【電験3種】電技省令の攻略ポイント

電験3種における「電気設備に関する技術基準を定める省令」の攻略のポイントをまとめました。

  1. 【電技とは】「電気設備に関する技術基準を定める省令」の概要
  2. 【1条】基本用語の定義
  3. 【2条】電圧の区分「低圧」「高圧」「特別高圧」
  4. 【5条】電路、電気機械器具を大地から絶縁
  5. 【6-8条】電線等の断線の防止、電線の接続、電気機械器具の熱的強度
  6. 【9条】高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止
  7. 【10-11条】「電気設備の接地」と「A種、B種、C種、D種接地の違い」
  8. 【14条】過電流遮断器の敷設の必要性
  9. 【15条】地絡遮断器の敷設、省略条件
  10. 【15条の2】サイバーセキュリティの確保
  11. 【16条】電気設備の電気的、磁気的障害の防止
  12. 【17条】高周波利用設備への障害の防止
  13. 【18条】電気設備による供給支障の防止
  14. 【19条】公害等の防止(変圧器の絶縁油、PCB)
  15. 【解釈220-228条】分散型電源の系統連系設備
  16. 【20-27条】感電、火災等の防止
  17. 【28-32条】「他の電線、他の工作物等への危険の防止」「支持物の倒壊による危険の防止」
  18. 【33-35条】高圧ガス等による危険の防止
  19. 【36-41条】危険な施設の禁止
  20. 【42-43条】電気的、磁気的障害の防止
  21. 【44-51条】供給支障の防止
  22. 【52-55条】電気鉄道に電気を供給するための電気設備の施設
  23. 【56-61条】 感電、火災等の防止
  24. 【62条】 他の配線、他の工作物等への危険の防止
  25. 【63-66条】 異常時の保護対策
  26. 【68-73条】 特殊場所における施設制限
  27. 【74-78条】 特殊機器の施設
  28. 【計算:解釈66条】電線のたるみ(弛度:ちど)、許容引張荷重、安全率
  29. 【計算:解釈61条】支線の張力
  30. 【計算:32条】風圧荷重
  31. 【計算:解釈15・16条】 絶縁耐力試験(高圧又は特別高圧の電路、機械器具類)
  32. 【計算:解釈146条】絶縁電線の許容電流

【電技とは】「電気設備に関する技術基準を定める省令」の概要

他の関係法令等との違いを整理すると以下のとおり。

分類 概要
法律 電気事業法
政令 電気事業法施行令
省令 電気事業法施行規則電気関係報告規則発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(大技)、発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(風技)
解釈 電気設備の技術基準の解釈発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈
解説 電気設備の技術基準の解釈の解説発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説

法律、政令、省令に従う義務があります。つまり、電技には法的強制力があります。電技解釈等の解釈は、 電技等の省令で要求されている技術基準に適合させるための方法の1つを記載しているというものであるため、 必ず解釈に記載された要件を満足させる義務はありません。
しかし、電技解釈の要件を満たさない場合、その代わりに技術基準適合を満足させるための手段を講じ、必要に応じてそれを説明する必要があります。
ただし、電技解釈に記載されている要求事項を満足させることは、技術基準に適合するものと判断されるため、設計上の免責範囲が設定され設計者を保護する役割をもったものであり、 「電技解釈への適合は義務ではないので守らないほうが良い」 というものではありません。

電気事業法 第39条1項及び第56条1項を根拠として、電気工作物は、「電気設備に関する技術基準を定める省令(電技)」に定められた「技術基準に適合するように維持」していく必要があります。。

(事業用電気工作物の維持)
第39条 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
2 前項の主務省令は、次に掲げるところによらなければならない。
一 事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。
二 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。
三 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
四 事業用電気工作物が一般送配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。

(技術基準適合命令)
第40条 主務大臣は、事業用電気工作物が前条第一項の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。

(技術基準適合命令)
第56条 経済産業大臣は、一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、その所有者又は占有者に対し、その技術基準に適合するように一般用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。

【電験三種】「電気設備に関する技術基準を定める省令」の法的根拠
電験三種(法規)における「電気設備に関する技術基準を定める省令」の法的根拠をまとめました。

【1条】基本用語の定義

電技」と「電技解釈」の第一条で用語の定義があります。重要なものを以下に抜粋します。

【電技】

(用語の定義)
第1条 この省令において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 「電路」とは、通常の使用状態で電気が通じているところをいう。
二 「電気機械器具」とは、電路を構成する機械器具をいう。
三 「発電所」とは、発電機、原動機、燃料電池、太陽電池その他の機械器具(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十八条第一項に規定する小出力発電設備、非常用予備電源を得る目的で施設するもの及び電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号)の適用を受ける携帯用発電機を除く。)を施設して電気を発生させる所をいう。
四 「変電所」とは、構外から伝送される電気を構内に施設した変圧器、回転変流機、整流器その他の電気機械器具により変成する所であって、変成した電気をさらに構外に伝送するものをいう。
五 「開閉所」とは、構内に施設した開閉器その他の装置により電路を開閉する所であって、発電所、変電所及び需要場所以外のものをいう。
六 「電線」とは、強電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。
七 「電車線」とは、電気機関車及び電車にその動力用の電気を供給するために使用する接触電線及び鋼索鉄道の車両内の信号装置、照明装置等に電気を供給するために使用する接触電線をいう。
八 「電線路」とは、発電所、変電所、開閉所及びこれらに類する場所並びに電気使用場所相互間の電線(電車線を除く。)並びにこれを支持し、又は保蔵する工作物をいう。
九 「電車線路」とは、電車線及びこれを支持する工作物をいう。
十 「調相設備」とは、無効電力を調整する電気機械器具をいう。
十一 「弱電流電線」とは、弱電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。
十二 「弱電流電線路」とは、弱電流電線及びこれを支持し、又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は屋側に施設するものを除く。)をいう。
十三 「光ファイバケーブル」とは、光信号の伝送に使用する伝送媒体であって、保護被覆で保護したものをいう。
十四 「光ファイバケーブル線路」とは、光ファイバケーブル及びこれを支持し、又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は屋側に施設するものを除く。)をいう。
十五 「支持物」とは、木柱、鉄柱、鉄筋コンクリート柱及び鉄塔並びにこれらに類する工作物であって、電線又は弱電流電線若しくは光ファイバケーブルを支持することを主たる目的とするものをいう。
十六 「連接引込線」とは、一需要場所の引込線(架空電線路の支持物から他の支持物を経ないで需要場所の取付け点に至る架空電線(架空電線路の電線をいう。以下同じ。)及び需要場所の造営物(土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有する工作物をいう。以下同じ。)の側面等に施設する電線であって、当該需要場所の引込口に至るものをいう。)から分岐して、支持物を経ないで他の需要場所の引込口に至る部分の電線をいう。
十七 「配線」とは、電気使用場所において施設する電線(電気機械器具内の電線及び電線路の電線を除く。)をいう。
十八 「電力貯蔵装置」とは、電力を貯蔵する電気機械器具をいう。

【電技】

(用語の定義)[H29:問6出題]
技術員 設備の運転又は管理に必要な知識及び技能を有する者
電気使用場所 電気を使用するための電気設備を施設した、1の建物又は1の単位をなす場所
需要場所 電気使用場所を含む1の構内又はこれに準ずる区域であって、発電所、変電所及び開閉所以外のもの
(略)
二十二 工作物 人により加工された全ての物体
二十三 造営物 工作物のうち、土地に定着するものであって、屋根及び柱又は壁を有するもの
(略)
二十六 水気のある場所 水を扱う場所若しくは雨露にさらされる場所その他水滴が飛散する場所、又は常時水が漏出し若しくは結露する場所
二十七 湿気の多い場所 水蒸気が充満する場所又は湿度が著しく高い場所
二十八 乾燥した場所 湿気の多い場所及び水気のある場所以外の場所
二十九 点検できない隠ぺい場所 天井ふところ、壁内又はコンクリート床内等、工作物を破壊しなければ電気設備に接近し、又は電気設備を点検できない場所
三十 点検できる隠ぺい場所 点検口がある天井裏、戸棚又は押入れ等、容易に電気設備に接近し、又は電気設備を点検できる隠ぺい場所
三十一 展開した場所 点検できない隠ぺい場所及び点検できる隠ぺい場所以外の場所
三十二 難燃性 炎を当てても燃え広がらない性質
三十三 自消性のある難燃性 難燃性であって、炎を除くと自然に消える性質
三十四 不燃性 難燃性のうち、炎を当てても燃えない性質
三十五 耐火性 不燃性のうち、炎により加熱された状態においても著しく変形又は破壊しない性質
三十六 接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。
イ 設備を、屋内にあっては床上2.3m以上、屋外にあっては地表上2.5m以上の高さに、かつ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設すること。
ロ 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。
三十七 簡易接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。
イ 設備を、屋内にあっては床上1.8m以上、屋外にあっては地表上2m以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること。
ロ 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。

【補足】
弱電流電線・・・電話線、通信線など
連接引込線・・・以下のとおり。

[R2:問7]

【2条】電圧の区分「低圧」「高圧」「特別高圧」

電技第2条では、電圧の区分を「低圧」「高圧」「特別高圧」の3種類としています。

区分 交流 直流 用途
低圧 600V 以下 750V以下 一般家庭
高圧 600V超え 7,000V 以下 750V 超え 7,000V以下 小中規模な工場・施設など
特別高圧 7,000V超え 7,000V超え 大規模な工場・施設など
【電力会社】低圧・高圧・特別高圧(特高)の違い
電力会社が供給する電力区分の「低圧」「高圧」「特別高圧(特高)」の違いについてまとめました。

【5条】電路、電気機械器具を大地から絶縁

電技5条では、以下のとおり、電路や電気機械器具を大地から絶縁する必要について記載されています。
ただし、電路については「構造上やむおえず危険の恐れがない場合や接地等の必要な措置を講じれば不要」だということが記載されています。
また同条2項と3項では、高圧または特別高圧の電線路、配線、電気機械器具の絶縁性能(絶縁耐力試験で測定)について規定されています。
注意点として、低圧電線路の絶縁性能は電技22条、低圧電路(配線)の絶縁性能は電技58条で規定されているのでこの規定の対象外です。

(電路の絶縁)
第5条 電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。
2 前項の場合にあっては、その絶縁性能は、第二十二条及び第五十八条の規定を除き、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない。
3 変成器内の巻線と当該変成器内の他の巻線との間の絶縁性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない。

また、電技解釈13条で先程の絶縁不要なものについて具体的に規定されています。

【電路の絶縁】(省令第5条第1項)
第13条 電路は、次の各号に掲げる部分を除き大地から絶縁すること。
一 この解釈の規定により接地工事を施す場合の接地点
二 次に掲げるものの絶縁できないことがやむを得ない部分
イ 第173条第7項第三号ただし書の規定により施設する接触電線、第194条に規定するエックス線発生装置、試験用変圧器、電力線搬送用結合リアクトル、電気さく用電源装置、電気防食用の陽極、単線式電気鉄道の帰線(第201条第六号に規定するものをいう。)、電極式液面リレーの電極等、電路の一部を大地から絶縁せずに電気を使用することがやむを得ないもの
電気浴器、電気炉、電気ボイラー、電解槽等、大地から絶縁することが技術上困難なもの

