって鉄心に生じる磁束によって二次電流を発生させる計器用変成器
・変流器の二次側が開放すると、巻数比に応じた二次電流を流そうとするため、二次側に過大な電圧がかかり絶縁破壊や機器損傷等が発生する危険性がある(二次側に開閉器やヒューズを設置できない)
・変流比は巻数比により変化(抵抗値は関係ない)
・やむお得ずに通電中の電流計を交換する場合、二次側端子を短絡して交換し、その後に短絡を外す
VCT VCT(電力需給用計器用変成器) 計器用変圧器(VT)と変流器(CT)を1つにしたもの。主に電力会社の需給用メーター(WH)に接続される。
ZCT 零相変流器(Zero-Phase-sequence Current Transformars) 3線に流れる電流のバランスを測定し地絡電流(漏電)を検出する機器。地絡継電器(GR)と組み合わせて使用。正常な状態では3線に流れる電流を零相変流器で計測すると、値はゼロになるが、地絡が発生すると電流のバランスに崩れが生じ、この値が変わる。地絡継電器(GR)に設定された地絡電流に達すると主遮断装置(VCB)を動作させ、電路を遮断させる。
SC 進相コンデンサ(Static Capacitor) 力率を改善する機器。電動機(モーターなど)を動かす際、内部のインダクタンス成分で無効電力が生じるため、高圧進相コンデンサにより、無効電力を減らし、力率(電力の効率)を改善します。電力会社でも使用を推奨しており、力率が改善した高圧事業所では基本料金の割引が受けられる。
SR 直列リアクトル(Series Reactor) コンデンサに直列に接続され、電力系統に存在する高調波の抑制や電力用コンデンサの開閉により、過渡的に発生する過大な電流・電圧などの特異現象による弊害を防止する機器。
OCR 過電流継電器(Overcurrent Relays) 変流器(CT)を通じて過負荷電流や短絡電流を検知したときに、VCBなどの遮断器を動作させる保護装置。
GR 地絡継電器(Ground Relays) 地絡電流(漏電)を検出する機器。零相変流器(ZCT)と組み合わせて使用。事業場でケーブルの劣化等により地絡事故が発生したとき、地絡電流を零相変流器(ZCT)で検出し、送電線に接続された遮断器(PASやLBSなど)を動作させる信号を発生する。遮断器が動作(電路を遮断)することで、地絡地点と正常な回路を電気的に切り離し、近隣への波及事故(停電等)を防ぐ。ただし、地絡地点が構内か、他の事業場のものか判別できず、他の事業場で発生した地絡も検出して動作してしまう(もらい事故)。
DGR 地絡方向継電器(Directional Ground Relays) GR(地絡継電器)の上位互換で、地絡地点が構内か、他の事業場のものか判別できるため、外部の地絡事故で動作(もらい事故)することを防ぐことができる。仕組みは、電圧要素を零相電圧検出装置(ZVT、ZPD等)で検出し、電流位相(方向)を判断している。
CH ケーブルヘッド(Cable Heads) 設備や機器とケーブルを接続する
TC 引外しコイル(Trip Coils) 遮断機に内蔵される装置で、過電流継電器が異常電流を検知した際、主接点が閉じて電流が流れることで励磁してラッチ機構を外し遮断器を動作させるための装置。
GE 発電機(Generaters) 電磁誘導を利用し機械エネルギーから電気エネルギーを得る機械装置。停電などの非常時に燃料で発電したりするものなどがある。
LA 避雷器(Lightning Arresters) 落雷から電気設備を守る機器。引き込部付近や高圧気中開閉器(PAS)に内蔵される。落雷によって非常に高い電圧(雷サージ電圧)が発生したときだけLAが低抵抗になることで、LAに大電流が流れ込んでそのまま大地に放電する。それにより受変電設備に流れ込んで故障するのを防ぐ。通常時はLAは高抵抗なので負荷電流はLAに流れ込まない。
E 接地(Earthing) 電気設備や電気機器、電路を大地と電気的に接続すること。
ET 接地端子(Earth Terminals) 電気設備や電気機器、電路を接地するための接続端子。

制御器具番号と補助記号

シーケンス回路や、受変電設備の単線結線の保護継電器類は、日本電機工業会で定められている制御器具番号で表現します。
分電盤や配電盤の内部に収容されている遮断器や断路器には、この制御器具番号をデバイス番号としても使用されているのが一般的です。

