【電験3種・理論】分流器・倍率器の原理

分流器や倍率器の原理について解説します。

分流器・倍率器の原理とは

大きな電流/電圧を測るには、分流器/分圧器を用います。
分流器とは、電流の測定範囲を広げるために電流計に並列接続する抵抗のことです。
倍率器とは、電圧の測定範囲を広げるために電圧計に直列接続する抵抗のことです。

分流器の原理・計算式

分流器

【分流器の抵抗値】
分流器の倍率をm(電流計の測定範囲をm倍)、電流計の内部抵抗をrとするときの分流器の抵抗値Rは以下の式で計算できます。

(1)   \begin{eqnarray*} R=\frac{r}{m-1} \end{eqnarray*}

導出

電流計の測定範囲 I_a [A]を I_o [A]に拡大するには、上図のように分流器(抵抗)を電流計に対して並列接続します。このとき、電流計に流れる電流 I_a は以下の式で計算できます。

(2)   \begin{eqnarray*} I_a = I_o\times \frac{R}{R+r} \end{eqnarray*}

よって、抵抗値Rは以下の式で計算できます。

(3)   \begin{eqnarray*} R=\frac{r}{(I_o/I_a)-1} \end{eqnarray*}

ここで、 I_o/I_a は分流器の倍率mのことなので、以下の式で表せます。

(4)   \begin{eqnarray*} R=\frac{r}{m-1} \end{eqnarray*}

よって分流器の抵抗値R倍率m電流計の内部抵抗rから求まることがわかります。

倍率器の原理・計算式

倍率器

倍率器の倍率を m (電圧計の測定範囲を m倍)、電圧計の内部抵抗をrとするときの倍率器の抵抗値Rは以下の式で計算できます。

(5)   \begin{eqnarray*} R=(m-1)r \end{eqnarray*}

導出

電圧計の測定範囲 V_v [A]を V_o [A]に拡大するには、上図のように倍率器(抵抗)を電圧計に対して直列接続します。このとき、電圧計にかかる電圧 V_v は以下の式で計算できます。

(6)   \begin{eqnarray*} V_v = V_o\times \frac{r}{R+r} \end{eqnarray*}

よって、抵抗値 R は以下の式で計算できます。

(7)   \begin{eqnarray*} R=(V_o/V_v-1)r \end{eqnarray*}

ここで、 \frac{V_o}{V_v} は倍率器の倍率mのことなので、抵抗値Rは以下の式で表せます。

(8)   \begin{eqnarray*} R=(m-1)r \end{eqnarray*}

よって倍率器の抵抗値R倍率m電圧計の内部抵抗rから求まることがわかります。

【例題1】電圧計・倍率器の抵抗値を計算

(問題)
最大目盛1[V]、内部抵抗Rv=1000[Ω]の電圧計がある。この電圧計の測定範囲を倍率器を用いて、最大目盛15[V]まで拡大したい。
このとき、倍率器の抵抗rはいくらになるか。

(解答)
最大目盛1[V]を最大目盛15[V]まで拡大するので、倍率m=15となる。
よって、倍率器の抵抗rは計算式より14kΩとわかる。

(9)   \begin{eqnarray*} R_m=(m-1)R_v=14\cdot R_v= 14 \cdot 1000 = 14000 = 14k \end{eqnarray*}

【例題2】2台の電圧計と倍率器の抵抗値を計算

(問題)
直流電圧計V1(最大目盛150V、内部抵抗18kΩ)と、直流電圧計V2(最大目盛300 V、内部抵抗30kΩ)がある。
①この2つの直流電圧計V1、V2を直列に接続して使用したときに測定できる電圧の最大値[V]はいくらか。
②直流電圧450Vを測定するために、2つの直流電圧計V1、V2の指示を最大目盛にして測定したい。そのためには,直流電圧計V1に何Ωの抵抗を並列に接続し、これに直流電圧計V2を直列に接続すれば良いか。

(解答①)

●2つの電圧計それぞれにかかる電圧V_1、V_2は以下のとおり。

(10)   \begin{eqnarray*} V_1=\frac{R_1}{R_1+R_2}V=\frac{18k}{18k+30k}V=0.375V \\ V_2=\frac{R_2}{R_1+R_2}V=\frac{30k}{18k+30k}V=0.625V  \end{eqnarray*}

●仮に直流電圧計V1に最大目盛りV_1=150[V]まで電圧が加わったとする。このとき、2台の電圧計に加わる電圧の合計値Vは、以下のとおり400Vと求まる。
このとき、直流電圧計V2には400-150=250[V]の電圧が加わるが、最大目盛りの範囲内である。

(11)   \begin{eqnarray*} V_1=150=0.375V \\ V=400[V] \end{eqnarray*}

●次に直流電圧計V2に最大目盛りV_1=300[V]まで電圧が加わったとする。このとき、2台の電圧計に加わる電圧の合計値Vは、以下のとおり480Vと求まる。
このとき、直流電圧計V1には480-300=180[V]の電圧が加わるが、最大目盛りの範囲外である(測定不可)。

(12)   \begin{eqnarray*} V_2=300=0.625V \\ V=480[V] \end{eqnarray*}

● よって、測定可能な電圧の最大値は400Vとなる。

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