【電験三種】「電路、電気機械器具の絶縁性能の必要性」の法的根拠
電験三種(法規)における「電路、電気機械器具の絶縁性能の必要性」の法的根拠をまとめました。

【6-8条】電線等の断線の防止、電線の接続、電気機械器具の熱的強度

電技6条では、以下のとおり、電線等の断線の防止について記載されています。これは、人に危害は及び、さらに電気供給にも支障をきたすためです。
また、同法7条では電線の接続について以下のように規定されています。これは、接続が不完全だと電気抵抗の増加により発熱が発生し電気火災に至ったり、絶縁性能が低下することで感電、漏電事故などに至る恐れがあるためです。

(電線等の断線の防止)
第6条 電線、支線、架空地線、弱電流電線等(弱電流電線及び光ファイバケーブルをいう。以下同じ。)その他の電気設備の保安のために施設する線は、通常の使用状態において断線のおそれがないように施設しなければならない。

(電線の接続)
第7条 電線を接続する場合は、接続部分において電線の電気抵抗を増加させないように接続するほか、絶縁性能の低下(裸電線を除く。)及び通常の使用状態において断線のおそれがないようにしなければならない。

(電気機械器具の熱的強度)
第8条 電路に施設する電気機械器具は、通常の使用状態においてその電気機械器具に発生するに耐えるものでなければならない。

電線の接続については、電技解釈12条に具体的に規定されており、これを守って工事する必要があります。

電線の種類 接続する電線 ポイント
コード、ケーブル、キャブタイヤケーブル コード、ケーブル、キャブタイヤケーブル 電気抵抗を増加させないコード接続器、接続箱その他の器具を使用
裸電線 裸電線、絶縁電線、ケーブル、キャブタイヤケーブル ①電気抵抗を増加させない ②引張強さを20%以上減少させない ③接続部分には接続管、その他の器具を使用、又はろう付け
絶縁電線 絶縁電線、コード、ケーブル、キャブタイヤケーブル ①電気抵抗を増加させない ②引張強さを20%以上減少させない ③接続部分には接続管、その他の器具を使用、又はろう付け ④接続部分に絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のある①接続器を使用または②被覆

8条では、電気機械器具の熱的強度について記載されており、温度上昇試験を行う根拠条文になっています。

【電験三種】「電線の接続と断線防止、電気機械器具の熱的強度」の法的根拠
電験三種(法規)における「電線の接続、断線防止」の法的根拠をまとめました。

【9条】高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止

電技9条1項では、「接触による感電防止」、2項では「アークによる火災防止」について記載されています。

(高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止)
第9条 高圧又は特別高圧の電気機械器具は、取扱者以外の者容易に触れるおそれがないように施設しなければならない。ただし、接触による危険のおそれがない場合は、この限りでない。
2 高圧又は特別高圧の開閉器、遮断器、避雷器その他これらに類する器具であって、動作時にアークを生ずるものは、火災のおそれがないよう、木製の壁又は天井その他の可燃性の物から離して施設しなければならない。ただし、耐火性の物で両者の間を隔離した場合は、この限りでない。

高圧の機械器具の施設

電技9条1項の「接触による感電防止」のうち「高圧」については、電技解釈21条に具体的に規定されており、これを守って工事する必要があります。

【高圧の機械器具の施設】(省令第9条第1項)
第21条 高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下この条において同じ。)は、次の各号のいずれかにより施設すること。ただし、発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合はこの限りでない
一 屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設すること。
二 次により施設すること。ただし、工場等の構内においては、ロ及びハの規定によらないことができる。
イ 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設けること。
ロ イの規定により施設するさく、へい等の高さと、当該さく、へい等から機械器具の充電部分までの距離との和を5m以上とすること。
危険である旨の表示をすること。
三 機械器具に附属する高圧電線にケーブル又は引下げ用高圧絶縁電線を使用し、機械器具を人が触れるおそれがないように地表上4.5m(市街地外においては4m)以上の高さに施設すること。
四 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設すること。
五 充電部分が露出しない機械器具を、次のいずれかにより施設すること。
イ 簡易接触防護措置を施すこと。
ロ 温度上昇により、又は故障の際に、その近傍の大地との間に生じる電位差により、人若しくは家畜又は他の工作物に危険のおそれがないように施設すること。

電技21条の「発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合はこの限りでない」については電技解釈38条に具体的に規定されています。

特別高圧の機械器具の施設

電技9条1項の「接触による感電防止」のうち「特別高圧」については、電技解釈22条に具体的に規定されており、これを守って工事する必要があります。

【特別高圧の機械器具の施設】(省令第9条第1項)
第22条 特別高圧の機械器具(これに附属する特別高圧電線であって、ケーブル以外のものを含む。以下この条において同じ。)は、次の各号のいずれかにより施設すること。ただし、発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合、又は第191条第1項第二号ただし書若しくは第194条第1項の規定により施設する場合はこの限りでない。
一 屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設すること。
二 次により施設すること。
イ 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさくを設けること。
ロ イの規定により施設するさくの高さと、当該さくから機械器具の充電部分までの距離との和を、22-1表に規定する値以上とすること。
ハ 危険である旨の表示をすること。
三 機械器具を地表上5m以上の高さに施設し、充電部分の地表上の高さを22-1表に規定する値以上とし、かつ、人が触れるおそれがないように施設すること。

【22-1表】

使用電圧の区分 さくの高さとさくから充電部分までの距離との和又は地表上の高さ
35,000V以下 5m
35,000Vを超え160,000V以下 6m
160,000V超過 (6+c)m

(備考) cは、使用電圧と160,000Vの差を10,000Vで除した値(小数点以下を切り上げる。)に0.12を乗じたもの

(以下省略)

アークを生じる器具の施設

電技9条2項の「アークの防止」については、電技解釈23条に具体的に規定されており、これを守って工事する必要があります。

【アークを生じる器具の施設】(省令第9条第2項)[H25:問5出題]
第23条 高圧用又は特別高圧用の開閉器、遮断器又は避雷器その他これらに類する器具(以下この条において「開閉器等」という。)であって、動作時にアークを生じるものは、次の各号のいずれかにより施設すること。
耐火性のものでアークを生じる部分を囲むことにより、木製の壁又は天井その他の可燃性のものから隔離すること。
二 木製の壁又は天井その他の可燃性のものとの離隔距離を、23-1表に規定する値以上とすること。

【23-1表】[H25:問5出題]

開閉器等の使用電圧の区分 離隔距離
高圧 1m
特別高圧(35,000V以下) 2m(※)
特別高圧(35,000V超過) 2m

※ 動作時に生じるアークの方向及び長さを火災が発生するおそれがないように制限した場合にあっては、1m

【電験三種】「高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止」の概要と例題
電験三種(法規)における「高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止」の法的根拠をまとめました。

【10-11条】「電気設備の接地」と「A種、B種、C種、D種接地の違い」

[R01:問6]
接地には、A種接地、B種接地、C種接地、D種接地の四種類があります。

種別 接地抵抗値 特徴 接地線
A種接地 10[Ω]以下 使用電圧が高圧以上(特別高圧含む)の電路、避雷器、電気機器(変圧器など)の外箱等などに施す接地。感電等の災害防止用。 直径2.6mm以上の軟銅線(※詳細は電技解釈第17条1項を参照)
B種接地 150/Ig[Ω]以下(漏電遮断器の動作時間が1秒超2秒以内なら300/Ig[Ω]、1秒以内なら600/Ig[Ω]) 高圧又は特別高圧電路と低圧電路の間にある変圧器の低圧側の中性点の1線に施す接地。変圧器の混触(高圧側と低圧側が接触し、高圧が低圧側に流れ込んむこと)時に電圧上昇を抑えるのが目的。 変圧器一次側電圧が15000V以下なら直径2.6mm以上の軟銅線15000V超えなら直径4mm以上の軟銅線(その他、詳細は電技解釈第17条2項を参照)
C種接地 10[Ω]以下(漏電遮断器の動作時間が0.5秒以内なら500Ω以下) 300Vを超える低圧の電気機器外箱等の接地。感電等の災害防止用。 直径1.6mm以上の軟銅線(※詳細は電技解釈第17条3項を参照)
D種接地 100[Ω]以下(漏電遮断器の動作時間が0.5秒以内なら500Ω以下) 300V以下の低圧の電気機器外箱等、高圧計器用変成器の2次側電路の接地。感電等の災害防止用。 直径1.6mm以上の軟銅線(※詳細は電技解釈第17条4項を参照)

(980Pa)混触事故が発生すると、電位上昇(1線地絡電流×接地抵抗)が発生します。
安全のために、(低圧電路の対地電圧の上限値)÷(1線地絡電流)がB種接地抵抗値の上限値となっています。

【電験三種】「A種、B種、C種、D種接地の違い」「変圧器の混触防止用の接地」と例題
電験三種(法規)における「電気設備の接地」と「A種、B種、C種、D種接地の違い」と例題をまとめました。

電技解釈17条1項3号は、A種とB種の設置工事において以下のように規定しています。

三 接地極及び接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合は、前号ハの場合、及び発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所において、接地極を第19条第2項第一号の規定に準じて施設する場合を除き、次により施設すること。
イ 接地極は、地下75cm以上の深さに埋設すること。
接地極を鉄柱その他の金属体に近接して施設する場合は、次のいずれかによること。
(イ) 接地極を鉄柱その他の金属体の底面から30cm以上の深さに埋設すること。
(ロ) 接地極を地中でその金属体から1m以上離して埋設すること。
ハ 接地線には、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用すること。ただし、接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合以外の場合には、接地線の地表上60cmを超える部分については、この限りでない。
ニ 接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分は、電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く。)又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うこと。
四 接地線は、避雷針用地線を施設してある支持物に施設しないこと。

【特別高圧の機械器具の施設】(省令第9条第1項)
第22条 特別高圧の機械器具(これに附属する特別高圧電線であって、ケーブル以外のものを含む。以下この条において同じ。)は、次の各号のいずれかにより施設すること。ただし、発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合、又は第191条第1項第二号ただし書若しくは第194条第1項の規定により施設する場合はこの限りでない。
一 屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設すること。
二 次により施設すること。
イ 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさくを設けること。
ロ イの規定により施設するさくの高さと、当該さくから機械器具の充電部分までの距離との和を、22-1表に規定する値以上とすること。
ハ 危険である旨の表示をすること。
三 機械器具を地表上5m以上の高さに施設し、充電部分の地表上の高さを22-1表に規定する値以上とし、かつ、人が触れるおそれがないように施設すること。