制御器具番号 制御器具名称
1 主幹制御器・スイッチ
2 始動・閉路限時継電器、または始動・閉路遅延継電器
3 操作スイッチ
4 主制御回路用制御器、または継電器
5 停止スイッチ、または継電器
6 始動遮断器・スイッチ・接触器、または継電器
7 調整スイッチ
8 制御電源スイッチ
9 界磁転極スイッチ・接触器、または継電器
10 順序スイッチ、接触器・または継電器
11 試験スイッチ、または継電器
12 過速度スイッチ、または継電器
13 同期速度スイッチ、または継電器
14 低速度スイッチ、または継電器
15 速度調整装置
16 表示線監視継電器
17 表示線継電器
18 加速・減速接触器、または加速・減速継電器
19 始動・運転切替接触器、または継電器
20 補機弁
21 主機弁
22 漏電遮断器・接触器、または継電器
23 温度調整装置、または継電器
24 タップ切替装置
25 同期検出装置
26 静止器温度スイッチ、または継電器
27 交流不足電圧継電器
28 警報装置
29 消火装置
30 機器の状態、または故障表示装置
31 界磁変更遮断器・スイッチ・接触器、または継電器
32 直流逆流継電器
33 位置検出スイッチ、または継電器
34 電動順序制御器
35 ブラシ操作装置、またはスリップリング短絡装置
36 極性継電器
37 不足電流継電器
38 軸受温度スイッチ、または継電器
39 機械的異常監視装置、または検出スイッチ
40 界磁電流継電器、または界磁喪出継電器
41 界磁遮断器・スイッチ、または接触器
42 運転遮断器・スイッチ、または接触器
43 制御回路切替スイッチ・接触器、または継電器
44 距離継電器
45 直流過電圧継電器
46 逆相、または相不平衡電流継電器
47 欠相、または逆相電圧継電器
48 渋滞検出継電器
49 回転機温度スイッチ・継電器、または過負荷継電器
50 短絡選択継電器、または地絡選択継電器
51 交流過電流継電器、または地絡過電流継電器
52 交流遮断器、または接触器
53 励磁継電器、または励弧継電器
54 高速度遮断器
55 自動力率調整器、または力率継電器
56 すべり検出器、または脱調継電器
57 自動電流調整器、または電流継電器
58 (予備番号)
59 交流過電圧継電器
60 自動電圧平衡調整器、または電圧平衡継電器
61 自動電流平衡調整器、または電流平衡継電器
62 停止・閉路限時継電器、または停止・回路遅延継電器
63 圧力スイッチ、または継電器
64 地絡過電圧継電器
65 調速装置
66 断続継電器
67 交流電力方向継電器、または地絡方向継電器
68 混入検出器
69 流量スイッチ、または継電器
70 加減抵抗器
71 整流素子故障検出装置
72 直流遮断器、または接触器
73 短絡用遮断器、または接触器
74 調整弁
75 制動装置
76 直流過電流継電器
77 負荷調整装置
78 搬送保護位相比較継電器
79 交流再閉路継電器
80 直流不足電圧継電器
81 調速機駆動装置
82 直流再閉路継電器
83 選択スイッチ・接触器、または継電器
84 電圧継電器
85 信号継電器
86 ロックアウト継電器
87 差動継電器
88 補機用遮断器・スイッチ・接触器、または継電器
89 断路器、または負荷開閉器
90 自動電圧調整器、または自動電圧調整継電器
91 自動電力調整器、または電力継電器
92 扉、またはダンパ
93 (予備番号)
94 引きはずし自由接触器、または継電器
95 自動周波数調整器、または周波数継電器
96 静止器内部故障検出装置
97 ランナ
98 連結装置
99 自動記録装置

補助記号

補助記号は、制御器具番号に付与して、制御器具の用途などを示す際に利用されます。
例えば、制御器具番号52と補助記号「F1」を合わせて「52F1」と記載すると、受変電所のフィーダー1送りに設置されている交流遮断器のことを指します。

補助記号 意味
R 受電。
F フィーダー(Feeder、支流、支線)。高圧受電設備では、分岐用の遮断器や継電器に用いられます。例えば受変電所からサブ受電所1に送電しているとき、受変電所にはサブ受電所1の遮断器が設置されます。この回路を「サブ受電所1フィーダー」や「フィーダー1」などといいます。このとき、制御器具番号と補助記号を用いて単線結線図や遮断器には「52F」や「52F1」などのデバイス番号が付けられます。
G 発電機。高圧受電設備では、発電機本体や発電機回路に設置する遮断器や継電器に用いられます。
B 母線。Bus(ブス)に由来。高圧受電設備では、母線に接続、切離しする遮断器や継電器に用いられます。
P 一次。Primary(プライマリー)に由来。高圧受電設備では、特高変圧器一次の遮断器などに用いられます。
S 二次。Secondary(セカンダリー)に由来。高圧受電設備では、特高変圧器二次の遮断器などに用いられます。
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