【電線の抵抗】長さ・断面積から計算

電線の抵抗を長さ・断面積から計算する方法についてまとめました。

【電線の抵抗】計算式

【電験3種、第二種電気工事士】
電線の抵抗を長さ・断面積から計算するには以下の式を用います。

(1)   \begin{eqnarray*} r=\rho \frac{l}{S}=\rho \frac{l}{\pi (d/2)^2}=\frac{4\rho l}{\pi d^2} \end{eqnarray*}

記号 意味
r 抵抗[Ω]
\rho 抵抗率[Ω⋅m]
l 電線の長さ[m]
s 電線の断面積[m2]
d 電線断面の直径[m]

計算式からもわかるとおり、

電線が長くなる→抵抗も大きくなる
電線が太くなる→抵抗は小さくなる

ことがわかります。
なお、抵抗率は電線の素材によって決まります。

【電気】抵抗率と導電率の違いと計算例
抵抗率と導電率の違いと計算例についてまとめました。

【計算例】電線の抵抗

【電験3種、第二種電気工事士】
問1)抵抗1Ωの電線の長さlが2倍になった場合、抵抗は何倍になるか。
解1)2倍

問2)抵抗1Ωの電線の断面積sが2倍になった場合、抵抗は何倍になるか。
解2)1/2倍

問3)抵抗1Ωの電線の断面半径dが2倍になった場合、抵抗は何倍になるか。
解3)1/4倍

【計算例】断面積と直径と抵抗値の関係

【電験3種、第二種電気工事士】
直径2.6 mm、長さ10 mの銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線はどれか。

①断面積 5.5 mm2、長さ 10m
②断面積 8mm2、長さ 10m
③直径 1.6 mm、長さ 20m
④直径 3.2 mm、長さ 5m

(断面積)=(半径)×(半径)×(円周率)より、③④を断面積に直します。
※半径=直径÷2

③の断面積は0.8×0.8×3.14≒2.0mm^2
②の断面積は6×1.6×3.14≒8.0mm^

①の導線 断面積5.5mm^2 長さ10m
②の導線 断面積8.0mm^2 長さ10m
③の導線 断面積2.0mm^2 長さ20m
④の導線 断面積8.0mm^2 長さ5m

抵抗値は断面積に反比例し、長さに比例するので最も近いのは①

【補足】電線の抵抗率

材質 抵抗率[Ω⋅m]
1.62\times 10^{-8}
1.72\times 10^{-8}
2.40\times 10^{-8}
アルミニウム 2.82\times 10^{-8}
10.0\times 10^{-8}

抵抗率は銀が最も小さい(伝導率)が高いです。
しかしながら銀は高価なため、実際には銅線やアルミニウム線が用いられることが多いです。

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コメント

  1. 匿名 より:

    (1)の式のdは電線断面の直径ではないのですか?
    また途中式の書き方(d/2)^2ではないのですか?

    • 管理人 より:

      ※匿名様
      コメントありがとうございます。
      ご指摘いただいた通り誤りでしたので訂正いたしました。

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