【22-1表】

使用電圧の区分 さくの高さとさくから充電部分までの距離との和又は地表上の高さ
35,000V以下 5m
35,000Vを超え160,000V以下 6m
160,000V超過 (6+c)m

(備考) cは、使用電圧と160,000Vの差を10,000Vで除した値(小数点以下を切り上げる。)に0.12を乗じたもの

(以下省略)

アークを生じる器具の施設

電技9条2項の「アークの防止」については、電技解釈23条に具体的に規定されており、これを守って工事する必要があります。

【アークを生じる器具の施設】(省令第9条第2項)
第23条 高圧用又は特別高圧用の開閉器、遮断器又は避雷器その他これらに類する器具(以下この条において「開閉器等」という。)であって、動作時にアークを生じるものは、次の各号のいずれかにより施設すること。
耐火性のものでアークを生じる部分を囲むことにより、木製の壁又は天井その他の可燃性のものから隔離すること。
二 木製の壁又は天井その他の可燃性のものとの離隔距離を、23-1表に規定する値以上とすること。

【23-1表】

開閉器等の使用電圧の区分 離隔距離
高圧 1m
特別高圧(35,000V以下) 2m(※)
特別高圧(35,000V超過) 2m

※ 動作時に生じるアークの方向及び長さを火災が発生するおそれがないように制限した場合にあっては、1m

【電験三種】「高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止」の概要と例題
電験三種(法規)における「高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険防止」の法的根拠をまとめました。

【14条】過電流遮断器の敷設の必要性

電技14条では、過電流による電気事故(ジュール熱による火災など)を防止するために、以下のとおり過電流遮断器(配線用遮断器、ヒューズなど)の敷設が規定されています。

第十四条 電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

低圧電路の過電流遮断器

電技解釈33条では、低圧電路に敷設するべき過電流遮断器(ヒューズと配線用遮断器)に要求される性能について記載されています。

【ヒューズの場合】

第33条 低圧電路に施設する過電流遮断器は、これを施設する箇所を通過する短絡電流を遮断する能力を有するも
のであること。
ただし、当該箇所を通過する最大短絡電流が10,000Aを超える場合において、過電流遮断器として10,000A以上の短絡電流を遮断する能力を有する配線用遮断器を施設し、当該箇所より電源側の電路に当該配線用遮断器の短絡電流を遮断する能力を超え、当該最大短絡電流以下の短絡電流を当該配線用遮断器より早く、又は同時に遮断する能力を有する、過電流遮断器を施設するときは、この限りでない。
2 過電流遮断器として低圧電路に施設するヒューズ(電気用品安全法の適用を受けるもの、配電用遮断器と組み合わせて1の過電流遮断器として使用するもの及び第4項に規定するものを除く。)は、水平に取り付けた場合(板状ヒューズにあっては、板面を水平に取り付けた場合)において、次の各号に適合するものであること。
一 定格電流の1.1倍の電流に耐えること。
二 33-1表の左欄に掲げる定格電流の区分に応じ、定格電流の1.6倍及び2倍の電流を通じた場合において、それぞれ同表の右欄に掲げる時間内に溶断すること。

定格電流 動作時間(定格電流の1.6倍以上) 動作時間(定格電流の2倍以上)
30A以下 60分 2分
30A超かつ50A以下 60分 4分
50A超かつ100A以下 120分 6分

(以下省略)

※動作時間・・・大電流が流れ始めてから配線用遮断器が「断」になるまでの時間
※定格電流の1倍(定格20Aなら20A)では自動的に動作しないこと。

【配線用遮断器の場合】

3 過電流遮断器として低圧電路に施設する配線用遮断器(電気用品安全法の適用を受けるもの及び次項に規定するものを除く。)は、次の各号に適合するものであること。
一 定格電流の1倍の電流で自動的に動作しないこと。
二 33-2表の左欄に掲げる定格電流の区分に応じ、定格電流の1.25倍及び2倍の電流を通じた場合において、それぞれ同表の右欄に掲げる時間内に自動的に動作すること。

定格電流 動作時間(定格電流の1.25倍以上) 動作時間(定格電流の2倍以上)
30A以下 60分 2分
30A超かつ50A以下 60分 4分
50A超かつ100A以下 120分 6分

(以下省略)

ヒューズと配線用遮断器では、遅い方の動作時間の定格電流の倍数(1.6倍か1.25倍か)が異なります。
また、試験には出てくる可能性が低いため表では省略していますが、100A以上の動作時間も異なります。
試験対策としては「30A以下」の行だけ覚えているだけでも良いかと思います。

高圧又は特別高圧の過電流遮断器

電技解釈34条では、高圧又は特別高圧の電路に敷設するべき過電流遮断器(ヒューズと配線用遮断器)に要求される性能について記載されています。

【高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器の性能等】(省令第14条)[H25:問6]
第34条 高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器は、次の各号に適合するものであること。
一 電路に短絡を生じたときに作動するものにあっては、これを施設する箇所を通過する短絡電流を遮断する能力を有すること。
二 その作動に伴いその開閉状態を表示する装置を有すること。ただし、その開閉状態を容易に確認できるものは、この限りでない。
2 過電流遮断器として高圧電路に施設する包装ヒューズ(ヒューズ以外の過電流遮断器と組み合わせて1の過電流遮断器として使用するものを除く。)は、次の各号のいずれかのものであること。
一 定格電流の1.3倍の電流に耐え、かつ、2倍の電流で120分以内に溶断するもの
二 次に適合する高圧限流ヒューズ
イ 構造は、日本工業規格 JIS C 4604(1988)「高圧限流ヒューズ」の「6 構造」に適合すること。
ロ 完成品は、日本工業規格 JIS C 4604(1988)「高圧限流ヒューズ」の「7 試験方法」の試験方法により
試験したとき、「5 性能」に適合すること。
3 過電流遮断器として高圧電路に施設する非包装ヒューズは、定格電流の1.25倍の電流に耐え、かつ、2倍の電流で2分以内に溶断するものであること。

※過負荷保護をするのは電動機等であり、電路は過電流とならないよう設計するのが一般的

過電流遮断器を敷設できない場所

電技解釈35条では、過電流遮断器を敷設できない場所について規定されています。

【過電流遮断器の施設の例外】(省令第14条)
第35条 次の各号に掲げる箇所には、過電流遮断器を施設しないこと。
接地線
二 多線式電路の中性線
三 第24条第1項第一号ロの規定により、電路の一部に接地工事を施した低圧電線路の接地側電線
2 次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。
一 多線式電路の中性線に施設した過電流遮断器が動作した場合において、各極が同時に遮断されるとき
二 第19条第1項各号の規定により抵抗器、リアクトル等を使用して接地工事を施す場合において、過電流遮断器の動作により当該接地線が非接地状態にならないとき

【ポイント】
接地線や接地側電線が過電流遮断器により遮断されると、接地保護ができなくなるので敷設ができません。
また、中性線が遮断されると負荷が不平衡の場合に異常電圧が発生するため、敷設できませんが各極を同時に遮断すれば異常電圧が生じないため敷設できます。

【電験三種】過電流遮断器(配線用遮断器・ヒューズ)の攻略ポイントと例題
電験三種(法規)における過電流遮断器(配線用遮断器・ヒューズ)の攻略ポイントと例題をまとめました。

【15条】地絡遮断器の敷設、省略条件

電技15条では、地絡事故を防止するために、以下のとおり地絡遮断器の敷設が規定されています。

(地絡に対する保護対策)
第十五条 電路には、地絡が生じた場合に、電線若しくは電気機械器具の損傷、感電又は火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電気機械器具を乾燥した場所に施設する等地絡による危険のおそれがない場合は、この限りでない。

電技解釈36条1項では、地絡遮断器が必要となる条件、及び敷設をしなくても良い条件について記載されています。

【地絡遮断装置の施設】(省令第15条)
第36条 金属製外箱を有する使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合はこの限りでない。
一 機械器具に簡易接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す機械器具と電気的に接続するおそれ
があるもので防護する方法を除く。)を施す場合
二 機械器具を次のいずれかの場所に施設する場合
発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所
乾燥した場所
ハ 機械器具の対地電圧が150V以下の場合においては、水気のある場所以外の場所
三 機械器具が、次のいずれかに該当するものである場合
イ 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁構造のもの
ロ ゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したもの
誘導電動機の2次側電路に接続されるもの
ニ 第13条第二号に掲げるもの
四 機械器具に施されたC種接地工事又はD種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下の場合
五 電路の系統電源側に絶縁変圧器(機械器具側の線間電圧が300V以下のものに限る。)を施設するとともに、当該絶縁変圧器の機械器具側の電路を非接地とする場合
六 機械器具内に電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器を取り付け、かつ、電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合
七 機械器具を太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設し、かつ、当該電路が次に適合する場合
イ 直流電路は、非接地であること。
ロ 直流電路に接続する逆変換装置の交流側に絶縁変圧器を施設すること。
ハ 直流電路の対地電圧は、450V以下であること。
八 電路が、管灯回路である場合

【電験三種】地絡遮断器の攻略ポイントと例題
電験三種(法規)における地絡遮断器の攻略ポイントと例題をまとめました。

【15条の2】サイバーセキュリティの確保

電技15条の2では、電気設備に対するサイバー攻撃対策として以下のとおり規定されています。

(サイバーセキュリティの確保)
第十五条の二 電気工作物一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業及び発電事業の用に供するものに限る。)の運転を管理する電子計算機は、当該電気工作物が人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれ及び一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、サイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)第二条に規定するサイバーセキュリティをいう。)を確保しなければならない。

一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業及び発電事業の用に供するものに限る。と記載されているように、電気事業用の電気設備の運転に使用する電子計算機(コンピュータ)が対象です。

【電験三種】サイバーセキュリティ対策と例題
電験三種(法規)におけるサイバーセキュリティ対策の攻略ポイントと例題をまとめました。

【16条】電気設備の電気的、磁気的障害の防止

電技16条では、「電気設備の電気的、磁気的障害の防止」のために以下のとおり規定されています。

(電気設備の電気的、磁気的障害の防止)
第十六条 電気設備は、他の電気設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないように施設しなければならない。

【電験三種】電技16・17条「電気設備の電気的、磁気的障害の防止」の対策と例題
電験三種(法規)における電技16条「電気設備の電気的、磁気的障害の防止」の攻略ポイントと例題をまとめました。

【17条】高周波利用設備への障害の防止

電路を高周波電流の伝送路として利用できますが、高周波電流の利用設備から大きな高周波電流が漏れ出すと、他の高周波利用設備に障害が発生します。
そこで、以下のような規定があります。

(高周波利用設備への障害の防止)
第十七条 高周波利用設備(電路を高周波電流の伝送路として利用するものに限る。以下この条において同じ。)は、他の高周波利用設備の機能に継続的かつ重大な障害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。

【電験三種】電技16・17条「電気設備の電気的、磁気的障害の防止」の対策と例題
電験三種(法規)における電技16条「電気設備の電気的、磁気的障害の防止」の攻略ポイントと例題をまとめました。

【18条】電気設備による供給支障の防止

電技18条では、「高圧又は特別高圧の電気設備」に対して、「電気設備による供給支障の防止」について以下のとおり規定されています。

(電気設備による供給支障の防止)
第十八条 高圧又は特別高圧の電気設備は、その損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないように施設しなければならない。
2 高圧又は特別高圧の電気設備は、その電気設備が一般送配電事業の用に供される場合にあっては、その電気設備の損壊によりその一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないように施設しなければならない。

【電験三種】電技18条「電気設備による供給支障の防止」の対策と例題
電験三種(法規)における電技18条「電気設備による供給支障の防止」の攻略ポイントと例題をまとめました。

【19条】公害等の防止(変圧器の絶縁油、PCB)

電技19条では、「公害等の防止」について以下のとおり規定されています。
特に「10項の変圧器の絶縁油(冷却用のもので、地絡電流などによるアーク放電で変圧器の容器が破損すると漏洩して環境汚損につながる恐れがある)の漏洩防止」「14項のPCB(ポリ塩化ビフェニル)の使用禁止」については特に重要なため、この2つはしっかり押さえましょう。
[H29:問3]

(公害等の防止)
第十九条 発電用火力設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十一号)第四条第一項及び第二項の規定は、変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に設置する電気設備又は電力保安通信設備に附属する電気設備について準用する。

(省略)

10 中性点直接接地式電路に接続する変圧器を設置する箇所には、絶縁油の構外への流出及び地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。

(省略)

14 ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気機械器具及び電線は、電路に施設してはならない

(省略)

【解釈220-228条】分散型電源の系統連系設備

電技解釈220-228条で、「分散型電源の系統連系設備」について具体的に記載されています。
よく出てくるので注意が必要です。

【分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義】(省令第1条)[R01:問9]
第220条 この解釈において用いる分散型電源の系統連系設備に係る用語であって、次の各号に掲げるものの定義は、当該各号による。
発電設備等 発電設備又は電力貯蔵装置であって、常用電源の停電時又は電圧低下発生時にのみ使用する非常用予備電源以外のもの
分散型電源 電気事業法(昭和39年法律第170号)第38条第4項第四号に掲げる事業を営む者以外の者が設置
する発電設備等であって、一般送配電事業者が運用する電力系統に連系するもの
解列 電力系統から切り離すこと。
逆潮流 分散型電源設置者の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れ
単独運転 分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、当該分散型電源が発電を継続し、線路負荷に有効電力を供給している状態
逆充電 分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、分散型電源のみが、連系している電力系統を加圧し、かつ、当該電力系統へ有効電力を供給していない状態
自立運転 分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態において、当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態
線路無電圧確認装置 電線路の電圧の有無を確認するための装置
転送遮断装置 遮断器の遮断信号を通信回線で伝送し、別の構内に設置された遮断器を動作させる装置
受動的方式の単独運転検出装置 単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置
十一 能動的方式の単独運転検出装置 分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき、単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置
十二 スポットネットワーク受電方式 2以上の特別高圧配電線(スポットネットワーク配電線)で受電し、各回線に設置した受電変圧器を介して2次側電路をネットワーク母線で並列接続した受電方式
十三 二次励磁制御巻線形誘導発電機 二次巻線の交流励磁電流を周波数制御することにより可変速運転を行う巻線形誘導発電機

【一般送配電事業者との間の電話設備の施設】(省令第4条、第50条第1項)
第225条 高圧又は特別高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を含む。)は、分散型電源設置者の技術員駐在箇所等と電力系統を運用する一般送配電事業者の営業所等との間に、次の各号のいずれかの電話設備を施設すること。
一 電力保安通信用電話設備
二 電気通信事業者の専用回線電話
三 次に適合する場合は、一般加入電話又は携帯電話等
イ 高圧又は35,000V以下の特別高圧で連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を含む。)であること。
ロ 一般加入電話又は携帯電話等は、次に適合するものであること。
(イ) 分散型電源設置者側の交換機を介さずに直接技術員との通話が可能な方式(交換機を介する代表番号方式ではなく、直接技術員駐在箇所へつながる単番方式)であること。
(ロ) 話中の場合に割り込みが可能な方式であること。
(ハ) 停電時においても通話可能なものであること。
ハ 災害時等において通信機能の障害により当該一般送配電事業者と連絡が取れない場合には、当該一般送配
電事業者との連絡が取れるまでの間、分散型電源設置者において発電設備等の解列又は運転を停止すること。

【低圧連系時の施設要件】(省令第14条、第20条)
第226条 単相3線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において、負荷の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは、分散型電源を施設した構内の電路であって、負荷及び分散型電源の並列点よりも系統側に、3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。
2 低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は、逆潮流を生じさせないこと。

【低圧連系時の系統連系用保護装置】(省令第14条、第15条、第20条、第44条第1項)[H29:問9]
第227条 低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は、次の各号により、異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。
一 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し、分散型電源を自動的に解列すること。
イ 分散型電源の異常又は故障
ロ 連系している電力系統の短絡事故、地絡事故又は高低圧混触事故
ハ 分散型電源の単独運転又は逆充電
二 一般送配電事業者が運用する電力系統において再閉路が行われる場合は、当該再閉路時に、分散型電源が当該電力系統から解列されていること。
三 保護リレー等は、次によること。
イ 227-1表に規定する保護リレー等を受電点その他異常の検出が可能な場所に設置すること。

【高圧連系時の系統連系用保護装置】(省令第14条、第15条、第20条、第44条第1項)
第229条 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は、次の各号により、異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。
一 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し、分散型電源を自動的に解列すること。
イ 分散型電源の異常又は故障
ロ 連系している電力系統の短絡事故又は地絡事故
ハ 分散型電源の単独運転
二 一般送配電事業者が運用する電力系統において再閉路が行われる場合は、当該再閉路時に、分散型電源が当該電力系統から解列されていること。
(略)
四 分散型電源の解列は、次によること。
イ 次のいずれかで解列すること。
(イ) 受電用遮断器
(ロ) 分散型電源の出力端に設置する遮断器又はこれと同等の機能を有する装置
(ハ) 分散型電源の連絡用遮断器
(ニ) 母線連絡用遮断器
ロ 前号ロの規定により複数の相に保護リレーを設置する場合は、いずれかの相で異常を検出した場合に解列すること。

【電験三種】電技19条「公害等の防止」の対策と例題
電験三種(法規)における電技19条「公害等の防止」の攻略ポイントと例題をまとめました。
【電験3種】法規「電技 1章 総則」の頻出範囲と攻略ポイント
電験3種の法規「電気設備に関する技術基準を定める省令 1章 総則」の頻出範囲とポイントについてまとめました。

【20-27条】感電、火災等の防止

電技の20-27条では、「感電、火災等の防止」について以下のとおり規定されています。

(電線路等の感電又は火災の防止)
第20条 電線路又は電車線路は、施設場所の状況及び電圧に応じ、感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

(架空電線及び地中電線の感電の防止)
第21条 低圧又は高圧の架空電線には、感電のおそれがないよう、使用電圧に応じた絶縁性能を有する絶縁電線又はケーブルを使用しなければならない。ただし、通常予見される使用形態を考慮し、感電のおそれがない場合は、この限りでない。
2 地中電線(地中電線路の電線をいう。以下同じ。)には、感電のおそれがないよう、使用電圧に応じた絶縁性能を有するケーブルを使用しなければならない。

(低圧電線路の絶縁性能)
第22条 低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流最大供給電流の2000分の1を超えないようにしなければならない。

(発電所等への取扱者以外の者の立入の防止)
第23条 高圧又は特別高圧の電気機械器具、母線等を施設する発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所には、取扱者以外の者に電気機械器具、母線等が危険である旨を表示するとともに、当該者が容易に構内に立ち入るおそれがないように適切な措置を講じなければならない。
2 地中電線路に施設する地中箱は、取扱者以外の者が容易に立ち入るおそれがないように施設しなければならない。

(架空電線路の支持物の昇塔防止)
第24条 架空電線路の支持物には、感電のおそれがないよう、取扱者以外の者が容易に昇塔できないように適切な措置を講じなければならない。

(架空電線等の高さ)
第25条 架空電線、架空電力保安通信線及び架空電車線は、接触又は誘導作用による感電のおそれがなく、かつ、交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。
2 支線は、交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。

(架空電線による他人の電線等の作業者への感電の防止)
第26条 架空電線路の支持物は、他人の設置した架空電線路又は架空弱電流電線路若しくは架空光ファイバケーブル線路の電線又は弱電流電線若しくは光ファイバケーブルの間を貫通して施設してはならない。ただし、その他人の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 架空電線は、他人の設置した架空電線路、電車線路又は架空弱電流電線路若しくは架空光ファイバケーブル線路の支持物を挟んで施設してはならない。ただし、同一支持物に施設する場合又はその他人の承諾を得た場合は、この限りでない。

(架空電線路からの静電誘導作用又は電磁誘導作用による感電の防止)
第27条 特別高圧の架空電線路は、通常の使用状態において、静電誘導作用により人による感知のおそれがないよう、地表上1mにおける電界強度が3kV/m以下になるように施設しなければならない。ただし、田畑、山林その他の人の往来が少ない場所において、人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
2 特別高圧の架空電線路は、電磁誘導作用により弱電流電線路(電力保安通信設備を除く。)を通じて人体に危害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。
3 電力保安通信設備は、架空電線路からの静電誘導作用又は電磁誘導作用により人体に危害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。

(電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止)【2021年度 問3】
第二十七条の二 変圧器、開閉器その他これらに類するもの又は電線路を発電所、変電所、開閉所及び需要場所以外の場所に施設するに当たっては、通常の使用状態において、当該電気機械器具等からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう、当該電気機械器具等のそれぞれの付近において、によって占められる空間に相当する空間の磁束密度の平均値が、商用周波数において200μT以下になるように施設しなければならない。ただし、田畑、山林その他の人の往来が少ない場所において、人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
2 変電所又は開閉所は、通常の使用状態において、当該施設からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう、当該施設の付近において、によって占められる空間に相当する空間の磁束密度の平均値が、商用周波数において200μT以下になるように施設しなければならない。ただし、田畑、山林その他の人の往来が少ない場所において、人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は、この限りでない。

静電誘導と電磁誘導の違いは次の通りです。

概要
静電誘導 帯電した物体を導体に接近させると、帯電した物体に近い側に帯電した物体とは逆の極性の電荷が引き寄せられる現象です。
電磁誘導 磁界が変化すると、変化を妨げる向きに導体に誘導起電力や誘導電流が発生する現象です。
静電誘導と電磁誘導の違い
静電誘導と電磁誘導の違いについてまとめました。

【28-32条】「他の電線、他の工作物等への危険の防止」「支持物の倒壊による危険の防止」

(電線の混触の防止)
第28条 電線路の電線、電力保安通信線又は電車線等は、他の電線又は弱電流電線等接近し、若しくは交さする場合又は同一支持物に施設する場合には、他の電線又は弱電流電線等を損傷するおそれがなく、かつ、接触、断線等によって生じる混触による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

(電線による他の工作物等への危険の防止)
第29条 電線路の電線又は電車線等は、他の工作物又は植物と接近し、又は交さする場合には、他の工作物又は植物を損傷するおそれがなく、かつ、接触、断線等によって生じる感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

(地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止)
第30条 地中電線、屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は、他の電線、弱電流電線等又は他の電線等という。以下この条において同じ。)と接近し、又は交さする場合には、故障時のアーク放電により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。ただし、感電又は火災のおそれがない場合であって、他の電線等の管理者の承諾を得た場合は、この限りでない。

(異常電圧による架空電線等への障害の防止)
第31条 特別高圧の架空電線と低圧又は高圧の架空電線又は電車線を同一支持物に施設する場合は、異常時の高電圧の侵入により低圧側又は高圧側の電気設備に障害を与えないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。
2 特別高圧架空電線路の電線の上方において、その支持物に低圧の電気機械器具を施設する場合は、異常時の高電圧の侵入により低圧側の電気設備へ障害を与えないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。

(支持物の倒壊の防止)[R01:問4で出題]
第32条 架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む。)は、その支持物が支持する電線等による引張荷重、10分間平均で風速40m/秒風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件、気象の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。ただし、人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては、その施設場所を考慮して施設する場合は、10分間平均で風速40m/sの風圧荷重の2分の1の風圧荷重を考慮して施設することができる。
2 架空電線路の支持物は、構造上安全なものとすること等により連鎖的に倒壊のおそれがないように施設しなければならない。

【電験三種】電技28-32条「他の電線、他の工作物等への危険の防止」「支持物の倒壊による危険の防止」の対策
電験三種(法規)における電技28-31条「他の電線、他の工作物等への危険の防止」の攻略ポイントをまとめました。

【33-35条】高圧ガス等による危険の防止

ガス絶縁機器は、圧力容器で異常時に爆発の恐れがあったり、ガスが漏洩すると火災の恐れがあるため、電技33条で危険防止について記載されています。

[H29:問4]

(ガス絶縁機器等の危険の防止)
第33条 発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設するガス絶縁機器(充電部分が圧縮絶縁ガスにより絶縁された電気機械器具をいう。以下同じ。)及び開閉器又は遮断器に使用する圧縮空気装置は、次の各号により施設しなければならない。
一 圧力を受ける部分の材料及び構造は、最高使用圧力に対して十分に耐え、かつ、安全なものであること。
二 圧縮空気装置の空気タンクは、耐食性を有すること。
三 圧力が上昇する場合において、当該圧力が最高使用圧力に到達する以前に当該圧力を低下させる機能を有すること。
四 圧縮空気装置は、主空気タンクの圧力が低下した場合に圧力を自動的に回復させる機能を有すること。
五 異常な圧力を早期に検知できる機能を有すること。
六 ガス絶縁機器に使用する絶縁ガスは、可燃性、腐食性及び有毒性のないものであること。

(加圧装置の施設)
第34条 圧縮ガスを使用してケーブルに圧力を加える装置は、次の各号により施設しなければならない。
一 圧力を受ける部分は、最高使用圧力に対して十分に耐え、かつ、安全なものであること。
二 自動的に圧縮ガスを供給する加圧装置であって、故障により圧力が著しく上昇するおそれがあるものは、上昇した圧力に耐える材料及び構造であるとともに、圧力が上昇する場合において、当該圧力が最高使用圧力に到達する以前に当該圧力を低下させる機能を有すること。
三 圧縮ガスは、可燃性、腐食性及び有毒性のないものであること。
(水素冷却式発電機等の施設)

大容量の発電機では、水素を循環させて冷却します。
しかし、水素が漏れて酸素と結合すると爆発する危険性があるため、電技34条で危険防止について記載されています。

(水素冷却式発電機等の施設)
第35条 水素冷却式の発電機若しくは調相設備又はこれに附属する水素冷却装置は、次の各号により施設しなければならない。
一 構造は、水素の漏洩又は空気の混入のおそれがないものであること。
二 発電機、調相設備、水素を通ずる管、弁等は、水素が大気圧で爆発する場合に生じる圧力に耐える強度を有するものであること。
三 発電機の軸封部から水素が漏洩したときに、漏洩を停止させ、又は漏洩した水素を安全に外部に放出できるものであること。
四 発電機内又は調相設備内への水素の導入及び発電機内又は調相設備内からの水素の外部への放出が安全にできるものであること。
五 異常を早期に検知し、警報する機能を有すること。

【電験3種】電技33-35条「高圧ガス等による危険の防止」の攻略
電験三種(法規)における電技33-35条「高圧ガス等による危険の防止」の攻略ポイントをまとめました。

【36-41条】危険な施設の禁止

(油入開閉器等の施設制限)
第36条 絶縁油を使用する開閉器、断路器及び遮断器は、架空電線路の支持物に施設してはならない。

(屋内電線路等の施設の禁止)
第37条 屋内を貫通して施設する電線路、屋側に施設する電線路、屋上に施設する電線路又は地上に施設する電線路は、当該電線路より電気の供給を受ける者以外の者の構内に施設してはならない。ただし、特別の事情があり、かつ、当該電線路を施設する造営物(地上に施設する電線路にあっては、その土地。)の所有者又は占有者の承諾を得た場合は、この限りでない。

(連接引込線の禁止)
第38条 高圧又は特別高圧の連接引込線は、施設してはならない。ただし、特別の事情があり、かつ、当該電線路を施設する造営物の所有者又は占有者の承諾を得た場合は、この限りでない。

(電線路のがけへの施設の禁止)
第39条 電線路は、がけに施設してはならない。ただし、その電線が建造物の上に施設する場合、道路、鉄道、軌道、索道、架空弱電流電線等、架空電線又は電車線と交さして施設する場合及び水平距離でこれらのもの(道路を除く。)と接近して施設する場合以外の場合であって、特別の事情がある場合は、この限りでない。

(特別高圧架空電線路の市街地等における施設の禁止)
第40条 特別高圧の架空電線路は、その電線がケーブルである場合を除き、市街地その他人家の密集する地域に施設してはならない。ただし、断線又は倒壊による当該地域への危険のおそれがないように施設するとともに、その他の絶縁性、電線の強度等に係る保安上十分な措置を講ずる場合は、この限りでない。

(市街地に施設する電力保安通信線の特別高圧電線に添架する電力保安通信線との接続の禁止)
第41条 市街地に施設する電力保安通信線は、特別高圧の電線路の支持物に添架された電力保安通信線と接続してはならない。ただし、誘導電圧による感電のおそれがないよう、保安装置の施設その他の適切な措置を講ずる場合は、この限りでない。

【電験3種】電技36-41条「危険な施設の禁止」の攻略
電験三種(法規)における電技36-41条「危険な施設の禁止」の攻略ポイントをまとめました。

【42-43条】電気的、磁気的障害の防止

(通信障害の防止)
第42条 電線路又は電車線路は、無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を及ぼす電波を発生するおそれがないように施設しなければならない。
2 電線路又は電車線路は、弱電流電線路に対し、誘導作用により通信上の障害を及ぼさないように施設しなければならない。ただし、弱電流電線路の管理者の承諾を得た場合は、この限りでない。

[H29:問8]

【架空弱電流電線路への誘導作用による通信障害の防止】(省令第42条第2項)
第52条 低圧又は高圧の架空電線路(き電線路(第201条第五号に規定するものをいう。)を除く。)と架空弱電流電線路とが並行する場合は、誘導作用により通信上の障害を及ぼさないように、次の各号により施設すること。
一 架空電線と架空弱電流電線との離隔距離は、2m以上とすること。
二 第一号の規定により施設してもなお架空弱電流電線路に対して誘導作用により通信上の障害を及ぼすおそれがあるときは、更に次に掲げるものその他の対策のうち1つ以上を施すこと。
イ 架空電線と架空弱電流電線との離隔距離を増加すること。
ロ 架空電線路が交流架空電線路である場合は、架空電線を適当な距離でねん架すること。
ハ 架空電線と架空弱電流電線との間に、引張強さ5.26kN以上の金属線又は直径4mm以上の硬銅線を2条以上施設し、これにD種接地工事を施すこと。
ニ 架空電線路が中性点接地式高圧架空電線路である場合は、地絡電流を制限するか、又は2以上の接地箇所がある場合において、その接地箇所を変更する等の方法を講じること。
3 中性点接地式高圧架空電線路は、架空弱電流電線路と並行しない場合においても、大地に流れる電流の電磁誘導作用により通信上の障害を及ぼすおそれがあるときは、第1項第二号イからニまでに掲げるものその他の対策のうち1つ以上を施すこと。
4 特別高圧架空電線路は、弱電流電線路に対して電磁誘導作用により通信上の障害を及ぼすおそれがないように施設すること。
5 特別高圧架空電線路は、次の各号によるとともに、架空電話線路に対して、通常の使用状態において、静電誘導作用により通信上の障害を及ぼさないように施設すること。ただし、架空電話線が通信用ケーブルである場合、又は架空電話線路の管理者の承諾を得た場合は、この限りでない。

(地球磁気観測所等に対する障害の防止)
第43条 直流の電線路、電車線路及び帰線は、地球磁気観測所又は地球電気観測所に対して観測上の障害を及ぼさないように施設しなければならない。

【電験3種】電技42-43条「電気的、磁気的障害の防止」の攻略
電験三種(法規)における電技42-43条「電気的、磁気的障害の防止」の攻略ポイントをまとめました。

【44-51条】供給支障の防止

(発変電設備等の損傷による供給支障の防止)
第44条 発電機、燃料電池又は常用電源として用いる蓄電池には、当該電気機械器具を著しく損壊するおそれがあり、又は一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがある異常が当該電気機械器具に生じた場合に自動的にこれを電路から遮断する装置を施設しなければならない。
2 特別高圧変圧器又は調相設備には、当該電気機械器具を著しく損壊するおそれがあり、又は一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがある異常が当該電気機械器具に生じた場合に自動的にこれを電路から遮断する装置の施設その他の適切な措置を講じなければならない。

(発電機等の機械的強度)
第45条 発電機、変圧器、調相設備並びに母線及びこれを支持するがいしは、短絡電流により生ずる機械的衝撃に耐えるものでなければならない。
2 水車又は風車に接続する発電機の回転する部分は、負荷を遮断した場合に起こる速度に対し、蒸気タービン、ガスタービン又は内燃機関に接続する発電機の回転する部分は、非常調速装置及びその他の非常停止装置が動作して達する速度に対し、耐えるものでなければならない。
3 発電用火力設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十一号)第十三条第二項の規定は、蒸気タービンに接続する発電機について準用する。

(常時監視をしない発電所等の施設)[R01:問7]電技解釈も出題
第46条 異常が生じた場合に人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えるおそれがないよう、異常の状態に応じた制御が必要となる発電所、又は一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、異常を早期に発見する必要のある発電所であって、発電所の運転に必要な知識及び技能を有する者が当該発電所又はこれと同一の構内において常時監視をしないものは、施設してはならない。ただし、発電所の運転に必要な知識及び技能を有する者による当該発電所又はこれと同一の構内における常時監視と同等な監視を確実に行う発電所であって、異常が生じた場合に安全かつ確実に停止することができる措置を講じている場合は、この限りでない。
2 前項に掲げる発電所以外の発電所又は変電所(これに準ずる場所であって、10万Vを超える特別高圧の電気を変成するためのものを含む。以下この条において同じ。)であって、発電所又は変電所の運転に必要な知識及び技能を有する者が当該発電所若しくはこれと同一の構内又は変電所において常時監視をしない発電所又は変電所は、非常用予備電源を除き、異常が生じた場合に安全かつ確実に停止することができるような措置を講じなければならない。

(地中電線路の保護)
第47条 地中電線路は、車両その他の重量物による圧力に耐え、かつ、当該地中電線路を埋設している旨の表示等により掘削工事からの影響を受けないように施設しなければならない。
2 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには、防火措置を講じなければならない。

(特別高圧架空電線路の供給支障の防止)
第48条 使用電圧が17万V以上の特別高圧架空電線路は、市街地その他人家の密集する地域に施設してはならない。ただし、当該地域からの火災による当該電線路の損壊によって一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
2 使用電圧が17万V以上の特別高圧架空電線と建造物との水平距離は、当該建造物からの火災による当該電線の損壊等によって一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、3m以上としなければならない。
3 使用電圧が17万V以上の特別高圧架空電線が、建造物、道路、歩道橋その他の工作物の下方に施設されるときの相互の水平離隔距離は、当該工作物の倒壊等による当該電線の損壊によって一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、3m以上としなければならない。

(高圧及び特別高圧の電路の避雷器等の施設)
第49条 雷電圧による電路に施設する電気設備の損壊を防止できるよう、当該電路中次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、雷電圧による当該電気設備の損壊のおそれがない場合は、この限りでない。
一 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口及び引出口
二 架空電線路に接続する配電用変圧器であって、過電流遮断器の設置等の保安上の保護対策が施されているものの高圧側及び特別高圧側
三 高圧又は特別高圧の架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口

(電力保安通信設備の施設)
第50条 発電所、変電所、開閉所、給電所(電力系統の運用に関する指令を行う所をいう。)、技術員駐在所その他の箇所であって、一般送配電事業に係る電気の供給に対する著しい支障を防ぎ、かつ、保安を確保するために必要なものの相互間には、電力保安通信用電話設備を施設しなければならない。
2 電力保安通信線は、機械的衝撃、火災等により通信の機能を損なうおそれがないように施設しなければならない。

(災害時における通信の確保)
第51条 電力保安通信設備に使用する無線通信用アンテナ又は反射板(以下この条において「無線用アンテナ等」という。)を施設する支持物の材料及び構造は、10分間平均で風速40m/sの風圧荷重を考慮し、倒壊により通信の機能を損なうおそれがないように施設しなければならない。ただし、電線路の周囲の状態を監視する目的で施設する無線用アンテナ等を架空電線路の支持物に施設するときは、この限りでない。

【電験3種】電技44-51条「供給支障の防止」の攻略
電験三種(法規)における電技44-51条「供給支障の防止」の攻略ポイントをまとめました。

【52-55条】電気鉄道に電気を供給するための電気設備の施設

(電車線路の施設制限)
第52条 直流の電車線路の使用電圧は、低圧又は高圧としなければならない。
2 交流の電車線路の使用電圧は、二万五千ボルト以下としなければならない。
3 電車線路は、電気鉄道の専用敷地内に施設しなければならない。ただし、感電のおそれがない場合は、この限りでない。
4 前項の専用敷地は、電車線路が、サードレール式である場合等人がその敷地内に立ち入った場合に感電のおそれがあるものである場合には、高架鉄道等人が容易に立ち入らないものでなければならない。

(架空絶縁帰線等の施設)
第53条 第二十条、第二十一条第一項、第二十五条第一項、第二十六条第二項、第二十八条、第二十九条、第三十二条、第三十六条、第三十八条及び第四十一条の規定は、架空絶縁帰線に準用する。
2 第六条、第七条、第十条、第十一条、第二十五条、第二十六条、第二十八条、第二十九条、第三十二条第一項及び第四十二条第二項の規定は、架空で施設する排流線に準用する。

(電食作用による障害の防止)
第54条 直流帰線は、漏れ電流によって生じる電食作用による障害のおそれがないように施設しなければならない。

(電圧不平衡による障害の防止)
第55条 交流式電気鉄道は、その単相負荷による電圧不平衡により、交流式電気鉄道の変電所の変圧器に接続する電気事業の用に供する発電機、調相設備、変圧器その他の電気機械器具に障害を及ぼさないように施設しなければならない。

【電験3種】電技52-55条「電気鉄道に電気を供給するための電気設備の施設」の攻略
電験三種(法規)における電技52-55条「電気鉄道に電気を供給するための電気設備の施設」の攻略ポイントをまとめました。
【電験3種】法規「電技 2章 電気の供給のための電気設備の施設」の頻出範囲と攻略ポイント
電験三種(法規)における電技2章「電気の供給のための電気設備の施設」の攻略ポイントをまとめました。

【56-61条】 感電、火災等の防止

(配線の感電又は火災の防止)
第56条 配線は、施設場所の状況及び電圧に応じ、感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
2 移動電線を電気機械器具と接続する場合は、接続不良による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
3 特別高圧の移動電線は、第一項及び前項の規定にかかわらず、施設してはならない。ただし、充電部分に人が触れた場合に人体に危害を及ぼすおそれがなく、移動電線と接続することが必要不可欠な電気機械器具に接続するものは、この限りでない。

(配線の使用電線)[H25:問3出題]
第57条 配線の使用電線(裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の状況及び電圧に応じ、使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。
2 配線には、裸電線を使用してはならない。ただし、施設場所の状況及び電圧に応じ、使用上十分な強度を有し、かつ、絶縁性がないことを考慮して、配線が感電又は火災のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
3 特別高圧の配線には、接触電線を使用してはならない。

(低圧の電路の絶縁性能)
第58条 電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の上欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上でなければならない。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
300V以下対地電圧が150V以下の場合 0.1MΩ(100Ω)
300V以下で上記以外のもの 0.2MΩ(200Ω)
300Vを超えるもの 0.4MΩ(400Ω)

対地電圧・・・接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧

(電気使用場所に施設する電気機械器具の感電、火災等の防止)
第59条 電気使用場所に施設する電気機械器具は、充電部の露出がなく、かつ、人体に危害を及ぼし、又は火災が発生するおそれがある発熱がないように施設しなければならない。ただし、電気機械器具を使用するために充電部の露出又は発熱体の施設が必要不可欠である場合であって、感電その他人体に危害を及ぼし、又は火災が発生するおそれがないように施設する場合は、この限りでない。
2 燃料電池発電設備が一般用電気工作物である場合には、運転状態を表示する装置を施設しなければならない。

(特別高圧の電気集じん応用装置等の施設の禁止)
第60条 使用電圧が特別高圧の電気集じん装置、静電塗装装置、電気脱水装置、電気選別装置その他の電気集じん応用装置及びこれに特別高圧の電気を供給するための電気設備は、第五十六条及び前条の規定にかかわらず、屋側又は屋外には、施設してはならない。ただし、当該電気設備の充電部の危険性を考慮して、感電又は火災のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。

(非常用予備電源の施設)
第61条 常用電源の停電時に使用する非常用予備電源(需要場所に施設するものに限る。)は、需要場所以外の場所に施設する電路であって、常用電源側のものと電気的に接続しないように施設しなければならない。

【電験3種】電技56-61条「感電、火災等の防止」の攻略
電験三種(法規)における電技56-61条「感電、火災等の防止」の攻略ポイントをまとめました。

【62条】 他の配線、他の工作物等への危険の防止

(配線による他の配線等又は工作物への危険の防止)
第62条 配線は、他の配線、弱電流電線等と接近し、又は交さする場合は、混触による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
2 配線は、水道管、ガス管又はこれらに類するものと接近し、又は交さする場合は、放電によりこれらの工作物を損傷するおそれがなく、かつ、漏電又は放電によりこれらの工作物を介して感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

[R01:問5で出題]

【低圧配線と弱電流電線等又は管との接近又は交差】(省令第62条)
第167条 がいし引き工事により施設する低圧配線が、弱電流電線等又は水管、ガス管若しくはこれらに類するもの
(以下この条において「水管等」という。)と接近又は交差する場合は、次の各号のいずれかによること。
一 低圧配線と弱電流電線等又は水管等との離隔距離は、10cm(電線が裸電線である場合は、30cm)以上とすること。
二 低圧配線の使用電圧が300V以下の場合において、低圧配線と弱電流電線等又は水管等との間に絶縁性の隔壁を堅ろうに取り付けること。
三 低圧配線の使用電圧が300V以下の場合において、低圧配線を十分な長さの難燃性及び耐水性のある堅ろうな絶縁管に収めて施設すること。
2 合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、ケーブル工事、フロアダクト工事、セルラダクト工事、ライティングダクト工事又は平形保護層工事により施設する
低圧配線が、弱電流電線又は水管等と接近し又は交差する場合は、次項ただし書の規定による場合を除き、低圧配線が弱電流電線又は水管等と接触しないように施設すること。
3 合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、フロアダクト工事又はセルラダクト工事により施設する低圧配線の電線と弱電流電線とは、同一の管、線ぴ若しくはダクト若しくはこれらのボックスその他の附属品又はプルボックスの中に施設しないこと。ただし、低圧配線をバスダクト工事以外の工事により施設する場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
(略)

【高圧配線の施設】(省令第56条第1項、第57条第1項、第62条)
第168条 高圧屋内配線は、次の各号によること。
一 高圧屋内配線は、次に掲げる工事のいずれかにより施設すること。
がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)
ロ ケーブル工事
二 がいし引き工事による高圧屋内配線は、次によること。
イ 接触防護措置を施すこと。
ロ 電線は、直径2.6mmの軟銅線と同等以上の強さ及び太さの、高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線又は引下げ用高圧絶縁電線であること。
ハ 電線の支持点間の距離は、6m以下であること。ただし、電線を造営材の面に沿って取り付ける場合は、2m以下とすること。
ニ 電線相互の間隔は8cm以上、電線と造営材との離隔距離は5cm以上であること。
ホ がいしは、絶縁性、難燃性及び耐水性のあるものであること。
ヘ 高圧屋内配線は、低圧屋内配線と容易に区別できるように施設すること。
ト 電線が造営材を貫通する場合は、その貫通する部分の電線を電線ごとにそれぞれ別個の難燃性及び耐水性のある堅ろうな物で絶縁すること。

【電験3種】電技62条「他の配線、他の工作物等への危険の防止」の攻略
電験三種(法規)における電技62条「他の配線、他の工作物等への危険の防止」の攻略ポイントをまとめました。

【63-66条】 異常時の保護対策

(過電流からの低圧幹線等の保護措置)
第63条 低圧の幹線、低圧の幹線から分岐して電気機械器具に至る低圧の電路及び引込口から低圧の幹線を経ないで電気機械器具に至る低圧の電路(以下この条において「幹線等」という。)には、適切な箇所に開閉器を施設するとともに、過電流が生じた場合に当該幹線等を保護できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。ただし、当該幹線等における短絡事故により過電流が生じるおそれがない場合は、この限りでない。
2 交通信号灯、出退表示灯その他のその損傷により公共の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあるものに電気を供給する電路には、過電流による過熱焼損からそれらの電線及び電気機械器具を保護できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

(地絡に対する保護措置)
第64条 ロードヒーティング等の電熱装置、プール用水中照明灯その他の一般公衆の立ち入るおそれがある場所又は絶縁体に損傷を与えるおそれがある場所に施設するものに電気を供給する電路には、地絡が生じた場合に、感電又は火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。

(電動機の過負荷保護)
第65条 屋内に施設する電動機(出力が0.2kW以下のものを除く。この条において同じ。)には、過電流による当該電動機の焼損により火災が発生するおそれがないよう、過電流遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電動機の構造上又は負荷の性質上電動機を焼損するおそれがある過電流が生じるおそれがない場合は、この限りでない。

(異常時における高圧の移動電線及び接触電線における電路の遮断)
第66条 高圧の移動電線又は接触電線(電車線を除く。以下同じ。)に電気を供給する電路には、過電流が生じた場合に、当該高圧の移動電線又は接触電線を保護できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。
2 前項の電路には、地絡が生じた場合に、感電又は火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。

【電験3種】電技63-66条「異常時の保護対策」の攻略
電験三種(法規)における電技63-66条「異常時の保護対策」の攻略ポイントをまとめました。

【68-73条】 特殊場所における施設制限

(粉じんにより絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設)
第68条 粉じんの多い場所に施設する電気設備は、粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

(可燃性のガス等により爆発する危険のある場所における施設の禁止)
第69条 次の各号に掲げる場所に施設する電気設備は、通常の使用状態において、当該電気設備が点火源となる爆発又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
一 可燃性のガス又は引火性物質の蒸気が存在し、点火源の存在により爆発するおそれがある場所
二 粉じんが存在し、点火源の存在により爆発するおそれがある場所
三 火薬類が存在する場所
四 セルロイド、マッチ、石油類その他の燃えやすい危険な物質を製造し、又は貯蔵する場所

(腐食性のガス等により絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設)
第70条 腐食性のガス又は溶液の発散する場所(酸類、アルカリ類、塩素酸カリ、さらし粉、染料若しくは人造肥料の製造工場、銅、亜鉛等の製錬所、電気分銅所、電気めっき工場、開放形蓄電池を設置した蓄電池室又はこれらに類する場所をいう。)に施設する電気設備には、腐食性のガス又は溶液による当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う感電又は火災のおそれがないよう、予防措置を講じなければならない。

(火薬庫内における電気設備の施設の禁止)
第71条 照明のための電気設備(開閉器及び過電流遮断器を除く。)以外の電気設備は、第六十九条の規定にかかわらず、火薬庫内には、施設してはならない。ただし、容易に着火しないような措置が講じられている火薬類を保管する場所にあって、特別の事情がある場合は、この限りでない。

(特別高圧の電気設備の施設の禁止)
第72条 特別高圧の電気設備は、第六十八条及び第六十九条の規定にかかわらず、第六十八条及び第六十九条各号に規定する場所には、施設してはならない。ただし、静電塗装装置、同期電動機、誘導電動機、同期発電機、誘導発電機又は石油の精製の用に供する設備に生ずる燃料油中の不純物を高電圧により帯電させ、燃料油と分離して、除去する装置及びこれらに電気を供給する電気設備(それぞれ可燃性のガス等に着火するおそれがないような措置が講じられたものに限る。)を施設するときは、この限りでない。

(接触電線の危険場所への施設の禁止)
第73条 接触電線は、第六十九条の規定にかかわらず、同条各号に規定する場所には、施設してはならない。
2 接触電線は、第六十八条の規定にかかわらず、同条に規定する場所には、施設してはならない。ただし、展開した場所において、低圧の接触電線及びその周囲に粉じんが集積することを防止するための措置を講じ、かつ、綿、麻、絹その他の燃えやすい繊維の粉じんが存在する場所にあっては、低圧の接触電線と当該接触電線に接触する集電装置とが使用状態において離れ難いように施設する場合は、この限りでない。
3 高圧接触電線は、第七十条の規定にかかわらず、同条に規定する場所には、施設してはならない。

【電験3種】電技68-73条「特殊場所における施設制限」の攻略
電験三種(法規)における電技68-73条「特殊場所における施設制限」の攻略ポイントをまとめました。

【74-78条】 特殊機器の施設

(電気さくの施設の禁止)
第74条 電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって、その裸電線に充電して使用するものをいう。)は、施設してはならない。ただし、田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、絶縁性がないことを考慮し、感電又は火災のおそれがないように施設するときは、この限りでない。

(電撃殺虫器、エックス線発生装置の施設場所の禁止)
第75条 電撃殺虫器又はエックス線発生装置は、第六十八条から第七十条までに規定する場所には、施設してはならない。

※第六十八条から第七十条、つまり粉塵の多い場所や爆発する危険のある場所、腐食性のある場所に電撃殺虫器又はエックス線発生装置を施設してはいけないとあります。

(パイプライン等の電熱装置の施設の禁止)
第76条 パイプライン等(導管等により液体の輸送を行う施設の総体をいう。)に施設する電熱装置は、第六十八条から第七十条までに規定する場所には、施設してはならない。ただし、感電、爆発又は火災のおそれがないよう、適切な措置を講じた場合は、この限りでない。

(電気浴器、銀イオン殺菌装置の施設)
第77条 電気浴器(浴槽の両端に板状の電極を設け、その電極相互間に微弱な交流電圧を加えて入浴者に電気的刺激を与える装置をいう。)又は銀イオン殺菌装置(浴槽内に電極を収納したイオン発生器を設け、その電極相互間に微弱な直流電圧を加えて銀イオンを発生させ、これにより殺菌する装置をいう。)は、第五十九条の規定にかかわらず、感電による人体への危害又は火災のおそれがない場合に限り、施設することができる。

(電気防食施設の施設)
第78条 電気防食施設は、他の工作物に電食作用による障害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。

【電験3種】法規「電技・電気使用場所の施設(56-78条)」の攻略ポイントと例題
電験三種(法規)における「電技・電気使用場所の施設(56-78条)」の計算問題の攻略ポイントをまとめました。

【計算:解釈66条】電線のたるみ(弛度:ちど)、許容引張荷重、安全率

電線中央部のたるみ(弛度)D[m]は、以下の式で計算できます。

(1)   \begin{eqnarray*} D=\frac{WS^2}{8T} \end{eqnarray*}

W:電線1mあたりの合成荷重[N/m]
S:径間[m]
T:電線の水平張力(引張荷重)[N]

電線1mあたりの合成荷重W[N/m]は以下の式で計算できます。

(2)   \begin{eqnarray*} W=\sqrt{(W_o+W_i)^2+W_w^2} \end{eqnarray*}

Wo:電線の自重[N/m]・・・下方向(垂直)の荷重
Wi:氷雪荷重[N/m]・・・下方向(垂直)の荷重
Ww:風圧荷重[N/m]・・・横方向(水平)の荷重

よって、3つの荷重の合成ベクトルが上式のようになります。

許容引張荷重

許容引張荷重T[kN]は、引張強さ[kN]を安全率で割ったものです。
電技解釈66条1項の【66-1表】で、電線の種類によって、引張強度は決められているため、安全性(安全率)を考慮して引張強さより小さい許容引張荷重で電線を引っ張ります。

許容引張荷重T = 引張強さ / 安全率

【低高圧架空電線の引張強さに対する安全率】(省令第6条)
第66条 高圧架空電線は、ケーブルである場合を除き、次の各号に規定する荷重が加わる場合における引張強さに
対する安全率が、66-1表に規定する値以上となるような弛度により施設すること。
一 荷重は、電線を施設する地方の平均温度及び最低温度において計算すること。
二 荷重は、次に掲げるものの合成荷重であること。
イ 電線の重量
ロ 次により計算した風圧荷重
(イ) 電線路に直角な方向に加わるものとすること。
(ロ) 平均温度において計算する場合は高温季の風圧荷重とし、最低温度において計算する場合は低温季の風圧荷重とすること。
ハ 乙種風圧荷重を適用する場合にあっては、被氷荷重

【66-1表】

電線の種類 安全率
硬銅線又は耐熱銅合金線 2.2
その他 2.5
【電験3種】法規・計算問題「電線の張力」「支線の張力」「風圧荷重」の計算例
電験三種(法規)における計算問題「電線の張力」「支線の張力」「風圧荷重」の計算例をまとめました。

【計算:解釈61条】支線の張力

支線(電線の水平張力Pと逆方向に張ることで、支持物の傾きを抑える線)の張力T(引張許容荷重)は、電線の水平張力と等しくなるように計算して取り付ける必要があります。
ただし、支線の取り付け方により計算方法が変わります。

電線が1本、取り付け高さが同じ場合

水平方向の力の釣り合い条件から以下の計算式になります。

(3)   \begin{eqnarray*} T=\frac{P}{sin\theta}=\frac{P\sqrt{h^2+l^2}}{l} \end{eqnarray*}

P:電線の水平張力[kN]
θ:支線の角度[deg]
h:取り付け高さ[m]
l:支線の根開き[m]

電線が1本、取り付け高さが異なる場合

支持物の根本からのモーメントの釣り合い条件から以下の計算式になります。

(4)   \begin{eqnarray*} T=\frac{Ph}{Hsin\theta} \end{eqnarray*}

P:電線の水平張力[kN]
θ:支線の角度[deg]
h:取り付け高さ[m]
l:支線の根開き[m]

電線が2本、取り付け高さが異なる場合

支持物の根本からのモーメントの釣り合い条件から以下の計算式になります。

(5)   \begin{eqnarray*} T=\frac{P_1h_1+P_2h_2}{Hsin\theta} \end{eqnarray*}

P1:電線1の水平張力[kN]
P1:電線2の水平張力[kN]
θ:支線の角度[deg]
h1:電線1の取り付け高さ[m]
h2:電線2の取り付け高さ[m]
l:支線の根開き[m]

支線の許容引張荷重

支線の張力Tも、電線と同じく安全性を考慮して許容引張荷重以下にする必要があります。

許容引張荷重 = (素線の条数×素線1条あたりの引張強さ) / 安全率 = 支線の引張強さ / 安全率

電技解釈61条では、支線を施設するときの具体的なスペックが記載されています。

【支線の施設方法及び支柱による代用】(省令第6条、第20条、第25条第2項)
第61条 架空電線路の支持物において、この解釈の規定により施設する支線は、次の各号によること。
一 支線の引張強さは、10.7kN(第62条及び第70条第3項の規定により施設する支線にあっては、6.46kN)以上であること。
二 支線の安全率は、2.5(第62条及び第70条第3項の規定により施設する支線にあっては、1.5)以上であること。
三 支線により線を使用する場合は次によること。
素線を3条以上より合わせたものであること。
ロ 素線は、直径が2mm以上、かつ、引張強さが0.69kN/mm2以上の金属線であること。
四 支線を木柱に施設する場合を除き、地中の部分及び地表上30cmまでの地際部分には耐食性のあるもの又は亜鉛めっきを施した鉄棒を使用し、これを容易に腐食し難い根かせに堅ろうに取り付けること。
五 支線の根かせは、支線の引張荷重に十分耐えるように施設すること。
2 道路を横断して施設する支線の高さは、路面上5m以上とすること。ただし、技術上やむを得ない場合で、かつ、
交通に支障を及ぼすおそれがないときは4.5m以上、歩行の用にのみ供する部分においては2.5m以上とすることができる。
3 低圧又は高圧の架空電線路の支持物に施設する支線であって、電線と接触するおそれがあるものには、その上部
にがいしを挿入すること。ただし、低圧架空電線路の支持物に施設する支線を水田その他の湿地以外の場所に施設する場合は、この限りでない。
4 架空電線路の支持物に施設する支線は、これと同等以上の効力のある支柱で代えることができる。

電技解釈62条では、高圧又は特別高圧の架空電線路の支持物として使用する木柱、A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱における支線の施設方法について記載されています。

【架空電線路の支持物における支線の施設】(省令第32条第1項)
第62条 高圧又は特別高圧の架空電線路の支持物として使用する木柱、A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱には、次の各号により支線を施設すること。
一 電線路の水平角度が5度以下の箇所に施設される柱であって、当該柱の両側の径間の差が大きい場合は、その径間の差により生じる不平均張力による水平力に耐える支線を、電線路に平行な方向の両側に設けること。
二 電線路の水平角度が5度を超える箇所に施設される柱は、全架渉線につき各架渉線の想定最大張力により生じる水平横分力に耐える支線を設けること。
三 電線路の全架渉線を引き留める箇所に使用される柱は、全架渉線につき各架渉線の想定最大張力に等しい不平均張力による水平力に耐える支線を、電線路の方向に設けること。

【電験3種】法規・計算問題「電線の張力」「支線の張力」「風圧荷重」の計算例
電験三種(法規)における計算問題「電線の張力」「支線の張力」「風圧荷重」の計算例をまとめました。
【電験3種】法規・計算問題「B種・D種接地工事」「1線地絡電流」の計算例
電験三種(法規)における計算問題「B種・D種接地工事」「1線地絡電流」の計算例をまとめました。

【計算:32条】風圧荷重

電技32条1項で、支持物が耐える必要のある風圧果汁について記載されています。

(支持物の倒壊の防止)
第32条 架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む。)は、その支持物が支持する電線等による引張荷重、10分間平均で風速40m/sの風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件、気象の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。ただし、人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては、その施設場所を考慮して施設する場合は、10分間平均で風速40m/sの風圧荷重の二分の一の風圧荷重を考慮して施設することができる。
2 架空電線路の支持物は、構造上安全なものとすること等により連鎖的に倒壊のおそれがないように施設しなければならない。

電技解釈58条では、強度計算に用いられる風圧荷重の種別として、甲種、乙種、丙種、着雪時風圧荷重が記載されています。

【架空電線路の強度検討に用いる荷重】(省令第32条第1項)
第58条 架空電線路の強度検討に用いる荷重は、次の各号によること。なお、風速は、気象庁が「地上気象観測指
針」において定める10分間平均風速とする。
一 風圧荷重 架空電線路の構成材に加わる風圧による荷重であって、次の規定によるもの
イ 風圧荷重の種類は、次によること。
(イ) 甲種風圧荷重 58-1表に規定する構成材の垂直投影面に加わる圧力を基礎として計算したもの、又は風速40m/s以上を想定した風洞実験に基づく値より計算したもの →※電線は980Pa
(ロ) 乙種風圧荷重 架渉線の周囲に厚さ6mm、比重0.9の氷雪が付着した状態に対し、甲種風圧荷重の0.5倍を基礎として計算したもの
(ハ) 丙種風圧荷重 甲種風圧荷重の0.5倍を基礎として計算したもの
(ニ) 着雪時風圧荷重 架渉線の周囲に比重0.6の雪が同心円状に付着した状態に対し、甲種風圧荷重の0.3倍を基礎として計算したもの

【電験3種】法規・計算問題「電線の張力」「支線の張力」「風圧荷重」の計算例
電験三種(法規)における計算問題「電線の張力」「支線の張力」「風圧荷重」の計算例をまとめました。

【計算:解釈15・16条】 絶縁耐力試験(高圧又は特別高圧の電路、機械器具類)

絶縁耐力試験(耐電圧試験)とは, 電気製品(部品)の使用する電圧に対して十分な絶縁耐力があるかどうか(絶縁破壊しないか)を確認するための試験です。
電気製品は基本的に導体と絶縁で構成されており, 規定電圧を規定時間印加して絶縁破壊が起きなければ、十分な絶縁耐力を持つと判断します.
ここでいう絶縁破壊とは, 絶縁物に電圧を印加したときに急激な電流増加があるかどうかです(あれば絶縁破壊ありと判断).

高圧又は特別高圧の電路、の場合

高圧、特別高圧電路における絶縁耐力試験(電技 第15条に記載)には、電路と大地の間に10分間連続して試験電圧を加えます。
多芯ケーブルの場合、芯線相互間と、芯線と大地との間に試験電圧を加えます。

試験電圧は以下のフローで計算します.

① 使用電圧(公称電圧=その電線路を代表する線間電圧)から最大使用電圧Emを計算します。最大使用電圧Emは使用電圧が1kV以下ならその1.15倍使用電圧が1kVを超え500kV未満ならその(1.15/1.1) 倍となります。
② 計算した最大使用電圧Emから、以下表により試験電圧を計算します。

最大使用電圧 試験電圧
7kV以下 交流の電路:最大使用電圧の1.5倍の交流電圧
直流の電路:最大使用電圧の1.5倍の直流電圧、又は1倍の交流電圧
7kVを超え15kV以下(中性点接地方式) 最大使用電圧の0.92倍
7kVを超え60kV以下 最大使用電圧の1.25倍(※最低値は10500V)
60kVを超える 最大使用電圧の1.1倍(電験3種の対象外なので参考)

また、電線にケーブルを使用する場合、上表の交流試験電圧の2倍の直流電圧で絶縁耐力試験を行うことができます。

【計算例】
高圧受電設備(6.6kV)の電路の試験電圧を求めます。

① 電路の使用電圧(公称電圧=電路を代表する線間電圧)は6.6kVなので、最大使用電圧は「使用電圧×1.15/1.1=6.9kV」になります.
② 試験電圧は,表より 「最大使用電圧(6900V)×1.5倍=10350V」となります.

機械器具類の場合

機械器具類の絶縁耐力試験の試験電圧は以下のフローで計算します.

① 使用電圧から最大使用電圧を計算する。使用電圧が1kV以下ならその1.15倍、使用電圧が1kVを超え500kV未満ならその(1.15/1.1) 倍が最大使用電圧となります。
② 最大使用電圧Emから、以下表により試験電圧を計算する。

[R2:問12 変圧器が出題]

種類 最大使用電圧Em 試験電圧
変圧器、開閉器、遮断器、電力用コンデンサ、計器用変成器、母線等 7kV以下 Em×1.5(最低500V)
変圧器、開閉器、遮断器、電力用コンデンサ、計器用変成器、母線等 7kVを超え60kV以下Emが15kV以下の中性点接地式電路に接続するもの Em×0.92
変圧器、開閉器、遮断器、電力用コンデンサ、計器用変成器、母線等 7kVを超え60kV以下、上記以外のもの Em×1.25(最低1.05kV)
回転変流機 直流側のEm(最低500V)
回転変流機以外の回転機 7kV以下 Em×1.5(最低500V)
回転変流機以外の回転機 7kV超え Em×1.25(最低1.05kV)
整流器 60kV以下 直流側のEm(最低500V)
燃料電池・太陽電池モジュール Em×1.5(直流電圧)、またはEm(交流電圧)(最低500V)
【電験3種】絶縁耐力試験と計算例
電験3種の絶縁耐力試験と計算例についてまとめました。

【計算:解釈146条】絶縁電線の許容電流

「絶縁電線の許容電流」は、絶縁電線の連続使用により, 絶縁被覆に著しい劣化をきたさないようにするための限界電流です。
絶縁電線を同一管に収めて施設する場合、以下のルールで「絶縁体の材料の種類に応じた電流減少係数」と「同一管内の電線数に応じた電流減少係数K1」を掛け合わせて許容電流を計算します.
絶縁電線の周囲温度による電流減少係数K1の計算式は以下のとおりです。

(6)   \begin{eqnarray*} K_1=\sqrt{\frac{75-\theta}{30}} \end{eqnarray*}

\thetaは周囲温度

同一管内に収める電線数による電流減少係数K2は以下のとおりになります。

同一管内の電線数 電流減少係数
3以下 0.7
4 0.63
5,6 0.56

※中性線や制御線、アース線は電線数に入らない

定格電流I、K1、K2が決定すれば、許容電流Isは以下の式で計算します。

(7)   \begin{eqnarray*} I \leq Is\times K_1 \times K_2 \\ Is \geq \frac{I}{K_1 \times K_2} \end{eqnarray*}

減少係数を考慮して許容電流を再計算し、定格電流以上となる必要がある

計算例

定格電流30Aの負荷に接続する, 単相3線式の600Vビニル絶縁電線(中性線や制御線、アース線を除く)を周囲温度が45[℃]の場所で同一の金属管内に収めて施設する場合, 許容電流Isはいくら以上の電線を使用する必要があるか.

【解答例】
周囲温度45度よりK1=1, 単相3線(三本)よりK2=0.7となる。よって許容電流

(8)   \begin{eqnarray*} Is \geq \frac{I}{K_1 \times K_2} \\ \geq \frac{30}{0.7} \\ \geq 42.8 \end{eqnarray*}

よって許容電流が約42.8A以上の電線を使用する必要がある.

【電験3種】電技解釈146条「絶縁電線の許容電流」と計算例
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